商標拒絶査定不服審判
2022-017956
キョーカガタケーブルプロテクター、キョーカガタ、ケーブルプロテクター
- 審判番号
- 2022-017956
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-096775
- 請求日
- 2022年11月08日
- 審決日
- 2024年04月12日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社こうじばん
- 【請求人代理人】富田 款
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W19)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-96775拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は「強化型ケーブルプロテクター」の文字を標準文字で表してなり、第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年8月4日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月22日付けで拒絶理由の通知がされ、同年8月23日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年11月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、指定商品については、同日付け手続補正書及び同6年1月12日付け手続補正書により、最終的に、第19類「ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,プラスチック製の建築用又は構築用の専用材料」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「強度を高めたケーブル保護具」ほどの意味合いを容易に認識させる「強化型ケーブルプロテクター」の文字を標準文字で表してなるものである。そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「強度を高めたケーブル保護具」が取り扱われており、「強化型」や「ケーブルプロテクター」の語が使用されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「強度を高めたケーブル保護具」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和5年11月29日付け審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答(意見)を求めた。
4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記3の審尋に対し、上記1のとおり指定商品を補正するとともに、要旨、以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べた。
(1)「強化型」の文字の使用の実情を示した別掲1について、いずれも、補正後の指定商品とは非類似の商品に係るものであるから、当該使用例は、商標法第3条第1項第3号の根拠となり得ない。指定商品の補正により、商標法第3条第1項第3号に係る拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標は、登録例「強化型プラスチック敷板」と同様に全体で特定の意味合いを有しない一種の造語である。
(3)本願商標を付した指定商品は、東京2020オリンピック組織委員会からの指定を受け、オリンピック競技会場などの公的施設に多数納品されており(甲4)、今後「強化型ケーブルプロテクター」を付した模倣品が公的施設や公共工事に多く流出すると、公益が害されるおそれがある。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号、同年10月21日判決参照)。
そして、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、商品の品質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、本願商標の構成やその指定商品に関する取引の実情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号、同4年1月25日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「強化型ケーブルプロテクター」の文字
を標準文字にて表してなるところ、その構成文字及び意味合いから、「強度を高めたケーブル保護具」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、別掲1のとおり、「強化型」の文字が「強度を高めた」の意味を表すものとして、ケーブル、ケーブル保護管、壁材、電気柵等に使用されており、また、別掲2のとおり、「ケーブルプロテクター」の文字が「ケーブル保護具」の意味を表すものとして、ケーブル保護具に使用されている実情がある。
さらに、別掲2の2、4、9及び15等の証拠よりすれば、衝撃に対する強度を高めたケーブル保護具が販売、取引されている実情があることが認められる。
そうすると、「強化型ケーブルプロテクター」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標から、単に「強度を高めたケーブル保護具」ほどの意味合い、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「強化型」の文字の使用の実情を示した別掲1について、いずれも、補正後の指定商品とは非類似の商品に係るものであるから、当該使用例は、商標法第3条第1項第3号の根拠となり得ず、指定商品の補正により、拒絶の理由は解消した旨主張する。
しかしながら、別掲1のとおり、「強化型」の文字は「強度を高めた」の意味を表すものとして、ケーブル、ケーブル保護管、壁材、電気柵等の様々な商品に使用されており、これらの商品は、本願商標の指定商品である建築用又は構築用の専用材料に含まれる又は関連する商品であるといえる。
そうすると、別掲1の使用例が、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性の判断の根拠になり得ないということはできない。
そして、上記(2)のとおり、本願商標の構成文字及びその意味合い並びに別掲1及び2の実情を考慮すれば、本願商標の補正後の指定商品においても、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当するというべきである。
イ 請求人は、本願商標は、登録例「強化型プラスチック敷板」と同様に全体で特定の意味合いを有しない一種の造語である旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成文字及びその意味合い並びに取引の実情に鑑みれば、上記(2)のとおり判断するのが相当であって、特に、本願商標については、別掲2のとおり、「ケーブルプロテクター」の文字の使用例が多数あることの取引の実情をも考慮し、判断したものであるから、請求人が挙げる、過去の登録例の存在をもって、上記(2)の認定判断が左右されるものではない。
ウ 請求人は、本願商標を付した指定商品が東京2020オリンピック組織委員会からの指定を受け、オリンピック競技会場などの公的施設に多数納品されており(甲4)、今後「強化型ケーブルプロテクター」を付した模倣品が公的施設や公共工事に多く流出すると、公益が害されるおそれがある旨主張する。
請求人の提出した甲第4号証によれば、本願商標を使用した商品がオリンピック競技会場などの公的施設へ多数納品されていることがうかがえる。
しかしながら、これのみによって、本願商標が商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標には当たらないということはできず、また、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになったということもできない。
エ 以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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