2022-017128
エレベータ
- 審判番号
- 2022-017128
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-175003外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月26日
- 審決日
- 2023年06月12日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (B66B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和3年10月26日に出願された特願2021-175003号であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和4年 2月22日付け 拒絶理由通知書
令和4年 3月31日 意見書・手続補正書の提出
令和4年 6月22日付け 拒絶理由通知書
令和4年 7月31日 意見書・手続補正書の提出
令和4年 8月29日付け 拒絶査定
令和4年10月26日 審判請求書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和4年8月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1~7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2019-142686号公報
第3 本願発明
本願の請求項1~7に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」~「本願発明7」という。)は、令和4年7月31日に提出された手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりである。
「 【請求項1】エレベータ用かごの行先階登録を行うための操作を非接触で操作可能に構成されたエレベータであって、前記操作を非接触で検出するように構成された操作部と、前記操作に基づいて報知を行う機能を有する報知部と、前記行先階登録に基づいて前記かごの運行を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作部によって前記操作が検出されてから予め設定された時間が経過したタイミングで所定の報知態様により前記報知部に報知を実行させるとともに、前記報知の実行開始から所定時間が経過するまでの間に前記操作が検出される検出状態から前記操作が検出されない非検出状態に前記操作部の検出状態が変化することを条件として前記行先階登録を受け付けることを特徴とする、エレベータ。」
なお、本願発明2~7は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明
引用文献1(特に【0019】~【0039】、図2~3参照)には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「かご22の行先階登録をおこなうための操作を非接触で操作可能に構成されたエレベータ10であって、前記操作を非接触で検出するセンサ32A、32B、・・・32Cが設けられている行先階操作部30と、前記操作に基づいて前記センサ32A、32B、・・・32Cに対応する階を示す数字と区切り線37A、37B、・・・37Cが点灯するように構成されているパネル部分34と、前記行先階登録に基づいて前記エレベータ10の運転制御を行う制御装置46と、を備え、前記制御装置46は、前記行先階操作部30のセンサ32Bによって前記操作が検出されてから第1閾値時間を経過すると行先階として登録し、行先階の数字とこれに対応する区切り線37Bを点灯させるとともに、センサ32Bからの検出信号が前記第1閾値時間の経過後、さらに第2閾値時間を経過するまで継続した場合、すでに完了している行先階登録を解除する、エレベータ10。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「かご22」は本願発明1の「エレベータ用かご」に相当し、以下同様に、「エレベータ10」は「エレベータ」に、「前記操作を非接触で検出するセンサ32A、32B、・・・32Cが設けられている行先階操作部30」は「前記操作を非接触で検出するように構成された操作部」に、「前記センサ32A、32B、・・・32Cに対応する階を示す数字と区切り線37A、37B、・・・37Cが点灯するように構成されているパネル部分34」は「報知を行う機能を有する報知部」に、「前記エレベータ10の運転制御を行う制御装置46」は「前記かごの運行を制御する制御部」に、「前記行先階操作部30のセンサ32Bによって」という事項は「前記操作部によって」とう事項に、「第1閾値時間を経過すると」という事項は「予め設定された時間が経過したタイミングで」という事項に、「行先階の数字とこれに対応する区切り線37Bを点灯させる」という事項は「所定の報知態様により前記報知部に報知を実行させる」という事項に、それぞれ相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「エレベータ用かごの行先階登録を行うための操作を非接触で操作可能に構成されたエレベータであって、前記操作を非接触で検出するように構成された操作部と、前記操作に基づいて報知を行う機能を有する報知部と、前記行先階登録に基づいて前記かごの運行を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作部によって前記操作が検出されてから予め設定された時間が経過したタイミングで所定の報知態様により前記報知部に報知を実行させる、エレベータ。」
<相違点1>
本件発明1では、「前記報知の実行開始から所定時間が経過するまでの間に前記操作が検出される検出状態から前記操作が検出されない非検出状態に前記操作部の検出状態が変化することを条件として前記行先階登録を受け付ける」ものであるのに対し、引用発明では、第1閾値時間を経過すると「行先階として登録し、」「センサ32Bからの検出信号が前記第1閾値時間の経過後、さらに第2閾値時間を経過するまで継続した場合、すでに完了している行先階登録を解除する」ものである点。
(2)相違点1についての判断
引用発明は、第1閾値時間が経過したタイミングで行先階として登録するものである。そして、引用文献1には、第1閾値時間が経過したタイミングでは行先階登録を行わず、その後所定の条件が成立してから行先階登録を受け付けることとする技術的事項は、記載も示唆もされていない。また、当該技術的事項が周知技術であるとの証拠もない。
一方、本願発明1は、相違点1に係る構成を備えることによって、乗客の体の一部や荷物などが偶発的に操作部に検出されることにより行先階の登録が受け付けられてしまい乗客が意図しない行先階にかごが移動してしまうといったことが発生する頻度を低減でき、この結果、エレベータの運行効率の低下を抑制できる(明細書の【0018】参照。)という特段の効果を奏する。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明2~7について
本願発明2~7も、本願発明1の「前記報知の実行開始から所定時間が経過するまでの間に前記操作が検出される検出状態から前記操作が検出されない非検出状態に前記操作部の検出状態が変化することを条件として前記行先階登録を受け付ける」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1~7は、当業者が引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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