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意匠拒絶査定不服審判

2022-016348

腐食型センサー

審判番号
2022-016348
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2021-022549外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1744597
請求日
2022年10月12日
審決日
2023年04月12日
公報発行日
2023年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .121-WY (H1-5)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2021- 22549「腐食型センサー」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和3年(2021年)10月15日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 4年(2022年) 4月22日付け 拒絶理由通知

同年 6月 2日 面接

同年 6月 6日 意見書の提出

同年 7月13日付け 拒絶査定

同年 10月12日 審判請求書の提出

第2 本願意匠

本願は、意匠に係る物品を「腐食型センサー」とし、その形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)は、願書の記載及び願書に添付した図面に表わされたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定における拒絶の理由

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠の意匠に係る物品は「腐食型センサー」であり、その形態は、四角形の薄板状のセンサーを、導電膜等が設けられた面を外側に向けて、筒状に丸めたものであり、このうち、実線で表された部分を、意匠登録を受けようとする部分としたものと認められます。
一方、この「腐食型センサー」の分野において、全体が四角形の薄板状のセンサーが、本願出願前から公然知られています(意匠1)。
また、この「腐食型センサー」の分野において、薄板状のセンサーを、取り付ける対象に合わせて曲げた状態とすることが、本願出願前から一般的に行われています(例として意匠2)。
そうすると、本願意匠は、本願出願前に公然知られた意匠1のセンサーの形態を基に、この物品分野において本願出願前から一般的に行われているように、適宜曲げて、筒状に丸めた状態としたものに過ぎないため、当業者であれば、容易に創作をすることができたものと認められます。
続きを表示(全19行)
(意匠1)
掲載者 株式会社シュリンクス
表題 ACM小型センサ(22×26mm)、薄型センサ販 売開始します|
株式会社シュリンクス
掲載箇所 「(通常のACMセンサは厚み0.8mmです。)」 という文章の下方
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2021年6月23日
検索日 [2022年4月22日検索]
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス https://www.syrinx.co.jp /acm/small/
に掲載された腐食型センサーの意匠
(意匠2)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2017-096726
図4A中、検知部7として示された腐食型センサーの意匠」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

なお、意匠に係る物品の説明の欄に明示的な記載はないが、願書に添付した図面によれば、本願意匠は実線と破線で描き分けられているので、本願は物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、実線で描かれた金属基板部(以下「本願部分」という。)が意匠登録を受けようとする部分であり、破線で描かれた絶縁膜及び導電膜部が意匠登録を受けようとする部分以外の部分(以下「その他の部分」という。)であると認められる。

1 本願意匠

(1)意匠に係る物品

本願の意匠に係る物品は、大気環境の腐食性を計測するために用いる「腐食型センサー」である。

(2)本願部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲

本願部分は、電流を計測するための用途及び機能を有する金属基板で、外周面の絶縁膜や導電膜部等の破線で表された部分を除いた金属基板部全体を、意匠登録を受けようとする部分としたものであり、外周面の面積のうち、周縁部の約1割を占めている。

(3)本願部分の形状等

ア 全体

本願部分は、全体を略円筒形とし、正面視における長辺と短辺の長さの比率を略4:1とし、背面視における中央縦線部にて両端面が接合されている。

イ 厚さ

平面視において、略円筒形の直径と厚みの比率を、略11:1としている。

ウ 本願部分に対するその他の部分の構成

略円筒形をなす本願部分の外周面にその他の部分が設けられ、外周面の周縁部を除き、約9割の面積をその他の部分が占め、その他の部分である絶縁膜や導電膜部は、長軸方向に複数帯状の規則性をもって配されている。

2 原査定の拒絶の理由で示された意匠の認定

原査定の拒絶の理由で示された、意匠1及び意匠2の意匠に係る物品や、本願部分の創作性の判断の基礎となる部分の形状等は、要旨以下のとおりであり、意匠の認定にあたり、本願意匠の図の向きに、それら意匠の図を向きを合わせるものとする。

(1)意匠1(別紙第2参照)

ア 意匠に係る物品

意匠に係る物品は、大気環境の腐食性を計測するために用いる「腐食型センサー」である。

イ 本願部分の創作性の判断の基礎となる形状等

全体が、正面視において略正方形の薄板状の基板であり、片側面に絶縁膜及び導電膜部が設けられ、厚みは、極めて薄く、背面視の形状は不明である。

(2)意匠2(別紙第3参照)

ア 意匠に係る物品

意匠に係る物品は、大気環境の腐食性を計測するために用いる「腐食センサの検知部」である。

イ 本願部分の創作性の判断の基礎となる形状等

全体が、長辺と短辺の長さの比率を略2:1とした板状をなしており、円柱形状のコンクリート材或いは鋼材の周側面に沿うように湾曲して設置され、厚みは、薄いものと推定され、背面視の形状は不明である。

3 本願部分の創作非容易性の判断

本願意匠に係る物品の当業者は、主に腐食型センサーを設計する技師が想定され、それら当業者は、計測を行う環境について綿密に想定した上で、計測の正確性及び均質性、耐久性及び設置の容易さ等にも十分配慮しつつ創作を行うものといえる。

この物品の属する分野において、正面視略正方形の板状で片側面に絶縁膜及び導電膜部を設けた腐食型センサーは意匠1の前記2(1)イで示した通り、本願出願前より見られるもので、計測を行う場所の形状に応じて、腐食型センサーを弧状に湾曲させて設置させることも意匠2の前記2(2)イに示された通り、本願出願前より見られるものである。

しかしながら、本願部分の全体形状は、前記1(3)アで認定したとおりであり、略円筒形状に丸めて端部を閉じた形状や前記1(3)イで認定したその厚みについては、意匠1の前記2(1)イや意匠2の前記2(2)イには見受けられない。

一般的に腐食型センサーは、曲げて使用すると、正確且つ均質な測定結果を得ることが困難であるところ、センサーの部分を本願部分のように細いパイプに設置し、その周囲360度を計測させることを意図し、且つ曲面形状を採用するうえでの膨張率も予め計算し、正確且つ均質な測定結果を得ることを両立させたものは見られず、本願部分のようにセンサーの基盤部を円筒形とする創作は本願出願前には見られない独創的なものと評価できる。

その他、この種物品分野における本願意匠出願前の文献を参照しても、弧状に湾曲させて設置する腐食型センサーの例は複数見られる中において、本願部分のように絶縁膜や導電膜部が表面に施されたパターンを周方向ではなく長軸方向に帯状の規則性で配したものは見受けられない。

したがって、本願部分が、意匠1及び意匠2の証拠に基づいて創作されているということはできず、当業者が原査定の拒絶の理由で示された意匠の形状等に基づいて、本願部分の形状等を容易に想到できたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原査定が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2022-016348

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