商標拒絶査定不服審判
2022-014797
ストレートフレームコーゾー
- 審判番号
- 2022-014797
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-009533
- 請求日
- 2022年09月20日
- 審決日
- 2024年01月19日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】CTP JAPAN株式会社
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】佐藤 俊司
- 【請求人代理人】飯田 遥
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W12) / T18 .272-Z (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項商標法3条3項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-9533拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ストレートフレーム構造」の文字を標準文字で表してなり、第12類「乳母車,折畳み式乳母車,チャイルドシート」を指定商品として、令和4年1月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年4月19日付けで拒絶理由の通知がされ、同年5月26日に意見書が提出されたが、同年6月20日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年9月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ストレートフレーム構造」の文字を標準文字で表してなり、その構成中「ストレート」の文字は「まっすぐなこと」の意味を、「フレーム」の文字は「骨組みとなる枠状の構造物」の意味を、さらに「構造」の文字は「一つのものを作り上げている部分部分の材料の組み合わせ方」の意味を、それぞれ有する語として知られているところ、本願指定商品との関係では、「ストレートフレーム」や「ストレートフレーム構造」の文字が、「ハンドルからの力を効率良くタイヤに伝えることのできる直線構造」ほどの意味合いを認識されていることが認められることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ハンドルからの力を効率良くタイヤに伝えることのできる直線構造」からなることを認識するにとどまり、商品の品質、特徴を普通に用いられる方法で表示したものと判断するから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和5年9月12日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号、同年10月21日判決参照)。
そして、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、商品の品質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、本願商標の構成やその指定商品に関する取引の実情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号、同4年1月25日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ストレートフレーム構造」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ストレート」の文字(語)は「まっすぐなこと。」の意味を有し、「フレーム」の文字(語)は「機械・自動車・建造物などの骨組みとなる枠状の構造物。」の意味を有し、「構造」の文字(語)は「一つのものを作り上げている部分部分の材料の組み合わせ方。」の意味を有する語として、それぞれ知られているものである。
そうすると、本願商標を構成する「ストレートフレーム構造」の文字全体からは、「まっすぐなフレームの構造」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、別掲1及び別掲2に記載のとおりの実情によれば、本願の指定商品を始め、自転車及び自動車等乗り物の分野においては、「ストレートフレーム」の語が「まっすぐなフレーム」ほどの意味合いで広く使用されていることが認められる。
また、本願の指定商品は、いずれもフレームを配した構造を有する商品といえる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する当該商品の取引者、需要者は、「まっすぐなフレームの構造」といった意味合いを認識するにとどまり、当該商品が「まっすぐなフレームを配した構造からなる商品」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
してみると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、かつ、本願の指定商品中、「まっすぐなフレームを配した構造からなる商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、原審で提示された9件の引用情報だけでは、本願商標がその指定商品について一般的に使用されているとはいえない旨、また、請求人は、我が国において「Cybex(サイベックス)」ブランドや、「MIOS(ミオス)」、「MELIO(メリオ)」といったシリーズのベビーカーを普及させるに際し、独自に創作した「ストレートフレーム構造」という語を一貫して用いて、その商品価値を高めてきた結果、本願商標は、識別標識として、需要者の間に広く浸透している旨主張する。
そして、請求人の提出に係る証拠によれば、インターネット上の検索エンジン「Google」において、「ストレートフレーム構造 ベビーカー」のキーワードで検索すると、請求人の販売するベビーカーに関する記事が相当数ヒットすることがうかがえる(甲4)。
しかしながら、これのみによって、本願商標が識別標識として需要者の間に広く浸透しているとはいえない。
むしろ、上記(2)のとおり、本願商標を構成する各文字(語)の意味並びに別掲1及び2の取引の実情を踏まえれば、本願商標は、その指定商品の取引者、需要者によって、「まっすぐなフレームを配した構造からなる商品」といった商品の品質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
イ 請求人は、原審において引用された別掲1に挙げる証拠のうち4件の事例は、本願商標一連の使用ではなく、「ストレートフレーム」の語が使用された例であるから、本願商標の使用例として採用されるべきではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、商品の特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。
そうすると、たとえ「ストレートフレーム構造」一連の使用例が少ないとしても、別掲1及び2とおり、「ストレートフレーム」の語が多数使用されていることからすると、本願商標は、その指定商品の取引者、需要者によって、「まっすぐなフレームを配した構造からなる商品」といった商品の品質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
ウ 請求人は、「ストレート」や「構造」の文字を含む過去の登録例を挙げ、本願商標が、その指定商品との関係では、十分に自他商品識別機能を発揮する商標である旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様、指定商品等が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記(2)の認定判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することができず、その他の請求人の主張は、採用するべき事情はない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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