商標拒絶査定不服審判
2022-016441
ナマクシウチ、クシウチ、ウチ
- 審判番号
- 2022-016441
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-105288
- 請求日
- 2022年10月13日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ファッズ
- 【請求人代理人】知念 芳文
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-105288拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「生串打ち」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品(以下「原審商品」という。)及び役務(以下「原審役務」という。)を指定商品及び指定役務として、令和3年8月24日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年4月28日付けで拒絶理由が通知され、同年6月21日に意見書が提出されたが、同年7月25日付けで拒絶査定され、これに対し、同年10月13日に拒絶査定不服審判が請求され、原審商品及び原審役務は、同日受付の手続補正書にて、第43類「飲食物の提供,ケータリング(飲食物),鳥料理を主とする飲食物の提供」(以下「当審補正役務」という。)に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、本願商標は「生串打ち」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「生」の文字は、「食物などを煮たり焼いたりしていないこと。加熱・殺菌などの処理をしていないこと。また、そのさま。」の意味を有し、「串打ち」の文字は、「鰻や鶏肉などを焼くために串に刺すこと。」の意味を有する語であり、構成全体として「生の状態で串に刺すこと。」ほどの意味合いを容易に理解させるため、これを原審商品に使用した場合には、本願商標に接する需要者は、「生の状態で串打ちされた商品」であることを認識し、これを原審役務に使用した場合には、「生の状態で串打ちされた商品を内容とする役務」であることを認識するから、商品の品質及び役務の質を表示するものであり、また、前記商品以外の原審商品及び前記役務以外の原審役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、令和5年9月5日付け審尋により、別掲のとおりの事実を提示した上で、本願商標が、当審補正役務との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。
第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「生串打ち」の文字を標準文字で表してなるところ、当審補正役務は、いずれも飲食物の提供に係るものであり、当該役務を取り扱う業界において、「生」の文字は「食物などを煮たり焼いたりしていないこと。加熱・殺菌などの処理をしていないこと。また、そのさま。」の意味を理解させる語であり、また、「串打ち」の文字は「鰻や鳥肉などを焼くために串に刺すこと。」の意味を理解させる語(いずれも「大辞泉 第二版」株式会社小学館発行)であり、これらの語を結合した「生串打ち」の文字は、構成全体として、「煮たり焼いたりしていない、あるいは、加熱・殺菌などの処理をしていない生の食材を、焼くために串に刺すこと」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものである。
そして、別掲(1)ないし(4)のとおり、当審補正役務及び当審補正役務に関連性の高い飲食物を取り扱う業界では、串焼き料理の提供等に際して「生串打ち」の語が使用されている事例があり、また、別掲(5)のウェブサイト(ブログ)においても、「生串打ち」の語が上記意味合いで使用されていることが確認できる。
そうすると、本願商標は、構成全体として、「煮たり焼いたりしていない、あるいは、加熱・殺菌などの処理をしていない生の食材を、焼くために串に刺すこと」ほどの意味合いを容易に認識させるといえることから、これを当審補正役務に使用しても、本願商標に接する需要者は、当該飲食物の提供に係る仕込みの方法を表示したものであること、あるいは、提供される串焼きが、新鮮な商品であるという特徴を表示したものであることを理解するにすぎず、単に役務の質、特徴を表示したものと理解するにとどまるから、本願商標は、自他役務の識別標識とは認められないと判断するのが相当である。
そして、本願商標「生串打ち」の文字は、飲食物に係る役務の質を簡潔に表すために何人もその使用を欲するということができるから、このように、当審補正役務との関係において、役務の質を表示するために、取引に際し必要適切な標章として何人もその使用を欲するものについて、特定人によるその独占使用を認めることは妥当ではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、本願商標全体から「生の状態で串に刺すこと。」といった直接的かつ具体的な役務の質の表示に該当する意味合いは生じず、本願商標は「串打ち」の語に「生」の語を殊更前置した特異な態様を採る点において識別力を有することが明白である旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、構成全体として、「煮たり焼いたりしていない、あるいは、加熱・殺菌などの処理をしていない生の食材を、焼くために串に刺すこと」といった意味合いを容易に認識させるものであり、これを当審補正役務に使用しても、本願商標に接する需要者は、当該飲食物の提供に係る仕込みの方法を表示したものであること、あるいは、提供される串焼きが、新鮮な商品であるという特徴を表示したものであることを理解するにすぎないことから、本願商標は、役務の質、特徴を直接的かつ具体的に表示したものと判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書において、本願商標は、請求人以外に使用されている例がほぼ存在せず、請求人自身も焼き鳥のメニュー名称の造語として使用しているものであることから、事実上、市場において請求人の商標として十分に識別できる程度に機能している旨主張する。
しかしながら、本願商標が請求人の造語であることや請求人の本願商標の使用意図は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断に何ら影響を与えるものではない。
また、請求人が本願商標を当審補正役務に使用していたとしても、本願商標に接する需要者が、これを請求人の商標として認識しているとは認め難い。
(3)請求人の上記各主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張についても採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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