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商標拒絶査定不服審判

2022-018375

審判番号
2022-018375
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-093366
請求日
2022年11月15日
審決日
2023年11月14日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社チェリオジャパン
  • 【請求人代理人】山尾 憲人
  • 【請求人代理人】川本 真由美
  • 【請求人代理人】寺田 花子
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .13 -Z (W32) / T18 .17 -Z (W32)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-93366拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和2年7月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 7月15日付け:拒絶理由通知書 令和3年11月26日 :意見書の提出 令和4年 4月28日 :上申書、手続補正書の提出 令和4年 8月 4日付け:拒絶査定 令和4年11月15日 :審判請求書の提出 令和5年 1月11日 :手続補正書の提出 令和5年 6月16日 :上申書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、前記1の手続補正により、最終的に、第32類「炭酸飲料」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、商品の包装等においては、美感を発揮させるため、または需要者の注意を惹く目的等で、出所を表示するための識別標識以外の装飾的な種々の文字、図形及び色彩が使用されている実情がある。 そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、その指定商品の包装の一形態であると認識するにとどまるものであるから、本願商標は、単に商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 また、出願人が提出した本願商標の使用に係る資料を参酌すると、使用に係る商標には、中心部分に炎が燃えさかるような装飾がされており、本願商標と同一性があるとは認められない。 よって、本願商標が、何人かの出所表示として、その商品の需要者の間で全国的に認識されているとはいえず、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているとは認められない。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、本願の指定商品である「炭酸飲料」との関係においては、当該形状は、包装容器の一形態である飲料用ペットボトルの立体的形状を表してなるものと看取、認識されるものといえる。そうとすれば、その蓋部を緑色とし、胴部に、緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様を斜め方向に全面的に連続反復させてなる包装容器の立体的形状からなるものといえる。 そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、商品の美感向上や需要者の関心を引くなどといった目的のため、商品の包装容器に様々な図形や色彩を装飾的に付すことが一般に広く行われているところ、例えば、緑色、黒色等からなる模様を、包装容器の胴部に全面的に連続反復させてなる商品が一般に製造、販売されている実情もある(別掲2)。 そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、包装容器の一形態である飲料用ペットボトルと看取、認識される立体的形状の胴部に、緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様を斜め方向に全面的に連続反復させてなるものであって、全体として特徴的な形態ないし特異性を見いだすことはできず、需要者において、商品の機能又は美感に資することを目的として採用されたものと予測し得る範囲のものと認識されるにとどまり、それ自体が単独で商品の出所を表示する標識又は自他商品を識別する標識として認識されることはないとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、仮に本願商標が生来的に識別力を欠くとしても、本願商標はその継続的な使用により商標法第3条第2項に規定する使用による識別力を獲得している旨主張し、その主張の裏付けとして、原審及び当審において、第1号証ないし第166号証(枝番号を含む。)を提出している(なお、本審決においては、以下、当該第1号証ないし第166号証について、順次、甲第1号証ないし甲第166号証と読み替えることとする。また、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)。 そこで、請求人の主張及び同人提出の証拠について、以下検討する。 ア 本願商標と使用商標の同一性について 本願商標は、別掲1のとおり、その蓋部を緑色とし、その胴部に、緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様を斜め方向に全面的に連続反復させてなる包装容器の立体的形状からなるものである。 他方、請求人が本願商標を使用しているとする炭酸飲料(500mlペットボトル入りのもの。以下「使用商品」という。)は、例えば、請求人が本願商標の使用を開始したとする2014年には、使用商品の包装容器(以下「使用商標」という。)の蓋部は白色であり、その包装容器の胴部(正面図)には、[a]左下から右上にかけて、赤色で縁取られた紫色の複数の曲線等からなる図形(以下「曲線図形」という。)が面積の3分の1程度を占めるように大きく表され、[b]当該曲線図形に重ねて、商品の出所を表す標章(商標)と看取、理解され得る「LIFEGUARD」の文字が左下から右上にかけて黒色で顕著に表されており、[c]当該曲線図形の左上及び右下には、うさぎをモチーフにしたと思しきキャラクター図形等が表され、[d]これらの[a]ないし[c]の図形及び文字の背景に、斜め方向に連続反復させてなる緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様が施されている。そして、使用商標は、曲線図形の形状や色彩、「LIFEGUARD」の文字の書体や色彩、[c]において言及した各キャラクターのデザインなどが毎年変更されていることが認められる(甲8)。 そうすると、使用商標には、常に[a]ないし[c]の図形及び文字が顕著に表されている点において、本願商標の構成とは大きく印象が異なるものであり、商品の出所を表したと認識され得る「LIFEGUARD」の文字の有無を置くとしても、使用商標とは、相当程度異なるものといわなければならない。 してみれば、本願商標と使用商標とは、同一性があるものとは認められない。 イ 使用期間及び使用地域 請求人は、1986年に、炭酸飲料「ライフガード/LIFEGUARD」の販売を開始し(甲37の2、甲37の3)、数回のデザイン変更を経て、2014年から、本願商標を使用商標として使用しているとする。 