商標拒絶査定不服審判
2022-016987
ライジョーショーメーエヌエフテイ、ライジョーショーメー、エヌエフテイ
- 審判番号
- 2022-016987
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-048138
- 請求日
- 2022年10月25日
- 審決日
- 2023年06月02日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】playground株式会社
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-48138拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「来場証明NFT」の文字を標準文字で表してなり、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,太陽電池,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),業務用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,計測器の貸与,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析」を指定商品及び指定役務として、令和4年4月26日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月27日付けで拒絶理由の通知がされ、同年8月5日に意見書が提出されたが、同月9日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年10月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「来場証明NFT」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「来場」の文字は「人がその場所、特に催し物・興行などを行う場所に来ること。」の意味を、「証明」の文字は「ある物事や判断の真偽を、証拠を挙げて明らかにすること。」の意味を、「NFT」の文字は「複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。また、その技術。」の意味を表す語として使用されており、本願の指定商品及び指定役務に関する業界において、入場証明や成績証明などの各種証明に、NFTの技術を利用した商品やサービスが取り扱われている実情がうかがえることから、本願商標は全体として「来場証明へのNFTの技術の利用」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これをその指定商品及び指定役務に使用したときは、当該商品が「来場証明へのNFT技術の利用」に関する商品又は当該役務が「来場証明へのNFT技術の利用」に関する役務であることを理解、認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断される。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである(原審が示した証拠は別掲1のとおり。)。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年12月20日付け審尋により、別掲2に掲げる事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を通知し、相当の期間を指定して請求人に対し意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答の要旨
請求人は、前記第3の審尋に対し、令和5年1月30日に回答書を、同年2月27日に上申書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。
本願商標は、「来場証明」と「NFT」の文字を一連一体に結合してなることに特徴があるものであるから、審尋において示された証拠のうち、「来場証明NFT」の文字以外の使用例は、本願商標の識別力を否定する根拠として機能しないものであるところ、審尋において示された「来場証明NFT」の文字の使用例は2例のみであり、いずれも本願商標の出願日後のものであるから、審尋において示された証拠をもって、本願商標の識別性を否定することは妥当ではない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標並びにその指定商品及び指定役務
ア 本願商標は、前記第1のとおり、「来場証明NFT」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認められる。
また、本願商標の構成中、「来場」の文字は、「人がその場所、特に催し物・興行などを行う場所に来ること。」の意味を、「証明」の文字は、「ある物事や判断の真偽を、証拠を挙げて明らかにすること。」等の意味を、また、「NFT」の文字は、「複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。」等の意味を有する、いずれも辞書情報に掲載された一般的な語である(別掲1(1))。
イ 本願商標の指定商品及び指定役務は、第9類及び第42類に属する上記第1のとおりの商品及び役務であって、当該指定商品及び指定役務は、「複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。」(NFT)に関連する商品及び役務(第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),業務用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」)を含むものと認められる。
(3)「NFT」に関する取引の実情
原審及び審尋において開示した別掲1及び別掲2の事実によれば、「NFT」は、「複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。」であって、何らかの証明をするために用いられるものであり、成績・学歴・卒業の証明、資格取得・検定試験合格の証明、入場の証明や参拝の証明等、各種の証明に際して、広くNFTが利用されている実情が認められる。
また、各種の証明に用いられるNFTの中には、イベント等への来場を証明するものとして用いられているものもあり、そのようなNFTが「来場証明NFT」と称され、事業者によって多数取引されている実情も認められる(別掲2(6)~(10))。
(4)判断
上記(2)及び(3)において認定した「来場証明NFT」の構成文字の語義に関する事実及び「NFT」に関する取引の実情によれば、「来場証明NFT」の文字は、本願商標の指定商品及び指定役務中、NFTに関連する上記(2)イで示した商品及び役務の取引者、需要者によって、「来場証明のためのNFT」の意味合いを表示する語として一般に理解されるものであるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、NFTに関連する商品又は役務である、第9類に属する上記商品及び第42類に属する上記役務に使用したときには、その取引者、需要者によって、当該商品が「来場証明のためのNFTを用いた商品」であること、また、当該役務が「来場証明のためのNFTを用いた役務」であるという商品の品質又は役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。
加えて、上記(2)アのとおり、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類に属する上記商品及び第42類に属する上記役務との関係においては、その商品の品質又は指定役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、本願商標は、「来場証明」と「NFT」の文字を一連一体に結合してなることに特徴があるものであるから、審尋において示された証拠のうち、「来場証明NFT」の文字以外の使用例は、本願商標の識別力を否定する根拠として機能しないものであるところ、審尋において示された「来場証明NFT」の文字の使用例は2例のみであり、いずれも本願商標の出願日後のものであるから、審尋において示された証拠をもって、本願商標の識別性を否定することは妥当ではない旨主張する。
しかしながら、上記1(1)で説示したとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、その指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが取引上現実に使用されている事実があったことまで必要とするものではないというべきである。
そして、本願商標が自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりであって、「来場証明NFT」の文字が現実に使用されているか否かということのみをもってその判断をしたものではない。
なお、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情等を考慮すべきものであるから、審尋で示した使用例は、判断の根拠として不適切なものとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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