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商標拒絶査定不服審判

2022-015240

ヒダノタクミコーボーベア、ヒダノタクミコーボー、タクミコーボー、ヒダノタクミ、タクミ、ショー、ベア

審判番号
2022-015240
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-123026
請求日
2022年09月04日
審決日
2023年11月22日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】戸谷 和則
  • 【請求人代理人】小川 清
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 岩谷 禎枝
分類
T18 .261-Z (W20) / T18 .262-Z (W20) / T18 .263-Z (W20)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項10号商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第50条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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商願2021-123026拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第20類「家具」を指定商品として、令和3年10月4日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年3月4日付けで拒絶理由が通知(以下「拒絶理由通知」という。)され、同年4月20日付けで意見書が提出されたが、同年5月18日付けで拒絶査定され、これに対し、同年9月4日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由 原査定は、本願商標はその構成中に株式会社シラカワ(以下「シラカワ社」という。)が、商品「家具」について使用し、本願の登録出願前より我が国の需要者の間に広く認識されている商標「飛騨の匠工房」の文字と同一の商標を含むものであり、かつ、本願の指定商品は、シラカワ社の取扱いに係る商品と同一又は類似のものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における審尋 当審において、令和5年9月5日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、本願商標は、拒絶理由通知の理由2において引用した登録第5063285号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であり、本願の指定商品は引用商標の指定商品中の第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」と類似する商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 なお、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成18年6月16日に登録出願、「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」を含む第20類、第3類、第12類、第16類、第18類、第21類、第26類及び第27類に属する商品(別掲3)を指定商品として、同19年7月13日に設定登録され、その後、令和3年3月30日に、商標法第50条第1項の規定に基づく商標権一部取消審判が請求され、同4年2月7日に、その商標登録の一部(別掲4)を取り消すべき旨の審決が確定し、同年3月3日に、その確定審決が登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 第4 審尋に対する請求人の意見 請求人は、審尋に対し、令和5年10月18日付け意見書(以下「当審意見書」という。)により、本願商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼に大きな違いがあり、商品の出所の混同を生じさせることはない旨の意見を述べた。 第5 当審の判断 1 本願商標の商標法第4条第1項第10号該当性について 岐阜県高山市在のシラカワ社が商品「家具」について使用する「飛騨の匠工房」の文字中、「飛騨の匠」は、別掲5によると、「飛騨の木工職人たちの総称」といった意味合いで使用されている語であると認められ、また、「工房」とは「美術家や工芸家などの仕事場」(株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)の意味を有する語であるから、「飛騨の匠工房」の文字は、構成全体として「飛騨の木工職人たちの仕事場」といった意味合いで認識、理解されるものと認められる。 そうすると、「飛騨の木工職人たちの仕事場」といった意味合いを認識させるにすぎない「飛騨の匠工房」の文字は、商品「家具」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を有しない標章、又は、有するとしても当該機能が非常に弱い標章である。 また、当審による職権調査及び原審の拒絶理由において提示したウェブサイトによると、シラカワ社は、家具のカテゴリーの一として「飛騨の匠工房」の文字を使用していることは確認できるものの、同社が「飛騨の匠工房」の文字を使用した具体的な期間や「飛騨の匠工房」の文字を使用した商品の売上高や販売実績、市場占有率、広告宣伝の実績等が明らかではないことからすると、本願商標の登録出願時及び登録査定時において、「飛騨の匠工房」の文字は、商品「家具」を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されている商標であるとは認められない。 したがって、本件商標は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標」には該当しないので、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)商標の類否判断について 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、当該商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、そのためには、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、当該商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきである(最高裁昭和39年(行ツ)第110号参照)。 この点に関し、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。 以下、上記の観点を踏まえて、本願商標が引用商標に類似する商標に該当するか否かについて判断する。 (2)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、その構成中に、黒塗りした左向き熊図形(以下「本願熊図形」という。)を大きく表し、本願熊図形の下に、当該図形と横幅をそろえて、太字の書体で大きく「BEAR」の欧文字を配し、本願熊図形の上に、「BEAR」の欧文字よりも細字の書体でやや小さく「飛騨の匠工房」の文字を配した構成よりなる結合商標であるところ、「BEAR」の欧文字、本願熊図形、「飛騨の匠工房」の文字は、重なることなく配置されているものであるから、これらは視覚上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められないものである。 