また、使用商品は、請求人のウェブサイトや、「Amazon.co.jp」、「Yahoo!ショッピング」、「楽天市場」などを通じたECサイトにおいて販売されている(甲10)ほか、日本各地の自動販売機、小売店等で販売されている(請求人の主張)。 ウ 販売実績 請求人は、使用商標を用いた商品の販売本数について、2014年ないし2022年において、概ね毎年5千万本前後であるとしている(請求人の主張)。 エ 広告宣伝実績 請求人は、使用商標を用いた商品の広告宣伝費について、2014年ないし2022年において、約5千万円ないし約1億円であるとしている(請求人の主張)。 また、その広告宣伝の方法としては、東京都、神奈川県、千葉県などの関東地方や、大阪府、奈良県などの関西地方、静岡県、愛知県などの東海地方や、宮城県、新潟県等において開催された各種イベント会場において、使用商品又はサンプリングの無料配布、連続反復させてなる緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様が全面的に施された車体の展示やステッカーの配布、使用商品に係るポスターの展示などが行われた(甲15~甲26、甲53~甲81、ほか)。 オ 他社とのコラボレーション商品 請求人は、キャンディ、ガム、グミなどの菓子を製造販売する他社とのコラボレーション商品を複数販売した(甲33、甲102~甲108)ところ、例えば、UHA味覚糖株式会社とのコラボレーションでは、2020年6月15日発売の「ぷっちょ袋 ライフガード味」と称する商品の包装袋に、曲線図形及びそれに重ねた「LIFEGUARD」の文字や「ぷっちょ」の文字の背景図形として、斜め方向に連続反復させてなる緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様が施されているほか、使用商品の正面図の写真が表示されている(甲33の6)。 カ 第三者による紹介 請求人の製造販売に係る炭酸飲料「ライフガード」(使用商品のほか、350ml缶の商品や、2013年以前発売の商品を含む。)は、テレビ番組(「隠れたスゴイを大発見ツアー アナドレナイ大阪」(2015年)、「ひるおび!」(2022年)等)において紹介されたほか、専門誌「食品包装」(2016年、2020年)や、ウェブサイト(「ROOTS」(2016年)、「ホットペッパー メシ通」(2022年)等)において紹介記事が掲載された(甲35、甲37の2、甲37の3、甲44、ほか)。 キ 小括 上記アないしカによれば、請求人は、本願の指定商品である「炭酸飲料」について、1986年の販売以降現在に至るまで、「LIFEGUARD」又は「ライフガード」の文字を使用した商品を製造販売しているとはいえるが、請求人が本願商標の使用を開始したとする2014年以降の使用商標には、常に曲線図形や「LIFEGUARD」の文字などが顕著に表されていることに照らすならば、本願商標と使用商標とは、相当程度異なるものといわなければならない。 そうすると、使用商標を用いた商品が、2014年以降、請求人のウェブサイトや小売店等を通じて販売され、その年間販売本数が、概ね5千万本前後であり、各種広告宣伝が行われ、また、様々なメディアで紹介されているとしても、使用商標を用いた商品に接した需要者が、曲線図形や「LIFEGUARD」の文字などを捨象した本願商標に係る立体的形状のみによって、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識しているとはいい難く、請求人の提出する証拠によっては、本願商標が、全国の需要者の間で、請求人の出所表示として周知になっているとまでは認めることはできない。 したがって、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとはいえないから、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものとは認められない。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、「使用に係る商標ないし商品等に当該名称・標章が付されていることやごく僅かな形状の相違が存在してもなお、立体的形状が需要者の目につき易く、強い印象を与えるものであったか等を総合勘案した上で、立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っているか否かを判断すべき」とする知財高裁判決(平成19年(行ケ)第10215号)を引用し、本願商標においても、曲線図形や「LIFEGUARD」の文字等が付されたことのみによって、使用商品が自他商品識別力を獲得し得ないとするのは妥当ではなく、これらの図形や文字等が付されていてもなお、使用商品にあるような連続反復させてなる緑色、黄緑色、黄色及び黒色からなる模様(以下、請求人の主張部分は「迷彩調図形」という。)が需要者の目につき易く、強い印象を与えるものであったか等を総合勘案すべき旨主張する。 しかしながら、立体的形状からなる商標についての商標法第3条第2項の適用に当たり、使用をされた商品等は、原則として、その形状において出願に係る商標の形状と実質的に同一であり、指定商品に属する商品であることを要するというべきである(知財高裁令和4年(行ケ)第10050号、同年12月26日判決参照)ところ、上記(2)アのとおり、本願商標と使用商標とは、[a]ないし[c]の図形及び文字の有無において大きく印象が異なるものであり、かつ、これらの図形及び文字は使用商品(正面図)の面積の大部分を占めるように表されていることからすれば、本願商標と使用商標との外観上の差異は、僅かなものということはできないから、請求人による使用実績を勘案しても、当該部分が独立して、商品の出所識別標識としての機能を獲得するに至っているとはいい難いものである。 イ 請求人は、専門誌において、請求人が使用する迷彩調図形が「おなじみの迷彩柄は、1986年の販売当初から変わらない「超生命体飲料ライフガード」のアイデンティティだ」(甲37の3)などと記載されていることに触れ、請求人の製造販売に係る炭酸飲料「ライフガード」には、販売開始以降現在に至るまで、35年以上にわたり迷彩調図形が使用されていること、迷彩柄を用いた炭酸飲料やエナジードリンクが請求人の商品ではないかという需要者のツイートがなされたこと等から、本願の指定商品との関係では、迷彩調図形のみをもって需要者、取引者が請求人の商品を想起している旨主張する。 しかしながら、1990年以降の請求人の製造販売に係る炭酸飲料「ライフガード」の外観が掲載されている甲第8号証によれば、請求人が主張する「迷彩調図形」は、ほぼ1年ごとに、その色彩や割合、連続反復する模様自体が様々に変化しており、長期間にわたり同一の迷彩調図形が使用されていないことに加え、別掲2のとおり、飲料を取り扱う業界においては、包装容器を装飾するために、「迷彩柄」と形容される図形が使用されている実情がある。 そうすると、本願の指定商品との関係において、単に迷彩柄図形の使用のみをもって需要者、取引者が請求人の商品を想起するとはいい難いものである。 ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものとも認められないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-018375

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