商標拒絶査定不服審判
2022-018765
エズ、エゼ、イイゼットイイ
- 審判番号
- 2022-018765
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-050920
- 請求日
- 2022年11月22日
- 審決日
- 2023年08月29日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サン・ブリッジ
- 【請求人代理人】亀山 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 50920拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月29日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月 5日 :意見書の提出
令和4年 8月24日付け:拒絶査定
令和4年11月22日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「Eze」(「E」にアクサングラーブが付されている。以下、本願商標についていう場合は同じ。)の欧文字を普通に用いられる方法で表してなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「Eze」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、該文字は「フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村」の名称を表すものであり、当該地名は、我が国においても、南フランス定番の観光地として知られているものである。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「エズ(フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村)に関する役務」であることを認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「Eze」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、原審で説示したとおり、「フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村。ニースとモナコの中間に位置する。中世に異教徒からの攻撃を防ぐために、急峻な岩山や丘の上に城壁をめぐらして築いた「鷲の巣村」の一。」(出典:株式会社小学館「デジタル大辞泉」)を表し、フランス南東部における有数の観光地やリゾート地として、我が国でもガイドブックやインターネットの旅行・観光サイト等で広く紹介されている「エズ」(エズ村)と綴りを同じくするものである。
そして、原審提示の情報のほか、別掲2のインターネット情報によれば、本願の指定役務に関連する不動産業界においては、日本にいながらにしてフランスの「エズ」(エズ村)の物件の賃貸・売買等の取引を行うことができるなど、「エズ」(エズ村)は、観光地やリゾート地として人気があるがゆえに、不動産としての価値やその需要が高いことがうかがえる。
これらの実情を総合的に勘案すると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「エズ(フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村)に関する役務」であると理解、認識するものといえ、本願商標は、単に役務の質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標中の「E」の文字を利用する言語が、ポルトガル語、フランス語、イタリア語、ウェールズ語、ベトナム語等多岐にわたり、直ちにフランス語であるとの認定はできないこと、我が国における当該「E」の文字の使用頻度が極めて低いこと、観光地「エズ」として本願商標「Eze」(別掲1)の表記が現実の取引の場で使用されていないことを踏まえると、本願商標から、「フランス語であること」という認識のみならず、「フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村」といった特定の意味合いが当然に生じるとはいえない旨述べるほか、インターネットにおける「Eze」の文字を使用するウェブサイト(雑貨やハンドメイド作品、補正下着、ジュエリー等の販売サイト)を例示し、いずれも、「フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村」をイメージするようなものではないから、我が国において、観光地「エズ」の認知度の高さがそれほど高くないことの根拠ともいえる旨主張する。
しかしながら、「E」(アクサングラーブが付されている。)の文字を使用する言語が複数あり、また、我が国においては当該文字の使用頻度が低いとしても、本願商標がフランス南東部に位置する観光地の「エズ」(エズ村)を表す語とその綴りを同じくし、当該「エズ」(エズ村)以外の意味を有しないことに加え、請求人が例示する「Eze」(「EZE」「eze」)の文字を使用するウェブサイトでの取扱いに係る商品は、本願の指定役務を取り扱う分野とは異なるものである。
そして、別掲2で示すとおり、本願の指定役務に関連する業界の実情に照らせば、本願商標の綴りからは、むしろ、フランスの「エズ」(エズ村)を認識させるのが自然といえることから、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「エズ(フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村)に関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示するものと理解、認識させるものであるといわざるを得ない。
イ 請求人は、仮に、本願商標から特定の地名が認識できたとしても、観光地「エズ」が知られているのは、せいぜい、「旅行に関する情報の提供」等の役務の提供者側とするのが妥当であり、本願の指定役務における需要者において、本願商標が観光地「エズ」であると認識できないと述べ、本願の指定役務の需要者はもっぱら日本国内であること、提供する物件も国内である場合が多いことから考えても、本願商標に接した需要者が、観光地「エズ」が本願の指定役務の提供先等であると認識することはできない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定役務に関連する不動産業界においては、実際に、日本にいながらにして「エズ」(エズ村)の物件の賃貸・売買等の取引を行うことができるなど、観光地やリゾート地として名高い「エズ」(エズ村)ゆえに、不動産としての価値やその需要も高いことからすれば、「旅行に関する情報の提供」等の役務の提供者側のみならず、本願の指定役務の取引者、需要者をして、「エズ(フランス南東部、アルプ‐マリチーム県の村)に関する役務」であることを認識させるものというのが相当である。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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