商標拒絶査定不服審判
2022-014461
チベットタイガー、タイガー
- 審判番号
- 2022-014461
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-123161
- 請求日
- 2022年09月13日
- 審決日
- 2023年08月18日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】田村 優幸
- 【請求人代理人】西村 知浩
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W27) / T18 .272-Z (W27)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-123161拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「Tibet Tiger」の文字を標準文字で表してなり、第27類「じゅうたん,敷物,マット,ラグ,ヨガ用マット,織物製壁紙,壁掛け(織物製のものを除く。)」を指定商品として、令和3年10月4日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月23日付けで拒絶理由が通知され、同年4月9日付けで意見書が提出されたが、同年6月8日付けで拒絶査定され、これに対し、同年9月13日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、要旨、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、「チベット」を意味する「Tibet」と「トラ」を意味する「Tiger」を結合した「Tibet Tiger」の文字を標準文字で表してなるから、構成全体として「チベットに生息するトラ」ほどの意味合いを認識させるものである。
また、本願の指定商品との関係でみると、「チベット絨毯のトラ柄」のものが「Tibetan Tiger Rug」と称して、一般に販売されている実情があることから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「チベット絨毯のトラ柄のもの」であるという商品の品質を表示したものと認識するにすぎない。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、当該商標に接する需要者は、その商品が、「チベットに生息するトラの柄のもの」又は「チベット絨毯のトラ柄のもの」であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものと理解するにすぎず、また、「チベットに生息するトラの柄の商品」又は「チベット絨毯のトラ柄の商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年4月27日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲1及び別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の意見
請求人は、審尋に対し、令和5年6月7日付け意見書(以下「当審意見書」という。)を提出し、要旨、以下1及び2のとおりの意見を述べた。
1 本願商標は「Tibet Tiger」という一つの意味合いを生じる一種の造語を表したものとして認識されるものであり、本願の指定商品に使用したとしても、これに接する需要者は、単に商品の品質を表示したものとして認識するとは考えられないことから、自他商品の識別標識として十分に機能を果たし得るものであり、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない。
2 請求人は、本願商標をその指定商品に使用した実績があり、審尋で提示されたウェブサイトや第三者よりも先に使用して、今日の信用形成に貢献したものであるから、本願商標に関して商標登録を受ける権利がある。
第5 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「Tibet Tiger」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Tibet」の文字は、「チベット≪中国南西部の地方.現在は自治区.≫」(「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」株式会社大修館書店)の意味を有する英語であり、「Tiger」の文字は「トラ」(前掲書)の意味を有する英語であるから、本願商標は、構成全体として「チベットのトラ」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、別掲1のとおり、本願の指定商品中の「じゅうたん,敷物,ラグ」との関係において、チベットやネパールは、じゅうたんの生産地及び販売地として世界的に知られており、じゅうたんは、チベット民族の伝統的な手工芸品であって、チベット民族や、ネパールに在住しているチベット難民によって手織りされているじゅうたんを「チベットじゅうたん」と称されていること、また、別掲2のとおり、「チベットじゅうたん」の中でもトラのモチーフは、位の高い僧侶のためにつくられていたことから由緒あるものといわれ、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模した「チベットじゅうたん」は、生産地及び販売地の地域を表す語(チベタン(Tibetan)、チベット(Tibet))とトラを意味する「Tiger(タイガー)」とを組み合わせて「Tibetan Tiger (Rug)」、「チベタンタイガー(ラグ)」又は「チベットタイガー(カーペット)」などと称されていることが認められる。
そうすると、「Tibet Tiger」の文字よりなる本願商標をその指定商品中「チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模したじゅうたん,チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模した敷物,チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模したラグ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の産地又は販売地、品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の「じゅうたん,敷物,ラグ」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、当審意見書にて、本願商標は「Tibet Tiger」という一つの意味合いを生じる一種の造語を表したものとして認識されるものであり、本願の指定商品に使用したとしても、これに接する需要者は、単に商品の品質を表示したものとして認識するとは考えられないことから、自他商品の識別標識として十分に機能を果たし得るものであり、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「じゅうたん,敷物,ラグ」との関係においては、チベット民族や、ネパール在住のチベット難民によって手織りされているじゅうたんのことを「チベットじゅうたん」と称されていること、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模した「チベットじゅうたん」を「Tibetan Tiger (Rug)」、「チベタンタイガー(ラグ)」又は「チベットタイガー(カーペット)」などと称されていることからすると、「Tibet Tiger」の文字よりなる本願商標をその指定商品中「チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模したじゅうたん,チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模した敷物,チベットで生産又は販売される、トラの図柄を描いた、あるいは、トラの形状を模したラグ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、自他商品の識別標識とは認識しないものであり、上記商品以外の「じゅうたん,敷物,ラグ」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあると判断するのが相当である。
(2)請求人は、当審意見書にて、同人は本願商標をその指定商品に使用した実績があり、審尋で提示されたウェブサイトや第三者よりも先に使用して、今日の信用形成に貢献したものであるから、本願商標に関して商標登録を受ける権利がある旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した資料1ないし資料5を確認しても、請求人が本願商標を第三者よりも先に使用して信用形成に貢献したと客観的に認めることはできず、仮に請求人の主張のとおり、請求人が本願商標を第三者よりも先に使用していたとしても、上記1のとおり、本願商標は自他商品の識別力を有さないものと判断するのが相当である。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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