商標拒絶査定不服審判
2022-018102
ドクターゲキオチ、ゲキオチ
- 審判番号
- 2022-018102
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-133908
- 請求日
- 2022年11月10日
- 審決日
- 2023年06月20日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】サンテミナ株式会社
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 【請求人代理人】古岩 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .271-WY (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-133908拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「Dr.GEKIOCHI」の文字を標準文字で表してなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年10月27日に登録出願されたものである。
原審では、令和4年6月17日付けで拒絶理由の通知、同年7月4日付けで意見書及び手続補正書の提出、同年8月29日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年11月10日付けで本件拒絶査定不服審判が請求されている。
本願商標の指定商品は、原審における上記の手続補正書により、第21類「ペット用歯ブラシ,犬用歯ブラシ,小鳥かご,小鳥用水盤,ペット用食器,ペット用ブラシ,人工の抱き卵,動物の毛繕い用グローブ,鳥かご,箱形のペット用トイレ,ペット用給餌用ボウル,ペット用ケージ,ペット用自動給餌用ボウル,ペット用トイレ,ブラシ,電動ブラシ(機械の部品に当たるものを除く。),馬ぐし,馬用ブラシ,動物用くし」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「Dr.GEKIOCHI」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、医師や博士の敬称として使用される「Dr.」の文字と「激落ち」のローマ字表記である「GEKIOCHI」の文字を結合させたものであると容易に理解できる。
ところで、「激落ちくん」(以下「引用商標」という。)は、東京都中央区京橋二丁目1番3号所在のレック株式会社が本願商標の登録出願前から商品「清掃用具」等について使用している著名な商標である。
また、前記会社は、「激落ちママ」、「激落ちパパ」、「激落ちキング」といった、「激落ち」の語に人間に対して使用される語を結合することによって、「激落ち」を擬人化した商品名のシリーズを販売している。
そして、本願商標の指定商品と、「激落ちくん」が使用されている商品は、「汚れを落とす商品」という点から相当程度の関連性を有する。
以上を総合的に勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、その商品があたかも前記会社の業務に係る商品であるかのように、あるいは前記会社と、組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 本願商標と引用商標の比較
(ア)本願商標は、「Dr.GEKIOCHI」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同種文字(欧文字)を、間に「.」を配しながらも、同じ大きさ及び書体で、横一列にまとまりのよい構成で、一連一体の語を表してなると認識、理解できる。
そして、本願商標の構成中「Dr.」の文字は「医者。博士。」の意味を有する英語「doctor」の略語(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)であり、「GEKIOCHI」の文字は、例えば「激落ち」などの「ゲキオチ」と発音できる語をローマ字表記したものと理解できるが、両語を結合して具体的な意味合いを有する成語となるものではなく、各語の語義を結合した意味合いも漠然としており、具体性を欠く。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「ドクターゲキオチ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標は、「激落ちくん」の文字からなるところ、その構成文字は、「はげしいこと」の意味を有する「激」の文字、「おちること」の意味を有する「落ち」の文字、「敬称」である「君」の語に通じる「くん」の文字(「広辞苑 第7版」岩波書店)を、一連一体の語として表してなるものの、構成文字全体として具体的な意味を有する成語となるものではなく、各語の語義を結合した意味合いも漠然としており、具体性を欠く。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ゲキオチクン」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、その構成文字及び文字種を異にし、全体として異なる語を表してなるから、判別は容易である。また、称呼においては、「ゲキオチ」の音を含む点で共通するものの、語頭の「ドクター」又は語尾の「クン」の音の有無に差違があるから、構成音全体として聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別又は聴別は容易だから、誤認混同を生じるおそれのない、記憶に残る印象において明らかに異なる、別異の商標といえる。
イ 本願商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品について
本願商標の指定商品は、上記1のとおり、愛玩動物用の用具や器具であるところ、ペット用品製造業者などにより製造され、ペット用品小売業者により、愛玩動物の飼育者に向けて販売される商品である。
他方、引用商標の使用に係る商品は、「清掃用具」であるところ、プラスチック製日用雑貨製造業者などにより製造され、荒物小売業者や日用雑貨小売業者により、広く一般の需要者に向けて販売される商品である。
そうすると、本願商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは、用途や目的(愛玩動物用と清掃用)における関連性の程度は低く、製造部門や販売部門の共通性に乏しく、さらに、需要者層にしても、愛玩動物を飼育する一般需要者において一部共通する場合があるとしても、全体の需要者層は必ずしも一致せず、互いの関連性の程度は低い。
ウ 以上を踏まえると、原審指摘のように、レック株式会社が商品「清掃用具」について使用する引用商標「激落ちくん」が著名な商標であるかに関わらず、本願商標と引用商標は、記憶に残る印象において明らかに異なる、別異の商標であり、また、その指定商品は引用商標の使用に係る商品とは、用途や目的における関連性の程度は低く、製造部門や販売部門の共通性に乏しく、需要者層も必ずしも一致しないから、その指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すれば、本願商標をその指定商品に使用したときに、引用商標又は他人の業務に係る商品との具体的関連性を連想、想起させることは考えにくく、同人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当しないから、同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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