商標拒絶査定不服審判
2022-015974
イノシトールクレソンジイエル、イノシトールクレソン、イノシトール、クレソン
- 審判番号
- 2022-015974
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-132988
- 請求日
- 2022年10月06日
- 審決日
- 2023年07月11日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 資生堂
- 【請求人代理人】竹内 裕
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .16 -Z (W0103)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-132988拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 4月 5日付け:拒絶理由通知
令和4年 9月 8日付け:拒絶査定
令和4年10月 6日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「イノシトール・クレソンGL」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品」及び第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料,歯磨き」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「イノシトール・クレソンGL」の文字を普通に用いられる方法で、横書きしてなるものである。
そして、本願商標を構成する「イノシトール」の文字は、「米ぬか由来の糖アルコールの一種」であり、保湿・皮脂改善・シワ改善効果があることから、化粧品、シャンプー、歯磨き、香料等の原材料として使用されていること、また、「クレソン」の文字は、「アブラナ科の多年草。」の意味を有する語であり、「クレソンエキス」には肌の内側の水分量を高める効果や頭皮ケアに有効な成分が含まれていることから、化粧品、シャンプー、頭皮ケア製品の原材料として使用されていることが認められる。また、「GL」の文字は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章であって、商品の品番、規格等を表示するための記号又は符号として一般に使用されている欧文字2字と理解されるにすぎないものである。
そうすると、本願商標をその指定商品中「イノシトール及びクレソン(エキス)を使用したせっけん類・同化粧品」に使用しても、これに接する当該需要者は、商標全体としても、単に、原材料(「イノシトール」及び「クレソン(エキス)」)と商品の品番・規格等(「GL」)を羅列したものであると理解するにとどまり、自他商品を識別するための標識としては認識し得ない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当し、また、上記商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「イノシトール・クレソンGL」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「イノシトール」の文字と「クレソン」の文字との間に「・」が存在していることから、視覚上、「イノシトール」の文字部分と「クレソン」の文字部分とが分離して認識され得るものであり、さらに、片仮名で表された両語に続く「GL」の文字は、欧文字で表されていることから文字種が異なり、視覚上、分離して認識され得るものである。そうすると、本願商標は、「イノシトール」及び「クレソン」の片仮名並びに「GL」の欧文字を結合してなるものと容易に認識、把握されるものである。
そして、本願商標の構成中、「イノシトール」の文字は、「シクロヘキサンの6価アルコールの総称」(「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味する語であるところ、原審で示した別掲1(1)ないし(5)及び別掲2の用例のように、本願の指定商品中の「せっけん類,化粧品」との関係において、イノシトールは、米ぬか由来成分として商品の原材料に一般に使用されている。
また、本願商標の構成中、「クレソン」の文字は、「アブラナ科の多年草」(前掲書)を意味する語であるところ、原審で示した別掲1(6)ないし(12)の用例のように、本願の指定商品中の「せっけん類,化粧品」との関係において、クレソンは、その抽出エキスが商品の原材料に一般に使用されている。
さらに、本願商標の構成中、「GL」は欧文字2字からなるところ、これら欧文字2字からなる標章は、一般に、商品の品番、型番、規格等を示す記号、符号として用いられることがあり、本願の指定商品を取り扱う業界においても、別掲3の用例のように、「GL」の文字が、商品の品番、型番、規格等を示す記号、符号として用いられている。
そうすると、「イノシトール・クレソンGL」の文字からなる本願商標を、その指定商品中の「せっけん類,化粧品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字の構成中、「イノシトール・クレソン」の文字部分から、当該商品が、イノシトール及びクレソン抽出エキスを原材料とするものであることを看取、把握しつつ、「GL」の文字部分については、そのような商品に記号、符号として付加されたものと看取、把握するとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品中の「せっけん類,化粧品」との関係においては、その構成全体をもって、商品の原材料(イノシトール、クレソン抽出エキス)及び記号(GL)を羅列したものと認識されるにすぎず、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されることはないというべきである。
したがって、本願商標は、その指定商品中の「せっけん類,化粧品」に使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標を構成する文字を用いて、[1]イノシトールクレソンGL、[2]イノシトール・クレソンGL、[3]イノシトール クレソン GL、[4]イノシトール、クレソン GL、[5]イノシトール&クレソン GL、の表記態様をあげた上で、これらのうち、[1]及び[2]は、単一の物質名称を表記したものと認識されるが、[3]ないし[5]はそうは言えないところ、[2]と同様の態様からなる本願商標について、原審において「イノシトール」と「クレソン」の二つの語に分断して判断したことは、到底許されるべきではない旨、また、「イノシトール・クレソン」は、請求人が独自に創作した架空の名称であり、特定の物質を表示するものではない旨主張する。
しかしながら、「イノシトール・クレソン」の文字部分は、その構成中に「・」が存在することから、「イノシトール」及び「クレソン」に視覚的に分離され得るものであることに加え、各語が上記(1)のとおりの意味を有しており、例えば、一方の語がもう一方の語を修飾して結合語を構成する等といった事情もないことから、「イノシトール」及び「クレソン」の文字がそれぞれ看取、把握されるものである。
また、仮に、「イノシトール・クレソン」は、請求人が創作した架空の名称であるとしても、取引者、需要者において、当該文字部分を請求人の意図どおりのものとして認識するとは必ずしもいえず、むしろ、別掲1及び別掲2で示した実情から、「イノシトール」及び「クレソン」の各文字を結合してなるものと認識する蓋然性が高いといえる。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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