商標拒絶査定不服審判
2022-016573
サステナブルツギテ、サステナブル
- 審判番号
- 2022-016573
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-144506
- 請求日
- 2022年10月17日
- 審決日
- 2024年02月29日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】シモダフランジ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W06) / T18 .272-Z (W06)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-144506拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年11月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年4月20日付け:拒絶理由通知書
令和4年6月10日 :意見書の提出
令和4年7月12日付け:拒絶査定
令和4年10月17日 :審判請求書の提出
令和5年9月29日付け:証拠調べ通知書
令和5年11月9日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「サステナブル継手」の文字を標準文字で表してなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「サステナブル継手」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「サステナブル」(「サスティナブル」)の文字は「持続可能であること、環境や資源に配慮した」の意味を有する英語「sustainable」の表音を片仮名で表したものであって、一般に広く使用されているから、本願商標全体からは「持続可能な(環境や資源に配慮した)継手」の意味合いを理解・認識させる。そして、本願指定商品に関連する分野において、「サステナブル○○」「サスティナブル○○」(○○は商品)の文字が「持続可能な(環境や資源に配慮した)○○」の意味合いで一般に使用されている実情が認められ、また、多くの業界において、環境や資源の持続可能な社会とするために、環境や資源に配慮したサステナブル(サスティナブル)な商品の製造や取組等が広く行われている。そうすると、本願商標をその指定商品中「持続可能な(環境や資源に配慮した)継手」に使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、上記各号に該当すると認めるに足りる事実を、新たに別掲2のとおり発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和5年9月29日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 上記4の証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
(1)現在、社会において、ビジネスのキーワードとして流行している「サステナブル」又は「サスティナブル」の語と商品等の一般名称を結合させた語が使用されている事実が認められても、過去からある造語商標の考案手法の一つであり、かつ、その手法で考案された造語商標が多数、登録を認められている事実より、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの判断には結びつけることはできない。
(2)通知書に記載した事実は、商取引において「サステナブル〇〇」又は「サスティナブル〇〇」(〇〇は商品等の一般名称)の語が一般的に使用されているとはいえない事例が大半であり、異なる商品業界において1社のみの使用例を示したものであること及び本願商標の指定商品である「建築用又は構築用の金属製専用材料」の分野における使用例は1件も含まれていないから、当業界において一般的に使用されていることを裏付ける有効な資料となり得ない。
(3)通知書に挙げられた事例8件のうち半数以上の5件に関するものが、自他商品・役務識別力を有すると判断され、登録されている。
(4)本願商標の審判請求時の直前又は請求時以降に、「サステナブル」又は「Sustainable(SUSTAINABLE)」の語と商品又は役務の名称を結合させた構成からなる商標の登録がある。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「サステナブル継手」の文字を標準文字で一連に表してなるところ、その構成中の「サステナブル」の文字又は「サステナブル」に通じる「サスティナブル」の文字は「持続可能であること、環境や資源に配慮した」の意味を有する英語「sustaibale」の表音を片仮名で表したものであって、一般に使用されている語(「デジタル大辞泉」「新語時事用語辞典」等)であるから、本願商標は、全体として「持続可能な(環境や資源に配慮した)継手」の意味合いを理解・認識させるものである。
そして、本願商標の指定商品に関連する分野において、原審で示した別掲1のとおり、「サステナブル配管」「サスティナブル建材」のように、「サステナブル○○」「サスティナブル○○」(○○は商品)の文字が「持続可能な(環境や資源に配慮した)○○」の意味合いで広く一般に使用されている実情が認められる。なお、このことは別掲3に示す事実からも確認できる。
加えて、別掲2に示すとおり、多くの産業分野において、環境や資源の持続可能な社会とするために、環境や資源に配慮したサステナブル(サスティナブル)な商品の製造や取組等が広く行われている実情がある。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、その商品の取引者、需要者に当該商品が「持続可能な(環境や資源に配慮した)継手」であることを理解、認識させるにとどまるから、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、上記5(1)のとおり、ビジネスのキーワードとして流行している「サステナブル」又は「サスティナブル」の語と商品等の一般名称を結合させた語が使用されている事実が認められても、過去からある造語商標の考案手法の一つであり、かつ、その手法で考案された造語商標が多数、登録を認められている事実より、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの判断には結びつけることはできない旨主張する。
しかしながら、商標を構成する文字の自他商品識別力の有無については、構成文字の有する意味、商品の取引の実情に基づき、取引者、需要者の認識を基準に総合的に判断するべきであり、本願商標の自他商品識別力についても、上記(1)のとおり、「サステナブル」又は「サスティナブル」の語と商品等の一般名称の結合を商品の取引の実情として考慮して判断することは許されるものである。
イ 請求人は、上記5(2)のとおり、通知書に記載した事実は、商取引において「サステナブル〇〇」又は「サスティナブル〇〇」(〇〇は商品等の一般名称)の語が一般的に使用されているとはいえない事例が大半であり、異なる商品業界において1社のみの使用例を示したものであること及び本願商標の指定商品である「建築用又は構築用の金属製専用材料」の分野における使用例は1件も含まれていないから、当業界において一般的に使用されていることを裏付ける有効な資料となり得ない旨主張する。
しかしながら、別掲1ないし別掲3に示すとおり、商取引において「サステナブル〇〇」又は「サスティナブル〇〇」(〇〇は商品等の一般名称)の語が使用されている事例は、本願商標の指定商品の関連する分野を含め、広く存在することは明らかであり、これらの事実を踏まえれば、「サステナブル継手」に接した本願商標の取引者、需要者は、上記(1)のように理解、認識するものというべきである。
ウ 請求人は、上記5(3)及び(4)のとおり、通知書に挙げられた事例8件のうち半数以上の5件に関するものが、自他商品・役務識別力を有すると判断され、登録されていること、及び本願商標の審判請求時の直前又は請求時以降に、「サステナブル」又は「Sustainable(SUSTAINABLE)」の語と商品又は役務の名称を結合させた構成からなる商標の登録があることから、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、本願商標とは構成態様等において相違し、事案を異にするものであり、かつ、商標登録の審理においては、過去の登録例に拘束されることなく、その査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきであるから、これらの登録例の存在が上記判断を左右するものではない。
エ したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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