商標拒絶査定不服審判
2022-014875
グリーンゴーハン
- 審判番号
- 2022-014875
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-143982
- 請求日
- 2022年09月20日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱ケミカル株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人秀和特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W19)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-143982拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年11月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月28日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月27日 :意見書の提出
令和4年 6月15日付け:拒絶査定
令和4年 9月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「グリーン合板」の文字を標準文字で表してなり、第19類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、当審における上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、「グリーン合板」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑色。」の意味を表し、「合板」の文字は、「薄い板を3枚またはそれ以上の奇数枚、木目が直交するように重ねて接着剤で張り合わせたもの。ベニヤ板。」の意味を表すものであるから、その構成全体からは「緑色の合板」程の意味合いが生じる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、緑色の合板や、緑色の合板を用いた商品等であることを理解し、又は認識するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、例えば、緑色の合板や、緑色の合板を用いた商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、「グリーン合板」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑色。」の意味を有するほか、「環境保全の。自然保護の。自然保護運動の。」の意味を表し、「合板」の文字は、「薄い板を3枚またはそれ以上の奇数枚、木目が直交するように重ねて接着剤で張り合わせたもの。ベニヤ板。」の意味を表すものである。
また、本願の指定商品に関する業界において、その構成中に「グリーン」の文字を有する「グリーン建材」の文字が、「環境に配慮した建材」程の意味合いで使用されていることからすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する需要者は、環境に配慮した合板や、環境に配慮した合板を用いた商品等であることを理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「グリーン合板」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑色。」の意味を有するほか、他の語の上に付いて複合語をつくる際には、「環境保全の。自然保護の。」等の意味をも有する語であり、「合板」の文字は、「薄い板を3枚またはそれ以上の奇数枚、木目が直交するように重ねて接着剤で張り合わせたもの。ベニヤ板。」の意味を表すものである(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)。
上記のことから、本願商標全体としては、構成するそれぞれの文字の語義より「緑色の合板」あるいは「環境保全の合板」程の意味合いを認識させるものといえる。
そして、原審における証拠、別掲2のインターネット情報及び新聞記事情報が示すとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「グリーン○○」のように、「グリーン」の文字と具体的な建築材料を表す語とを組み合わせることによって、「環境保全の○○(建築材料)」の意味合いを表す複合語として使用している事例も見受けられる上、当該「グリーン」の意味に相応する環境保全の合板が実際に取引されている実情も認められる。
これらの実情を総合的に勘案すれば、本願商標をその補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が「緑色の合板」又は「環境保全の合板」であると認識するものといえ、かつ、「合板」は、本願の指定商品との関係においては、単なる普通名称であるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、原査定においては、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨についても認定、判断しているが、本願商標は、前記のとおり、自他商品の識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠くという共通の結論に至るものであるから、両者はその判断の内容において実質的に相違するものではない。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、原審での指摘は、各種建材の中に「緑色の合板」があっても、それが「グリーンゴウハン」と呼ばれて取引されていることを示しているわけではなく、それどころか、むしろそのような直接的な表現例のあることが端的に摘示されていないことに鑑みると、「緑色の合板」が「グリーンゴウハン」と称呼されている実情はないと解する方が自然である旨主張する。
しかしながら、仮に、「緑色の合板」のことを「グリーン合板」と一般に称している実情が確認できないとしても、本願の指定商品分野において、実際に緑色の合板が取引されている事実が認められることに加え、「合板」の文字部分が本願の指定商品との関係においては単なる普通名称であることよりすれば、本願商標に接する取引者、需要者がこれより「緑色の合板」であることを認識するというのが相当である。
イ また、請求人は、環境省の技術実証事業である「令和3年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業の公募採択事業」(従来リサイクルが困難であったプラスチック等素材に対するリサイクル技術・システムの高度化を図り、プラスチック資源循環システム全体でのエネルギー起源CO2排出を抑制することを目的とするもの)に応募し、選定された自身の事業名が「バイオマスを活用した接着剤の開発とグリーン合板への応用に向けた技術実証事業」と題するものとして、その事業名に含まれる「グリーン合板」の採択理由について、「「緑色の合板」という具体的な建材があることを意図したわけでも、「環境に優しい合板」があることを指し示すためのものでも、さらには、環境省や他の参加事業体が規定した一般的用語に準拠しているというわけでもない。すなわち審判請求人がいう「グリーン合板への応用に向けた技術実証」というタイトルは、環境省が標榜する施策に合致した商品(バイオマス由来接着剤を使用した合板)であることを、わかりやすく、暗示的・示唆的に希求するために案出したいわば「ニックネーム」のような位置づけに過ぎない」と述べ、他人の商品との差別化を端的な言葉によって実現しようとした「創造語」である旨主張する。
しかしながら、請求人の意図する「グリーン合板」は、環境省の施策に合致した商品の性質上、環境保全の目的に沿った合板であることがうかがえる上、本願の指定商品分野での「グリーン」の文字が「環境保全」程の意味合いで使用されている事例と目的や趣旨を共通にするものといえることから、請求人の前記主張によって、本願商標に接する取引者、需要者がこれより「環境保全の合板」程の意味合いを認識することを否定することはできない。
ウ さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定商品、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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