商標拒絶査定不服審判
2022-015801
ウマニラメンチカツ、バニラメンチカツ
- 審判番号
- 2022-015801
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-063740
- 請求日
- 2022年10月04日
- 審決日
- 2023年07月19日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社九州食肉産業
- 【請求人代理人】五味 和泰
- 【請求人代理人】淡路 里美
- 【請求人代理人】浜崎 晃
- 【請求人代理人】松下 智子
- 【請求人代理人】本多 浩司
- 【請求人代理人】永岡 清秀
- 【請求人代理人】西野 吉徳
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .13 -Z (W29) / T18 .272-Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-63740拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年5月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月 8日付け:拒絶理由通知
令和4年 3月18日 :意見書、手続補足書の提出
令和4年 8月 5日付け:拒絶査定
令和4年10月 4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「馬ニラメンチカツ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「肉製品,加工水産物,メンチカツ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「馬ニラメンチカツ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「馬」の文字は「ウマ目(奇蹄類)ウマ科の哺乳類。」を、「ニラ」の文字は「ヒガンバナ科(旧ユリ科)ネギ属の多年草。」を、「メンチカツ」の文字は「挽肉に玉葱の微塵切りなどを加えて小判形などにまとめ、パン粉の衣をつけて油で揚げた料理。」を表す語である。
また、「馬」の文字は、馬肉を使用したステーキを「馬ステーキ」、馬肉を使用したコロッケを「馬コロッケ」というように、「馬肉」を表す語としても使用されている。
さらに、本願の指定商品を取り扱う業界において、馬肉を使用したメンチカツや、ニラを使用したメンチカツが取引されている実情がある。
そうすると、上記した構成からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「馬肉とニラを使用したメンチカツ」であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「馬肉とニラを使用したメンチカツ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本願商標は、前記2のとおり、「馬ニラメンチカツ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「馬」の文字は「ウマ目(奇蹄類)ウマ科の哺乳類。」等の意味を、「ニラ」の文字は「ヒガンバナ科(旧ユリ科)ネギ属の多年草。」の意味を、「メンチカツ」の文字は「挽肉に玉葱の微塵切りなどを加えて小判形などにまとめ、パン粉の衣をつけて油で揚げた料理。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑 第七版」(岩波書店)から引用。)として、それぞれ我が国において広く親しまれているものである。
イ 原審において示された事実(別掲1)及び職権による調査(別掲2ないし別掲4)によれば、本願の指定商品を取り扱う業界において、馬肉を原材料に使用したメンチカツが「馬メンチカツ」又は「馬メンチ」の名称で、ニラを原材料に使用したメンチカツが「ニラメンチ」の名称で、それぞれ一般に製造、販売されているほか、「黒豚チーズメンチかつ」や「黒豚キャベツメンチかつ」のように、肉の種類に、訴求する原材料名を結合して表記したメンチカツが製造、販売されている実情が認められる。
ウ 以上によれば、「馬ニラメンチカツ」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成全体をもって「馬肉とニラを原材料に使用したメンチカツ」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。
そして、本願商標は「馬ニラメンチカツ」の文字を標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
してみれば、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「馬」の文字は、様々な意味合いを持つ言葉であるから、本願商標から、「馬の形を模したニラを使ったメンチカツ」、「競馬場で製造・販売されるニラを使ったメンチカツ」、「将棋の桂馬駒の形を模したニラを使ったメンチカツ」、「大きなサイズのニラを使ったメンチカツ」等の様々な意味合いが想起され、直ちに「馬肉」といった一定の意味を想起させるものではなく、本願商標が「馬肉とニラを使用したメンチカツ」ほどの意味合いを表すものとして需要者に感得される場合があるとしても、それは間接的に表示するに過ぎない旨主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、馬肉を原材料に使用したメンチカツが「馬メンチカツ」又は「馬メンチ」の名称で一般に製造、販売されている実情からすれば、本願商標に接する取引者、需要者が、本願商標を請求人の主張のように認識するというよりは、むしろ、その構成中の「馬」の文字について、馬肉を表したものと容易に認識、理解するというべきである。
イ 請求人は、本願商標について、「バニラメンチカツ」の称呼を持つ一種の造語として使用をしており、「バニラ」の言葉については、ラン科の多年生の蔓植物である「バニラ」をも想起させるものであるから、「バニラメンチカツ」の称呼を耳にした需要者が、「馬肉とニラを使用したメンチカツ」という意味合いを想起することは、ほぼ不可能である旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「馬ニラメンチカツ」の文字を標準文字で表してなり、「馬」の文字に読み仮名が付されているものではないから、本願商標に接する取引者、需要者が、必ずしも本願商標を請求人の主張のように称呼し、さらにラン科の多年生の蔓植物である「バニラ」を想起するとはいえないし、本願商標は「ウマニラメンチカツ」とも称呼され得るものであって、その構成中に「馬」の文字を有するものであるから、本願の指定商品を取り扱う業界の実情も鑑みれば、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「馬」の文字について、馬肉を表したものと容易に認識、理解するというべきであること、上記アのとおりである。
ウ 請求人は、構成中に「馬」を含む過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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