商標拒絶査定不服審判
2022-014387
バイオクラスター、クラスター
- 審判番号
- 2022-014387
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-034153
- 請求日
- 2022年09月12日
- 審決日
- 2025年01月24日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大島 康浩
- 審判官 大島 勉
- 分類
- T18 .16 -Z (W010305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 34153拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年3月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月8日付け :拒絶理由通知書
令和3年12月22日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年6月1日付け :拒絶査定
令和4年9月12日 :審判請求書の提出
令和6年10月21日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「バイオクラスター」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願され、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「バイオクラスター」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、産業クラスターの一つで、医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集中的に立地している地域を指すものである。また、日本全国に数多くのバイオクラスターが存在する実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記意味合いを認識するにすぎず、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 職権証拠調べに対する請求人の意見
上記4の「証拠調べ通知」に対して、請求人からは意見、応答はなかった。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「バイオクラスター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「バイオ」の文字は、「生体・生物体・生物などを意味する接頭辞。」の意味を有し、また、「クラスター」の文字は、「同種のものが集まってつくる一団・群れ。」等(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語である。
そして、「バイオクラスター」の語は、別掲2の原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、「産業クラスターの一つで、医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集積する地域」を意味し、本願の指定商品を取り扱う業界において、高度な知識や技術を持った企業や大学等の研究機関が集積した地域を表すものとして使用されており、当該地域において、医療、食品及び農業分野等に関連した新しい商品・技術の研究開発や新規ビジネスの創出を行っている実情がある。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として、「医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集積する地域」を認識、理解させるというのが相当である。
そうすると、本願商標を、医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集積する地域において研究開発等された商品に使用しても、これに接する需要者等は、前記意味合いに係る商品を理解させるにとどまるのであるから、これをその指定商品に使用したとしても自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえない。
したがって、本願商標をその指定商品に使用する場合には、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、構成中の「バイオ」及び「クラスター」の各文字が、さまざまな意味合いを有し、「バイオ」あるいは「クラスター」の文字と他の文字が結合した語が数多く存在するにも関わらず、「バイオクラスター」の語は、国語辞典等に掲載されていないことから、当該文字は、普遍的かつ広範に使用されておらず、一般的になじみがない旨、また、「バイオクラスター」の文字は、商品の品質を直接的に表示することのない一種の造語であり、「医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集中的に立地している地域」の意味合いで商品の宣伝・広告のために使用されているとは認識されることはない旨主張する。
しかしながら、本願商標に係る指定商品の取引者、需要者が「バイオクラスター」に接した場合、「バイオ」及び「クラスター」から生ずる複合語を想起したり、国語辞典等の一般的な辞書に掲載されていないことから、なじみのない語であると認識するというよりは、上記(1)のとおり、当該業界において、「バイオクラスター」の文字が「高度な知識や技術を持った企業や大学等の研究機関が集積した地域」を意味する語として使用されている実情を踏まえると、本願商標は全体として一種の造語というよりは、「医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集積する地域」程の意味合いを理解すると考えるのが相当である。
また、本願商標が前記意味合いで商品の宣伝・広告のために使用されているとは認識されないと主張する点については、商標法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであるから、そのことのみをもって本願商標の同項同号該当性の判断が左右されるものではない。
したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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