商標拒絶査定不服審判
2022-017164
ヒトニヤサシイデジタル、ヒトニヤサシーデジタル、ヒトニヤサシー、デジタル
- 審判番号
- 2022-017164
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-130513
- 請求日
- 2022年10月26日
- 審決日
- 2024年01月09日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社リコー
- 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .16 -Z (W070935373841424445)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-130513拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月20日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月26日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月 8日付け:意見書、手続補正書
令和4年 7月21日付け:拒絶査定
令和4年10月26日付け:審判請求書
令和5年 9月29日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「人にやさしいデジタル」の文字を標準文字で表してなり、第7類、第9類、第35類、第37類、第38類、第41類、第42類、第44類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第7類、第9類、第35類、第37類、第38類、第41類、第42類、第44類及び第45類に属する別掲1に記載のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「人にやさしいデジタル」の文字を標準文字で表してなるところ、昨今、デジタル庁の設置を含めた日本社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現に向けた動きが本格化するに伴って、行政や各企業がユーザーに寄り添った各種サービスのデジタル化及びデジタル社会の実現に取り組んでいる実情にあるところ、その企業理念・経営理念、あるいは、業務姿勢等を紹介する際に、「人にやさしいデジタル」「人に優しいデジタル」等の文字が、標語的に使用されているものである。
そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する需要者は、企業理念等、標語の一種であることを理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標というのが相当であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲2(1)ないし(21)のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「人にやさしいデジタル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「デジタル」の文字は、「数量やデータを、数字の配列であらわすこと。」を意味するほか、「何でもデータ化して科学技術を駆使するようす。」等(いずれも「三省堂現代新国語辞典第六版」株式会社三省堂)を意味する語でもある。
ところで、昨今、デジタル庁の設置を含めた日本社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けた動きが本格化するに伴って、行政や企業等がユーザーに寄り添った各種サービスのデジタル化及びデジタル社会の実現に取り組んでいる実情にある。
このような実情にあって、「デジタル」の語は、それ自体で「デジタル技術」又は「当該技術を駆使するようす」ほどの意味合いを表すものとして一般に理解されていることは、別掲2の使用例からもうかがえるものである。
また、別掲2のとおり、「人にやさしいデジタル」等の文字が、「人に寄り添うデジタル技術」や「人に寄り添い、デジタル技術を駆使する」ことほどの意味合いとして、主にデジタル社会の実現に向けた企業理念、業務姿勢、行動指針等を表す際の文言又は文言の一部として使用されている事実が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「人に寄り添うデジタル技術」や「人に寄り添い、デジタル技術を駆使する」こと、すなわち、デジタル社会の実現に向けた企業理念、業務姿勢、行動指針等を表す際の標語として認識し、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たすものではなく、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の「人にやさしいデジタル」自体が、標語的に使用されている実情があるわけではなく、原審で示した使用例においては「デジタル化」あるいは「デジタル社会」の語で使用され、このような表現でなければ、標語としてその意味内容が理解されにくく、また、その具体的な内容を明示しているものでもない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「デジタル」の語の意味、行政や企業等がユーザーに寄り添った各種サービスのデジタル化及びデジタル社会の実現に取り組んでいる実情、別掲2のとおりの「デジタル」の語の使用例及び「人にやさしいデジタル」等の文字の使用例を併せみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「人に寄り添うデジタル技術」や「人に寄り添い、デジタル技術を駆使する」こと、すなわち、デジタル社会の実現に向けた企業理念、業務姿勢、行動指針等を表す際の標語として認識するというのが相当である。
(2)請求人は、過去の審決例、登録例を挙げて、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる審決例、登録例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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