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商標拒絶査定不服審判

2022-015760

スムーズ、スムース

審判番号
2022-015760
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-027864
請求日
2022年10月04日
審決日
2023年08月21日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社スムーズ
  • 【請求人代理人】青木 孝博
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 浦崎 直之
分類
T18 .13 -Z (W36)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-27864拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年3月10日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 5月 9日付け:拒絶理由通知書 令和4年 6月23日付け:意見書 令和4年 6月30日付け:拒絶査定 令和4年10月 4日付け:審判請求書、手続補正書 令和5年 5月24日付け:審尋 令和5年 7月 5日付け:回答書 第2 本願商標 本願商標は、「smooth」の文字を標準文字で表してなり、第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第36類「分割払い方式による住宅の賃貸のための資金の貸付け」に補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 本願商標は、「smooth」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「物事・動作が円滑に進むさま」の意味を有する「スムーズ」を欧文字で表したものである。 また、「スムーズ」の文字は、指定役務を取り扱う分野を含め様々なサービスについて、これを形容する語として普通に使用されている実情が確認できる。 そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「スムーズな役務」といった役務の特性や優位性を表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにとどまるものとみるのが相当であって、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。 してみれば、本願商標は、識別力のない宣伝文句として、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 第4 当審における審尋 当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲(1)ないし(15)のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。 第5 審尋に対する請求人の回答の要旨 請求人は、上記第4の審尋に対し、回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。 審尋において挙げられたウェブサイトにおいては、いずれも「スムーズ」の文字が他の語と結合した態様で使用されており、本願商標とは、それぞれ異なる態様で使用されているものであるため、本願商標の識別力を否定する根拠にはなり得ない。 また、これらウェブサイトにおいては、すべての「スムーズ」の文字が、「何がスムーズなのか」が特定できる態様で使用されており、本願商標は、ただ「smooth」と表されているのみであり、本願商標からは「何がスムーズなのか」を特定することはできない。 よって、「smooth」の文字がそれ単独で使用された場合に、本願商標の指定役務を取り扱う業界において、役務の質を直接的かつ具体的に表示するものとして取引上普通に使用されているとまでは言い難い。 そして、Google検索において「smooth」と検索すると、請求人のウェブサイトが検索結果の1ページ目に表示されること等から、本願商標「smooth」の文字に接した需要者・取引者は、「手続等が円滑に進む」ことを想起するというよりは、むしろ請求人の業務に係る商標と認識・理解するというのが相当である。 以上のように、本願商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しない。 第6 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、「smooth」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「なめらかな、すべすべした、順調な、円滑に進む、調子のいい、よく練られた、耳に心地よい」等(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)を意味する語であり、我が国の一般的な国語辞典においても、「スムーズ【smooth】」の見出しの下、「物事・動作が円滑に進むさま。」の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)として掲載されており、「スムーズ」及びその英語表記である「smooth」もまた一般に親しまれた語といえるものである。 また、本願指定役務に関連する金融・不動産業界においては、別掲のとおり、手続等が円滑に進むことを表す際に、「スムーズ」の文字が広く使用されている事実が認められる。 そうすると、「smooth」の文字からなる本願商標は、本願指定役務との関係において、「手続等が円滑に進む」ほどの意味合いを理解させ、これをその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「手続等が円滑に進む分割払い方式による住宅の賃貸のための資金の貸付け」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認識するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「smooth」の文字が、業界内で一般に使用されている事実はなく、原審及び当審において示された事実は、いずれも「スムーズ」の文字が他の語と結合した態様で使用されており、本願商標とは、それぞれ異なる態様で使用されているものであるため、本願商標の識別力を否定する根拠にはなり得ず、また、本願商標からは「何がスムーズなのか」を特定することはできない旨主張する。 しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品及び指定役務の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、商品の品質や役務の質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるところ、たとえ本願商標が一般に使用されている事実が確認できないとしても、本願商標の文字の意味及び別掲の事実からすれば、上記1のとおり、本願商標は、本願指定役務との関係においては、「手続等が円滑に進む」ほどの意味合いを容易に理解させ、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「手続等が円滑に進む分割払い方式による住宅の賃貸のための資金の貸付け」であると認識するにとどまり、役務の質を普通に用いられる方法で表したものと認識、把握されると判断するのが相当である。 (2)請求人は、審判請求書添付の証拠1ないし23及び回答書添付の証拠1ないし3を提出し、本願商標は、使用による識別性を得ている旨を主張するため、以下検討する。 証拠によれば、請求人は、普通に用いられる方法で表された「smooth」の文字からなる商標を、本願指定役務「分割払い方式による住宅の賃貸のための資金の貸付」に使用しており(審判請求書添付の証拠4ないし7)、2020年5月から役務の提供を開始し(審判請求書添付の証拠6)、2022年10月現在、東京・神奈川・千葉・埼玉・福岡・大阪・名古屋・京都・滋賀において役務を提供している(審判請求書添付の証拠7)ことがうかがえる。 また、2022年10月に、Googleのウェブサイトにおいて、「smooth」、「賃貸 分割」及び「賃貸 初期費用」等の文字で検索した際には、本願商標に関する記事が、検索上位で表示された(審判請求書添付の証拠8ないし10及び回答書添付の証拠1ないし3)ことはうかがえる。 他方、本願商標の使用期間が3年ほどと短く、使用地域は一部の都市圏である。そして、請求人は、2021年5月から2022年4月の間の売上高は、約7,300万円になると主張するが、売上高については、裏付けとなる証拠の提出がなく、その多寡を客観的に評価し得る市場占有率等も不明である。 また、請求人は、2022年1月からテレビ、インターネットを通じた広告宣伝を行い(審判請求書添付の証拠19ないし21)、テレビCMについては、2022年1月4日から2月3日の間で338回放映され、広告宣伝費については、月間約1,500万円である旨主張する。 しかしながら、インターネットを通じたCM動画については、約94万回再生(審判請求書添付の証拠18)等されていることはうかがえるものの、請求人が述べるテレビCMの放映回数及び広告宣伝費については、裏付けとなる証拠の提出がない。 そうすると、本願商標は、請求人提出の証拠によっては、我が国の需要者の間において、請求人の業務に係る役務を表示する標章として、広く認識されるに至っているものとは認めることはできない。 したがって、本願商標は、請求人により使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものとはいえない。 (3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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