商標拒絶査定不服審判
2022-017043
ホージュンサジー、ホージュン
- 審判番号
- 2022-017043
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-151067
- 請求日
- 2022年10月25日
- 審決日
- 2023年04月24日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社フィネス
- 【請求人代理人】南瀬 透
- 【請求人代理人】加藤 久
- 【請求人代理人】宇野 智也
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -WY (W32) / T18 .17 -WY (W32)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-151067拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年12月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月 9日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 7月25日付け:拒絶査定
令和4年10月25日 :審判請求書の提出
令和5年 1月18日付け:審尋
令和5年 3月 1日 :回答書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「豊潤サジー」の文字を標準文字で表してなり、第5類、第29類、第30類及び第32類における願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、原審及び当審における前記1の手続補正書により、最終的に、第32類「サジーを原材料とする果実飲料」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「豊潤サジー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「豊潤」の文字は「豊かで、うるおいのあること。また、そのさま。」の意味を有し、品質が優れていることを表す商品の誇称表示として普通に使用されている語であり、「サジー」の文字は「ユーラシア大陸の中~北部に自生する耐寒性の落葉低木」程の意味合いを有する語として理解されており、その果実に関しても、「サジー」と称している実情が見受けられる。そして、飲食料品を取り扱う業界において、「豊潤」の文字が普通に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「豊潤な味わいや香りのサジーに関する商品」程の意味合いを認識するにとどまり、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和5年1月18日付け審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性、同法第3条第2項の要件を具備するか否かについての暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「豊潤サジー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「豊潤」の文字は「ゆたかでうるおいのあること。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を有し、本願の指定商品である飲食料品の分野では、「豊潤な○○」のように商品の味わいや香り等がゆたかでうるおいがあることを表す語として一般に使用されていることは別掲1の原審で提示した事実及び別掲2からうかがえ、さらに「豊潤○○」の文字も、同様に商品の味わいや香り等がゆたかでうるおいがあることを認識させるような使用がなされている事実が別掲3より見受けられる。そして、「サジー」の文字は、別掲4の辞書等から、サプリメントや薬用に用いられる植物を意味する語と認められ、本願の指定商品との関係では、その果実を使用した果実飲料が製造販売されている事実がうかがえる。
そうすると、本願商標をその指定商品である第32類「サジーを原材料とする果実飲料」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「豊潤(ゆたかでうるおいのある)な味わいや香りのサジーを原材料とする果実飲料」という商品の品質、原材料を表示したものと、認識、理解させるにすぎないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
請求人は、「出願人の販売に係る「豊潤サジー」は、サジージュースのカテゴリーで圧倒的なシェアを誇っており、また、雑誌やインターネット情報から、「豊潤サジー」は出願人の販売するサジージュースを指すものと認識されている状況にあるから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備する。」旨主張し、甲第4号証ないし甲第27号証を提出しているので、以下検討する。
ア 請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、2009年に「豊潤サジー」と称する「サジーを原材料とする果実飲料」(以下「使用商品」という。)の販売を開始している。
(イ)使用商品には、容器の表面に、「豊潤サジー」の文字が普通に用いられる方法で縦書きに表されている(以下「使用商標」という。)(甲9~甲24)。
(ウ)請求人の売上の約99.5%は、使用商品によるものであり(甲4、甲6)、売上及び概算販売本数は、2009年は「約717万円、約2千本」、2019年は「約22億9000万円、約76万本」、2022年は「約77億7000万円、約259万本」であることが認められる(甲4)。
(エ)株式会社データ・マックスによる2017年1月から2020年12月における沙棘(サジー)ジュースの市場調査報告書によれば、サジージュースを販売している12社において、請求人の使用商品の売上高は、4年連続して他社より顕著に高いことが認められ、また、2020年についてみると、12社のサジージュース総売上の全体の約83.6%のシェアであることが推認される(甲6)。
(オ)2022年7月26日に実施された「ライフスタイルに関するアンケート」によれば、健康食品に関する語句の中でサジーの名前を知っている者は「23.2%」であり、サジーは健康食品としての知名度は低いが、「サジー」のカテゴリーにおいて「豊潤サジー」の名前を聞いたことがある者は「73.1%」と請求人の使用商品の認知度は高く、また、「サジー」を購入したことがある者のうち「79.4%」が請求人の使用商品を購入しており、他社の商品と比較しその割合が顕著に高いことがうかがえる(甲7)。
(カ)全国に頒布される生活情報誌やファッション雑誌への使用商品についての記事の掲載は、2011年10月から2022年4月の間、継続的に少なくとも73回行われている(甲8)。
(キ)上記(ア)ないし(カ)によれば、請求人は、2009年から、使用商標を使用商品に継続的に使用しており、その販売実績についても、近年において高い販売金額を維持していることがうかがえる。
また、使用商品の販売地域は、通信販売であることから全国に及ぶことが推認され、使用商標を付した使用商品についての記事が、継続的に掲載されていることがうかがえる。
そして、使用商標は、その態様に特段の特徴があるものではなく、縦書きと横書きの差異にすぎないことから、本願商標と同一視できるものとみるのが相当である。
(2)上記(1)を踏まえれば、請求人は、使用商品である「サジーを原材料とする果実飲料」について、2009年から現在に至るまで、使用商標を継続して使用していることが認められ、その結果、使用商標と同一視できる本願商標は、上記商品については、請求人の業務にかかる商品であることを表すものとして需要者に認識されるに至っているというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとして、商標登録を受けることができるものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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