商標拒絶査定不服審判
2022-016294
- 審判番号
- 2022-016294
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-095589
- 請求日
- 2022年10月12日
- 審決日
- 2024年09月03日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】かんの株式会社
- 【請求人代理人】デロイトトーマツ弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 大島 勉
- 分類
- T18 .16 -Z (W30) / T18 .21 -Z (W30) / T18 .22 -Z (W30)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第6号、商標法第4条第1項第7号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 95589拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年8月3日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月10日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月24日:意見書の提出
令和4年 7月 5日付け:拒絶査定
令和4年10月12日:審判請求書の提出
令和6年 5月29日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなる立体商標として、第30類「ゆべし,菓子」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、以下の(1)から(3)のとおり認定、判断し、本願を拒絶した。
(1)商標法第3条第1項第6号について
本願商標は、別掲1のとおり「剣梅鉢」の家紋を付した三角形を表したとおぼしき立体的形状からなるところ、食品を扱う業界では、三角形をかたどったもの、三角形に包んだ菓子が取引されている実情があることや商品の装飾や模様として、家紋が利用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、商品の一形状に家紋を表した装飾が付されたものと認識するにとどまるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第6号について
本願商標の構成中にある「剣梅鉢」とおぼしき家紋の図形は、著名な石川県金沢市所在の尾山神社の社紋と類似する。
そうすると、当該図形は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する著名な商標と同一又は類似する。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号について
歴史上の周知・著名な人物である前田利家を直ちに想起させる「剣梅鉢」の家紋を顕著に有する本願商標を、一私人である出願人の商標として登録することは、観光振興や地域おこしなどの施策の遂行を阻害し、住民や当該人物を敬愛する国民の感情を害するおそれがあり、穏当ではない。
そうすると、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し上記1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 請求人の意見
請求人は、上記4の証拠調べに対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性
ア 本願商標は、別掲1のとおり、円輪郭内に「剣梅鉢」の家紋様の模様を付した、丸みのある三角形状の立体的形状からなる。
イ 本願の指定商品を取り扱う分野においては、別掲2のとおり、「剣梅鉢(梅鉢紋)」様の装飾や模様を菓子に使用している実情がある。
また、別掲3のとおり、三角形をかたどった菓子や、三角形に包んだ菓子が、商品の形状として採択、採用され、広く流通している取引の実情がある。
ウ 以上を踏まえると、本願商標は、その指定商品との関係において、剣梅鉢様の模様を施した三角形状に包んだ商品(菓子)の形状を表してなるものと認識、理解できるもので、当該模様にしても、菓子の模様や装飾として取引上広く採択、使用されている実情があるから、それ自体は出所識別標識としての機能を欠くものである。
そうすると、本願商標は、その形状及び模様をして、自他商品の出所識別標識としての機能を備えるものとはいえないから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の立体的形状は、鶴が翼を広げた姿をかたどった形状であり、三春城主である田村義顕公の祖先である坂上田村麻呂が二羽の鶴に育てられたという故事に由来するもので、それ自体が充分に自他商品の識別機能を有しているものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その指定商品を取り扱う分野における取引の実情等を勘案すれば、その指定商品との関係において、剣梅鉢様の模様を施した三角形状に包んだ商品(菓子)の形状を表してなるものと認識、理解できるもので、また、当該模様にしても、菓子の模様や装飾として取引上広く採択、使用されている実情があるから、それ自体は出所識別標識としての機能を欠くものである。
そうすると、本願商標は、その形状及び模様をして、自他商品の出所識別標識としての機能を備えるものとはいえない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情等をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであって、他の登録例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)その他の拒絶理由について
ア 商標法第4条第1項第6号該当性について
原査定において商標法第4条第1項第6号に該当する理由として引用する標章(以下「引用標章」という)は、別掲4のとおりの構成からなるところ、「剣梅鉢(梅鉢紋)」様の構成ではあるが、外側の5つの円は中心に向けて突起を有してなり、本願商標の構成中の模様とは、円輪郭の有無や5つの円の態様に差違がある。
また、当審による職権調査によっても、引用商標が、我が国の需要者の間において、著名となるに至っているとの事実関係を見いだすことができなかった。
そうすると、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当しない。
イ 商標法第4条第1項第7号該当性について
本願商標は、上記(1)のとおり、円輪郭内に「剣梅鉢」の家紋様の模様を付した、丸みのある三角形状の立体的形状からなるところ、その構成中「剣梅鉢」状の模様は、菓子の模様や装飾として取引上広く、採択、使用されているもので、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような図形からなるものではなく、それを本願の指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本願商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではなく、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、同法第4条第1項第6号及び同項第7号に該当しないとしても、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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