意匠拒絶査定不服審判
2022-017626
電気自転車
- 審判番号
- 2022-017626
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-026244外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1740089
- 請求日
- 2022年11月02日
- 審決日
- 2023年02月22日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ラッドパワーバイクス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】One ip弁理士法人
- 分類
- D18 .113-WY (G2-4)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2021- 26244「電気自転車」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 主な手続の経緯
本願は、2021年6月1日のアメリカ合衆国への出願に基づく、パリ条約による優先権の主張を伴う、令和3年(2021年)11月30日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 2月16日付け 拒絶理由通知書
同年 5月20日 意見書
同年 7月26日付け 拒絶査定
同年 11月 2日 審判請求書提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「電気自転車」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、意匠登録を受けようとする部分であり、破線で表した部分は、環境構造を表したものであって意匠の一部を構成するものではない。」としたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。
引用意匠(別紙第2参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2018年11月16日に受け入れた
2019 New Bike bh bhbike
第1頁所載
「自転車」の意匠の本願に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HC31001460号)
第4 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「電気自転車」であるのに対し、引用意匠は「自転車」であって、補助動力源として電気を用いるか否かという相違があるものの、どちらも人が乗車して移動する目的のために用いる2輪車である点で共通しているから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、類似する。
(2)本願部分と引用意匠において本願部分と対比する部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
本願部分と、引用意匠において本願部分と対比する部分(以下、「引用部分」といい、本願部分と引用部分をあわせて「両部分」という。)は、いずれも、使用時及び保管時を問わず、全体の加重を受け止めて、その形状や機構を保持するためのフレームであるから、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は、一致する。
(3)両部分の形状等
両部分の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。なお、引用意匠の認定に際しては、本願意匠と同じ向きとして、認定する。
ア 共通点
基本的構成態様として、
(ア)両部分は、右側面視において、後方に傾いた縦向き略円筒形のパイプ(以下「シートチューブ」という。)の上端近くから、前方斜め上に向かって略変形円筒形のパイプ(以下「トップチューブ」という。)が設けられ、シートチューブとほぼ並行な略円筒形の短パイプ(以下「ヘッドチューブ」という。)に接合されている。また、シートチューブの下端から前方斜め上に向かって設けられた略縦長円筒形のパイプ(以下「ダウンチューブ」という。)は、ヘッドチューブ及びトップチューブと接合されており、シートチューブ、トップチューブ及びダウンチューブにより略三角形状を形成している。また、シートチューブにおけるトップチューブとの接合部よりやや下側の位置から、後方斜め下に向かって略円筒形のパイプ(以下「シートステー」という。)が設けられ、シートチューブ下端からは、後方やや斜め上に向かって略円筒形のパイプ(以下「チェーンステー」という。)が設けられており、後輪中央の位置でシートステーと接合され、シートチューブ、シートステー及びチェーンステーにより略三角形を形成している点、
具体的態様として、
(イ)トップチューブのシートチューブ近傍がやや下方に屈曲している点、
(ウ)シートステーの後輪中央の近傍が、やや上方に屈曲している点において共通する。
イ 相違点
(ア)トップチューブについて、右側面視において、本願意匠は、全体が直線状で、両側に長手方向に沿って稜線が表れる程度に角張った筒体であるのに対し、引用意匠は、右端から左端寄りまで、わずかに凸弧状としたあと上方に屈曲し、ヘッドチューブ側の丸みを帯びた筒体から、漸次変化することにより、シートチューブ側ではパイプを押しつぶしたような縦長の筒体としている点、
(イ)トップチューブのシートチューブへの接合点について、本願意匠は、シートチューブ上端のすぐ下であるのに対して、引用意匠は、上端からやや下側である点、
(ウ)シートステーの後輪中央からの形状について、本願意匠は、略「く」形状に屈曲しているのに対して、引用意匠は、直線状である点において相違する。
2 類否判断
以上の共通点及び相違点が、両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、類似する。
(2)両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は一致する。
(3)両部分の形状等
以下、両部分の形状等について検討する。
ア 共通点の評価
この種物物品分野において、共通点(ア)ないし(ウ)は、両部分以外にも見られるものであることから、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
イ 相違点の評価
相違点(ア)及び(イ)は、主に使用時に需要者の視界に入りやすく、一見して異なる視覚的印象となって、需要者に異なる美感を起こさせるものといえるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
また、主に物品の保管時に、需要者はフレームの外形に注目すると考えられるが、相違点(ウ)は、フレームの外形を形作る一部として需要者の注意を相当程度惹く部分であるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
ウ 形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、共通点(ア)ないし(ウ)は、両部分の類否判断に与える影響は小さいものであるのに対し、相違点(ア)ないし(ウ)は、両部分の類否判断に与える影響は大きいものである。
したがって、両部分の形状等を全体として総合的に観察した場合、両部分の形状等は、共通点に比べて、相違点が両部分の類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両部分の形状等は類似しない。
3 小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が同一で、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲も同一で、形状等において、共通点が未だ両部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して、相違点が両部分の類否判断に与える影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、両部分は、需要者に異なる美感を与えているというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。
第5 むすび
以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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