審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2022-017185

エンカクシャンパン

審判番号
2022-017185
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-162042
請求日
2022年10月27日
審決日
2024年02月28日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エンカクジャパン株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
  • 【請求人代理人】宮崎 超史
  • 【請求人代理人】土野 史隆
  • 【請求人代理人】小林 健一郎
  • 【請求人代理人】眞田 忠昌
  • 【請求人代理人】辻本 依子
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 阿曾 裕樹
  • 審判官 山根 まり子
分類
T18 .22 -Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項7号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-162042拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年12月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年2月21日付け:拒絶理由通知書 令和4年4月4日受付:意見書、手続補正書 令和4年7月29日付け:拒絶査定 令和4年10月27日受付:審判請求書、手続補正書 令和5年11月30日付け:審尋 令和6年1月10日受付:回答書 第2 本願商標 本願商標は「遠隔シャンパン」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、原審及び当審における手続補正書により、その指定商品及び指定役務は、第9類「シャンパーニュ地方産の発泡性のワインを注文するためのコンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),シャンパーニュ地方産の発泡性のワインを注文するための電子計算機用プログラム」に補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「遠隔シャンパン」の文字を標準文字で表してなる。そして、本願商標の構成中、「シャンパン」の文字は、「フランス国のシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして我が国の一般需要者の間に広く知られ、フランス国シャンパーニュ地方のぶどう生産者及びぶどう酒製造者が、永年、優れた品質の発泡性ぶどう酒の生産に努め、同国が原産地名称として統制、保護し、著名性が獲得されたものである。そうすると、「シャンパン」の文字を含む本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、著名な「シャンパン」の表示へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせ、フランス国民の感情を害するおそれがあるものといえる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における審尋(令和5年11月30日付け審尋) 当審において、請求人に対し、別掲1及び2の事例を示しつつ、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する請求人の意見を求めた。 第5 請求人の意見(令和6年1月10日受付回答書) 本願商標の構成中の「シャンパン」が、原産地統制名称として、特別な保護が図られるべき名称である点は請求人も異論はないが、本願の指定商品は、酒類とは全く関係がないコンピュータソフトウェア用アプリケーション等であるから、本願商標を、請求人が当該商品に使用しても、「シャンパン」のブランド価値に便乗したとは言えず、ブランド価値を汚すものでもない。 また、酒類の指定商品に対するものも含み、「シャンパン」の文字を一部に含む登録例が多数存在することを踏まえると、それらと近似する構成からなる本願商標の登録が認められないのは不公平である。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号には該当しない。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第7号該当性について (1)本願商標は、上記第2のとおり、「遠隔シャンパン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、「遠くへだたっていること。」の意味を有する「遠隔」(広辞苑第七版(株式会社岩波書店)「遠隔」の項参照)の文字と、「シャンパン」の文字とを組み合わせたものと容易に認識、把握させるものである。 (2)ところで、「シャンパン」の文字は、別掲1のとおり、フランス北東部シャンパーニュ地方産の発泡性白ワイン・ロゼワインを指称する語として、我が国で親しまれている。 そして、別掲2のとおり、当該「シャンパン」(「Champagne」)は、フランスの法令によって規定され、所定の条件を備えた発泡性ぶどう酒についてだけ使用できるフランスの原産地統制名称であって、フランス(同国の生産者委員会や国立酒類原産地表示規制機構(INAO)等を含む)が、その品質を厳格に管理し、同国の国内外において、その名称の使用を厳格に制限し、不正使用を防止する、また、その名称を使用した、条件を備えない発泡性ぶどう酒の販売の差止めを求め法的措置を講じるなど、当該商品やその名称の保護を図っているものである。 また、我が国の数多くの国語辞典等、新聞などにおいて「シャンパン」の語が当該ぶどう酒を指称するものとして掲載、紹介されており(別掲1及び別掲2)、「シャンパン」は、世界的な名声のある発泡性ぶどう酒として、我が国において、取引者、需要者の間に広く知られているものであって、前記のフランスにおける国を挙げた「シャンパン」の厳格な品質管理、原産地統制名称の保護への努力を考慮すると、「シャンパン」の表示には多大な顧客吸引力が備わっているというのが相当である。 (3)以上によれば、本願商標は、「遠隔」及び「シャンパン」の文字を組み合わせてなるところ、これは、その構成全体をもって特定の意味合いを有する語として知られているものとはいえないのに対し、その構成中の「シャンパン」の文字は、前記のとおり、取引者、需要者の間に広く知られている原産地統制名称を指称する語であると認識、理解できる。 そうすると、「シャンパン」の文字を含む本願商標をその指定商品に使用するときは、著名な「シャンパン」の表示が備えた多大な顧客吸引力へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあるばかりでなく、国を挙げて「シャンパン」の原産地統制名称の保護に努めているフランス国民の感情を害し、我が国とフランスの友好関係にも影響を及ぼしかねないものであるから、国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、本願の指定商品は、酒類とは全く関係がないコンピュータソフトウェア用アプリケーション等であり、本願商標を、請求人が当該商品に使用しても、ワインの「シャンパン」にフリーライドするものではなく、フランス国民やフランス国のぶどう生産者およびぶどう酒製造者の感情を害することもないから、本願商標は、公序良俗に反する商標ではなく、商標法第4条第1項第7号に該当しない旨を主張する。 しかしながら、上記1のとおり、「シャンパン」は、フランスにおいて、国を挙げた厳格な品質管理、原産地統制名称の保護への努力がなされているものであり、世界的な名声のある発泡性ぶどう酒として、我が国において、取引者、需要者の間に広く知られているものであって、多大な顧客吸引力が備わっている表示であり、それは必ずしもワインや酒類の分野に限定される事情とはいえないから、たとえ、本願の指定商品が酒類そのものではないとしても、「シャンパン」の文字を含む本願商標を、一私人が自己の商標として登録し、その指定商品に独占的に使用するときには、著名な「シャンパン」の表示が備えた多大な顧客吸引力へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあり、加えて、国を挙げて「シャンパン」の原産地統制名称の保護に努めているフランス国民の感情を害し、我が国とフランスの友好関係にも影響を及ぼしかねないものでもあるから、国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがあるというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するといわざるを得ない。 (2)請求人は、「シャンパン」の文字を商標の一部に含む過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録されるべき旨を主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第4条第1項第7号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別かつ具体的に判断されるべきものであるから、過去に登録された事例の判断に拘束されることはないし、他に上記判断を覆すべき事情は見いだせない。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-017185

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存