商標拒絶査定不服審判
2022-015391
アオヤマブルーマウンテン、アオヤマ、ブルーマウンテン
- 審判番号
- 2022-015391
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-042407
- 請求日
- 2022年09月28日
- 審決日
- 2023年07月19日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】真柄 尚武
- 【請求人代理人】福地 武雄
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .16 -Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-42407拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年1月 4日付け:拒絶理由通知
令和4年2月21日 :意見書の提出
令和4年6月20日付け:拒絶査定
令和4年9月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第33類「リキュール,スピリッツ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「青山」及び「ブルーマウンテン」の文字を上下2段に普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成中の「青山」の文字は、「東京都港区西部から渋谷区東部にかけての地区名。」又は「姓氏の一つ。」の意味を、また、その構成中の「ブルーマウンテン」の文字は、「ジャマイカのブルーマウンテン地区で産するコーヒー豆。」の意味を有する語である。
そして、酒を取り扱う業界では、コーヒーを用いた酒が一般的に販売されており、その中にはブルーマウンテンコーヒーを用いた酒がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、商品の産地・販売地又はありふれた氏を表す文字と商品の品質を表す文字を表示してなるものと認識するにとどまるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「青山」の文字と「ブルーマウンテン」の文字とを上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、両文字は、文字種及び文字の大きさが異なり、それらが相互に重なり合うことなく二段に配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握されるものである。
そして、本願商標の構成中、上段の「青山」の文字は、「姓氏の一。」や「東京都港区北西部の地名。」の意味を有する語(「大辞林 第四版」三省堂)であるところ、〔ア〕前者の意味において、「青山」の文字は、我が国において同種の氏が多数存在する名字として紹介されている(別掲2参照)ことから、姓氏の一つである「青山」の文字は、我が国においてありふれた氏といえるものであり、〔イ〕後者の意味において、「青山」の文字は、アパレル旗艦店やセレクトショップ等が並ぶ東京の繁華街として広く知られているところ、当該地において、本願の指定商品を含む酒類の醸造、販売も行われている(別掲3参照)ことから、地名である「青山」の文字は、商品の産地、販売地を意味するものとして理解されるといえる。
また、本願商標の構成中、下段の「ブルーマウンテン」の文字は、「コーヒー豆の銘柄の一。ジャマイカ産。」の意味を有する語(前掲書)であるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、コーヒーを原材料に使用した酒が一般に製造、販売されており、その中には、ブルーマウンテンを原材料に使用したコーヒーリキュールも製造、販売されていることが認められる(別掲4及び別掲5参照)。
そうすると、「青山」の文字と「ブルーマウンテン」の文字とを上下二段に表した本願商標は、我が国におけるありふれた氏又は商品の産地、販売地を表す地名と、本願の指定商品の原材料を表す語を羅列したにすぎないものであって、本願商標は、その他、自他商品の識別機能を有すると判断し得る構成要素を有さないものである。
よって、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者において、その構成全体をもって、我が国におけるありふれた氏又は商品の産地、販売地を表す地名と、商品の原材料名を羅列したものと認識されるにすぎず、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されることはないというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「青山」の文字は、「青い山」を意味しており、辞書にも当該意味が掲載されていることから、「青山」の文字は、地名や姓以外の意味も有する語である旨主張する。
しかしながら、「青山」の文字が「青々とした山」の意味を有するとしても、上記(1)のとおり、「青山」の文字は、我が国においてありふれた氏であり、また、東京の地名としても広く知られているものであるから、当該文字に接する取引者、需要者において、我が国におけるありふれた氏又は商品の産地、販売地を表す地名として認識されるというのが自然である。
イ 請求人は、「青山」という地名は、辞書に掲載されている地名以外にも、日本全国各地に存在するから、一義的に、辞書に掲載されている地名を示す語であると判断することはできないし、「青山」という地名において、リキュール、スピリッツが販売又は製造されているという実情はなく、需要者がそのように認識すると判断すべき合理的な理由もない旨主張する。
しかしながら、東京都港区北西部の地名である青山は、アパレル旗艦店やセレクトショップ等が並ぶ東京の繁華街として広く知られていることから、当該文字に接する取引者、需要者において、当該地名を想起、認識するというのが自然であるし、また、当該地において、酒類の醸造、販売も行われていることは、上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、産地・販売地又はありふれた氏を表す語であっても、第33類「日本酒」等を指定商品として登録された過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであることに加え、請求人が挙げる既登録例は、その構成中に社名を含むもの、図形を含むもの、文字が図案化されているもの等、いずれも本願商標とはその構成、態様を異にするものであるから、本件とは同一に論ずることができないものである。
エ 請求人は、本願商標の構成中の「ブルーマウンテン」の文字は、上段の「青山」を英語に直訳したものであり、両者は観念的に強く結合していること、本願商標は外観上まとまりよく一体的に構成されており、「アオヤマブルーマウンテン」の称呼もよどみなく一連に称呼できることを述べ、商標全体を一つの標識としてみると、識別力を発揮している旨主張する。
しかしながら、本願商標の採択の意図が請求人の主張どおりであるとしても、本願商標に接する取引者、需要者がその意図を把握するとはいい難く、むしろ本願商標は、その構成態様から、視覚上、上段と下段の文字が分離して看取、把握されるものであって、各文字がそれぞれの意味を有する成語であり、本願の指定商品との関係において、本願商標の構成全体をもってしても、自他商品の識別機能を有すると判断し得る構成要素を有さないものであること、上記(1)のとおりである。
オ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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