商標拒絶査定不服審判
2022-014280
シューカツカミシバイ、シューカツ
- 審判番号
- 2022-014280
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-004501
- 請求日
- 2022年09月12日
- 審決日
- 2023年08月29日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】馬渡 初代
- 【請求人代理人】茅島 真吾
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -WY (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 4501拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年1月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月21日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月 6日 :意見書の提出
令和4年 9月 1日付け:拒絶査定
令和4年 9月12日 :審判請求書の提出
令和5年 6月22日付け:審尋
令和5年 7月 1日 :回答書及び手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「終活紙芝居」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載の商品を指定役務として登録出願されたものであるが、指定役務については、上記1の当審における手続補正書により、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「終活紙芝居」と横書きしてなるところ、「終活」は「人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること」を、「紙芝居」は「物語を何枚かの絵にして、劇的に説明を加えていくもの。」を、それぞれ意味する。また、指定役務の分野では、終活のセミナーが行われており、それらの中には終活を紙芝居で説明することが行われ、「終活紙芝居」の語が使用されている実情もあるから、本願商標全体としては、「終活を紙芝居で説明すること」程度を認識させる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、終活を紙芝居で説明することに関する役務であることを理解するにとどまり、本願商標は、単に役務の質・特徴を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、請求人に対し、ウェブサイト情報を提示しつつ、以下のとおりの見解を示す上記1の審尋を通知し、これに対する回答を求めた。
本願商標は、「終活紙芝居」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「終活」の文字は「人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。」の意味を有し、「紙芝居」の文字は「物語を何枚かの絵にして、劇的に説明を加えていくもの。」の意味を有する語(いずれも(「デジタル大辞泉」株式会社小学館))としていずれも一般に親しまれた語である。
そして、本願の指定役務に関する分野では、終活を内容とするセミナーや講座が開催されており、当該セミナーや講座において、紙芝居を用いて終活の内容を説明するものが存在しているところ、それらの中には、「終活紙芝居」の語が使用されていることがうかがえる。
また、紙芝居を用いたセミナーや講座は、終活以外にも、成年後見人制度や認知症等を内容とするものもあり、そのような紙芝居を用いたセミナーや講座の講師を養成する講座も開催されている事実が見受けられる。
以上の内容を踏まえると、本願の指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」において、高齢者等を対象にする場合には、その内容を理解しやすいように紙芝居を用いていることは少なくないものと理解できる。加えて、交通安全、防災、家族信託及び認知症を内容とした紙芝居が、それぞれ「交通安全紙芝居」、「防災紙芝居」、「家族信託紙芝居」及び「認知症紙芝居」のように指称されている事実も見受けられる。
そうすると、本願商標を、その指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、請求人の提供に係る役務であることを認識、理解させるよりも「終活を内容とする紙芝居を使用した役務」、「終活を内容とする紙芝居」であるという役務の質、提供の方法を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、自他役務を識別する標識としては機能し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質、提供の方法を普通に用いられる方法で表示してなる標章からなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
5 審尋に対する請求人の回答
上記4の審尋に対し、請求人は、上記1の回答書において、手続補正書により、上記4に該当する指定役務を削除するとともに、当該補正により、商標法第3条第1項第3号の拒絶理由は解消した旨を述べた。
6 当審の判断
本願商標は、「終活紙芝居」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成全体より「終活を内容とする紙芝居」ほどの意味合いを理解させるとしても、上記2のとおり補正された指定役務との関係においては、役務の質(内容)を直接的かつ具体的に表したものと認識、把握されるとはいい難いものである。
また、当審において職権をもって調査したところ、補正後の本願の指定役務を取り扱う業界において、「終活紙芝居」の文字が、役務の質(内容)を直接的かつ具体的に表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を役務の質(内容)等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標を補正後の指定役務に使用しても、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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