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商標拒絶査定不服審判

2022-017585

イチニチジュークチニハリツカナイ

審判番号
2022-017585
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-006132
請求日
2022年11月02日
審決日
2023年08月29日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】王子ホールディングス株式会社
  • 【請求人代理人】中田 和博
  • 【請求人代理人】青木 博通
  • 【請求人代理人】富所 英子
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .13 -Z (W10)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 6132拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年1月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 6月24日付け:拒絶理由通知書 令和4年 8月 5日 :意見書の提出 令和4年 8月15日付け:拒絶査定 令和4年11月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「1日中口にはりつかない」の文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、当審における上記1の手続補正書により、第10類「衛生マスク,医療用マスク用冷却シート,医療用マスクの取り替えシート,医療従事者用マスク,医療用保護マスク,医療用マスク」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「1日中口にはりつかない」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「はりつかない」は「紙や布などがぴったりとくっついて、離れなくなる」ことを意味する動詞「張り付く」の未然形に打消の助動詞「ない」が付いたものと認められるから、本願商標は全体として「1日中、口に張り付かない」の意味合いを想起させるものである。 そして、本願の指定商品の分野においては、衛生マスクについて、口とマスクの間に空間を維持して「口に張り付かない」ことが、商品の性能の1つとしてうたわれている実情が見受けられる。 そうすると、本願商標を、その指定商品中、衛生マスク関連の商品に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、当該商品が「1日中、口に張り付かない」商品であることを表したものと理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「1日中口にはりつかない」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「はりつかない」の文字部分は、「はりつけた状態になる。はりつけたようにくっつく。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する「はりつく(張り付く・貼り付く)」の未然形に打消の助動詞「ない」が付いたものと認められるものであり、全体として、「1日中、口に張り付かない(貼り付かない)」の意味合いを理解させるものである。 そして、原審説示のとおり、本願の指定商品中、特に衛生マスクについて、口とマスクの間に空間を維持して「口に張り付かない(貼り付かない)」ことが、商品着用時の不快感を軽減するとして、そのような品質を有することをうたった商品が一般に製造販売、宣伝等されている実情が認められる。 そうすると、本願商標を当審における補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「1日中、口に張り付かない(貼り付かない)」商品という、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、仮に本願商標から「1日中、口に張り付かない(貼り付かない)」という意味が観念される場合であっても、例えば、衛生マスクの原材料(生地)が口にくっつきにくい素材を用いているがゆえに、あるいは、商品が口にくっつかないような形状をしているがゆえに口に張り付かない(貼り付かない)のか、具体的な商品の品質や特徴までは看取されないと述べ、本願商標からは、直接的かつ具体的な観念が取引者、需要者に一律に認識されるとは考えられず、むしろ間接的に商品の品質を暗示させるにすぎない商標であると主張する。 しかしながら、商標法において出願に係る商標が商品の品質を表すものというためには、当該商標が、需要者、取引者によって、当該商品の品質を表すものであると一般に認識されることをもって足りるというべきところ、本願商標は、その指定商品分野における取引の実情に照らせば、「1日中、口に張り付かない(貼り付かない)」という商品の品質を表すものとして、取引者、需要者によって一般に認識されるというべきものであって、本願商標が品質を表すものというために、どのような理由で口に張り付かない(貼り付かない)のか具体的に特定されることまでは要しないというのが相当である。 イ 請求人は、本願商標は、商品の品質を表すものとして現に一般的に使用されていないばかりか、インターネット検索においては、請求人子会社による商品のみがヒットすると述べ、最高裁判決(「ワイキキ事件」昭和53年(行ツ)第129号)が示す基準(i)当該商標が商品の特性を表示記述する標章であり、取引に際し何人もその表示の使用が必要であるから、特定人によりその独占的使用を認めるべきではない(独占適応性の欠如)、(ii)当該商標が一般的に使用される標章であり、それゆえに多くの場合は自他商品識別力を有しない(自他商品識別機能の欠如)のいずれにも該当しないと主張する。 しかしながら、仮に、本願商標「1日中口にはりつかない」の語を一連で使用しているのが主に請求人子会社であるとしても、本願の指定商品分野において、「口に張り付かない(貼り付かない)」という品質を有することをうたった商品が一般に製造販売、宣伝等されている実情が認められることは、前記(1)で述べたとおりであり、これらの取引の実情を勘案すれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「1日中、口に張り付かない(貼り付かない)」ことを理解させるものであって、その他の意味合いを理解、認識させるというべき特別な事情はなく、また、特定の者の取り扱いに係る商品を表示する商標であると認識させるともいえないものである。そして、本願商標が商品の品質を表示したものと認識させるものである以上、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものといわざるを得ない。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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