そして、本願商標の構成中の本願熊図形及び「BEAR」の欧文字より、「熊」(「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」株式会社大修館書店)の観念が生じるものであって、本願熊図形と「BEAR」の欧文字とは、相互に関連するものであると容易に理解できるところ、本願の指定商品との関係においては、これらは商品の品質等を表すものと判断すべき事情はないことから、商品の出所識別標識としての機能を発揮するものである。 また、本願商標は、視覚的に、本願熊図形及び「BEAR」の欧文字が、看者の目を引く部分であるといえるため、これらは、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 これに対し、本願商標の構成中の「飛騨の匠工房」の文字は、上記1のとおり、「飛騨の木工職人たちの総称」といった意味合いで認識、理解されるものであるから、本願熊図形及び「BEAR」の欧文字とは観念的な繋がりもなく、本願の指定商品「家具」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を有しない、又は、当該機能を有するとしても非常に弱いものと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成中の「飛騨の匠工房」の文字を捨象し、本願熊図形及び「BEAR」の欧文字を要部として抽出し、これらを引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、本願商標は、その構成中の本願熊図形及び「BEAR」の欧文字に相応して「ベアー」の称呼及び「熊」の観念が生じるものである。 (3)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、輪郭線で表した左向き熊図形(以下「引用熊図形」という。)と引用熊図形の輪郭線から延長する線で輪郭線状内に、引用熊図形の右側胴体部分に重なるように、太字の書体で大きく「Bear」の欧文字を配し、その右側に左に90度回転させた細字の「USA」の欧文字を配した構成よりなる結合商標であるところ、引用熊図形及び「Bear」の欧文字と「USA」の欧文字は、重なることなく配置されているものであるから、これらは視覚上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められないものである。 そして、引用商標の構成中の引用熊図形及び「Bear」の欧文字より、「熊」の観念が生じるものであって、相互に関連するものであると容易に理解できるところ、引用商標に係る指定商品中、第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」との関係においては、これらは商品の品質等を表すものと判断すべき事情はないことから、商品の出所識別標識としての機能を発揮するものである。 また、引用商標は、視覚的に、引用熊図形及び「Bear」の欧文字が、看者の目を引く部分であるといえるから、これらは、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 これに対し、引用商標の構成中の「USA」の欧文字は、アメリカ合衆国の略称を表す語として広く知られているところ、引用商標に係る指定商品中、第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」との関係においては、商品の製造地又は販売地等を表したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断するのが相当である。 そうすると、引用商標は、その構成中の「USA」の欧文字を捨象し、引用熊図形及び「Bear」の欧文字を要部として抽出し、これらを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、引用商標は、その構成中の引用熊図形及び「Bear」の欧文字に相応して「ベアー」の称呼及び「熊」の観念が生じるものである。 (4)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部と引用商標の要部とを対比すると、両者は、熊図形と「BEAR(Bear)」の欧文字の配置等に相違が見られるものの、いずれも左向きの熊図形を描いた点及び欧文字のつづりを共通にする点において、その構成の軌を一にするものであるから、時と場所を異にした離隔的観察の下では、外観上相紛らわしいものである。 また、本願商標と引用商標は、いずれも「ベアー」の称呼及び「熊」の観念を生じるものである。 以上の点を総合的に考察すると、本願商標の要部と引用商標の要部とは、両者を同一又は類似の商品に使用した場合には、取引者、需要者が、その商品の出所について誤認混同するおそれがあるほどに類似しているというべきである。 したがって、本願商標及び引用商標は、同一又は類似の商品に使用された場合には、当該商品の出所を誤認混同するおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 (5)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品中の第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」との類否について 本願の指定商品である第20類「家具」は、引用商標に係る指定商品中、第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」と同一又は類似の商品である。 (6)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品中、第20類「アメリカ製の家具,アメリカで企画・デザインされた家具」と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 請求人の主張について 請求人は、当審意見書において、本願商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼に大きな違いがあり、商品の出所の混同を生じさせることはない旨主張する。 しかしながら、上記2のとおり、本願商標の要部と引用商標の要部とは、その構成の軌を一にするものであるから、時と場所を異にした離隔的観察の下では、外観上相紛らわしいものであり、また、本願商標と引用商標は、いずれも「ベアー」の称呼及び「熊」の観念を生じるものであるから、両者を同一又は類似の商品に使用した場合には、取引者、需要者が、その商品の出所について誤認混同するおそれがあるほどに類似しているというべきであり、本願商標及び引用商標は、同一又は類似の商品に使用された場合には、当該商品の出所を誤認混同するおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができず、その他の請求人の主張は、いずれも採用することができない。 4 まとめ 上記1のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものの、上記2のとおり同項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-015240

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