商標拒絶査定不服審判
2022-018796
カロリーゼロ、ゼロ
- 審判番号
- 2022-018796
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-129917
- 請求日
- 2022年11月22日
- 審決日
- 2024年03月27日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サラヤ株式会社
- 【請求人代理人】山田 卓二
- 【請求人代理人】田中 陽介
- 【請求人代理人】森脇 靖子
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .16 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-129917拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年10月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 1月11日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月 9日付け:意見書
令和4年 8月15日付け:拒絶査定
令和4年11月22日付け:審判請求書
令和4年12月 2日付け:手続補正書
令和5年12月11日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の当審における手続補正書により、第30類「あめ,天然甘味料」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、数字の「0」を図形化したものと容易に認識される図形部分に「カロリーゼロ」の文字を重ねるように表してなるところ、その構成中、「カロリーゼロ」の文字は、「熱量が含まれないこと。また、そのような食品」の意味を有する語であることから、全体として「カロリーがゼロ」ほどの意味合いを理解させる。
そして、食品業界においては、数字の「0」の図形とともに「カロリーゼロ」の語を用いた構成で、「カロリーがゼロ」であることを表示した商品を生産、販売している実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「カロリーがゼロの商品」であることを表示したものと理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審による証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2(1)ないし(12)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 請求人の意見
請求人は、上記4の証拠調べに対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
ア 本願商標の出所識別標識としての機能の有無について
(ア)本願商標は、別掲1のとおり、数字の「0」を縁取りして斜体(赤色)で大きく表し、その中央付近に重なるように「カロリーゼロ」の文字を縁取りした書体(赤色)で小さく表してなるものである。
そして、本願商標の構成文字は、書体を共通にし、同じ色彩で、まとまりのよい構成で表されているところ、その構成中、「カロリーゼロ」の文字部分は「熱量が含まれないこと。また、そのような食品。」を意味する語(デジタル大辞泉小学館)であり、それに重ねて配置された「0」の数字部分は、「カロリーゼロ」の文字部分の「ゼロ」の意味合いを強調する表記であると看取できるから、構成全体としては、「カロリー(熱量)がゼロ」であることを示す表示であると看取できる。
(イ)また、飲食料品を取り扱う業界において、「カロリーゼロ」であることを商品の特徴としてうたう製品が広く流通しており、別掲2のとおり、「カロリーゼロ」又は「ゼロカロリー」の文字と、カロリーがゼロであることを強調するように数字の「0」を図案化してなる標章が使用されている実情がある。
(ウ)そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、その商品が「カロリー(熱量)がゼロ」であることを示す表示であると認識、理解させるものにすぎず、自他商品の出所識別標識としての機能を有するものではない。
(2)本願商標の使用実績について
ア 請求人は、本願商標を付した商品の取引実情を考慮すれば、本願商標は、請求人の出所を表示する商標として需要者・取引者の間において既に認知され、本願の指定商品との関係では自他商品の識別機能を有している旨主張し、証拠方法として、甲第1号証から第4号証(以下「甲○」という。)を提出しているため、以下検討する。
(ア)請求人は、カロリーゼロの飴である「ラカント カロリーゼロ飴」(以下「請求人商品」という。)の製造、販売をしている(甲2の1)。
同商品のパッケージには、遅くとも2009年以降、本願商標と同様の構成態様で「0」及び「カロリーゼロ」の文字を重ねて表示してなるが、その上部には「ラカント」の文字が、その右側には「飴」の文字が配置されている(甲1の9)。
(イ)請求人商品のチラシや広告には、「カロリーを気にされる方」、「ダイエットしたい方」、「カロリーゼロ」、「脂質ゼロ」、「糖類ゼロ」などの文字が表示されている(甲1の9、10)。
(ウ)請求人は、請求人商品について、日本で初めてカロリーゼロを実現した飴として、社団法人大阪工研協会から「工業技術賞」(2012年)を受賞した(甲2の2~4)。
(エ)本願商標を使用した商品は、毎年2億円以上の売り上げ、140万個以上の販売実績があったと主張されている。
イ 上記認定事実によれば、請求人は、請求人商品を15年程度の期間にわたって製造、販売しているとしても、その主張する販売実績(売上高、販売数量)は、必ずしも多いとはいえず、具体的かつ客観的な証拠に基づいて示されているものでもない。
また、請求人商品のパッケージには、本願商標と同様の構成態様の文字(「0」及び「カロリーゼロ」)が表示されてはいるものの、「ラカント」や「飴」の文字と近接して配置されており、商品名が「ラカント カロリーゼロ飴」であることも相まって、当該商品名を一部文字を強調した態様で表記してなるとの印象をも与える。
さらに、上記(1)ア(イ)のとおり、「カロリーゼロ」であることを商品の特徴としてうたう製品が広く流通している実情がある中で、請求人商品も「カロリーゼロ」を特徴とし、評価されている商品である。
そうすると、請求人商品の販売実績をして、そのパッケージに表記された本願商標に相当する構成部分(文字及び構成態様を含む。)が、単なる商品の品質表示ではなく、他の構成部分とは独立した出所識別標識として認識、記憶され、その知名度の向上に寄与するものとは直ちに考えにくい。
その他、本願商標について、その指定商品に係る需要者が、請求人商品に係る出所識別標識として周知、著名性を獲得したことを示す具体的な証拠は、請求人により提出されていない。
なお、請求人提出証拠からは、本願商標の指定商品中「天然甘味料」における本願商標の使用態様や使用実績は確認できない。
したがって、本願商標は、請求人による使用実績を勘案したとしても、請求人に係る独立した出所識別標識として、需要者、取引者の間において広く知られている商標であるとは認められない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
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