商標拒絶査定不服審判
2022-014148
コンカツスタートメンダン
- 審判番号
- 2022-014148
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-072056
- 請求日
- 2022年09月08日
- 審決日
- 2023年11月02日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社リクルート
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W45)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 72056拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年6月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月 1日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月11日 :意見書の提出
令和4年 6月 1日付け:拒絶査定
令和4年 9月 8日 :審判請求書の提出
令和5年 7月20日付け:審尋
令和5年 9月 6日 :回答書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「婚活スタート面談」の文字を標準文字で表してなり、第45類に属する願書記載の役務を指定役務として登録出願され、その後、指定役務については、当審における前記1の手続補正書により、別掲1の役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「婚活スタート面談」と標準文字(普通に用いられる方法)で表してなるところ、「婚活」の文字は「結婚相手を探すための活動」、「スタート」の文字は「動き出すこと。始まること」、「面談」の文字は「会って直接に話すこと」の意味をそれぞれ有するから、本願商標はその構成全体から「結婚相手を探すための活動を始める面談」ほどの意味合いを容易に想起させる。そして、インターネット情報によれば、複数の結婚相談所において、婚活を始める際に、婚活方法のアドバイスを行うような面談を実施している状況が伺える。そうすると、本願商標を本願商標に係る指定役務中、第45類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,結婚または交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,交際または交友希望者に関する情報の提供,インターネット上でのウェブサイトを通じた一般利用者向けの友達探し及び紹介のための情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供に関する情報の提供,個人に関する情報の提供,インターネットの電子掲示板を用いたプロフィール・日記等の個人に関する情報の提供,身の上相談」等に使用しても、これに接する需要者・取引者は、「結婚相手を探すための活動を始める面談を行う役務、そのような面談に関する役務」と認識するにすぎず、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲2及び別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)審尋では、「婚活スタート面談」に関するインターネット上の使用例を3件ほど(うち1件は閲覧することができないから、実質的には2件である。)挙げているが、2件の使用例は、いずれも単なる文中での表記に過ぎず、役務の内容を表示するものとして表記されているものではないから、これに接する取引者、需要者は、むしろ請求人の創出に係る造語であるものと理解、把握するものといわなければならない。
(2)本願商標に接する需要者又は取引者は、本願の指定役務の内容を直接的に看取し得ないことはおろか、間接的に暗示することさえできないから、本願商標は、その指定役務の内容を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいい得ない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表記記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・同53年(行ツ)第129号参照)。そうすると、出願に係る商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決の時点において、当該商標が当該役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質等を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標の取引者、需要者によって当該役務に使用された場合に役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和4年1月25日第3部判決・同3年(行ケ)第10113号参照)。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決の時点において、本願商標が、その指定役務との関係で、その役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定役務の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。
以上を前提に、本願商標と、その指定役務との関係における同号該当性について検討する。
イ 本願商標は、前記2のとおり、「婚活スタート面談」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「婚活」の文字は「結婚相手を探すための活動。」の意味を、「スタート」の文字は「動き出すこと。始まること。」の意味を、「面談」の文字は「会って直接に話すこと。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)としていずれも一般に親しまれた語であるから、その構成文字全体より「婚活スタートの面談」、つまり「結婚相手を探すための活動を始める面談」の意味合いを容易に認識し得る。
ウ そして、本願の指定役務に関しては、結婚相談所等を運営する業界において、婚活を始めることを「婚活スタート」のように指称し、婚活をスタートするにあたって面談を行うことが一般的なものであることは、原審で示した事実及び別掲2より認められる。
また、婚活をスタートするにあたって行う面談を「婚活スタート面談」と指称し使用されている事実も少なからず見受けられる(別掲3)。
エ そうすると、本願商標を構成する「婚活」、「スタート」及び「面談」の各語の意味(上記イ)に加え、本願の指定役務に関する結婚相談所等を運営する業界における「婚活スタート」及び「面談」の語の用例(上記ウ)に照らすと、「婚活スタート面談」の文字からなる本願商標を、その指定役務中「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,結婚または交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,交際または交友希望者に関する情報の提供,インターネット上でのウェブサイトを通じた一般利用者向けの友達探し及び紹介のための情報の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成全体をもって「婚活(結婚相手を探すための活動)をスタート(始める)する際に行う面談」の意味合いを表したもの、すなわち、提供される役務の内容(質)を表示したものと認識するにとどまり、これを役務の出所を表示する標識又は自他役務の識別標識として認識することはないというべきである。
そして、本願商標は「婚活スタート面談」の文字を標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
してみれば、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、審尋における、「婚活スタート面談」に関する2件の使用例は、いずれも単なる文中での表記に過ぎず、役務の内容を表示するものとして表記されているものではないから、これに接する取引者、需要者は、寧ろ請求人の創出に係る造語であるものと理解、把握し、本願の指定役務の内容を直接的に看取し得ないことはおろか、間接的に暗示することさえできないから、本願商標は、その指定役務の内容を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいい得ない旨主張する。
しかしながら、上記(1)アのとおり、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定役務の質を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、役務の質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解される。本願商標についても、たとえ「婚活スタート面談」の文字そのものが、本願の指定役務に使用されている事実が少数であるとしても、そのことが本願商標に係る商標法第3条第1項第3号該当性の判断に影響を与えるものとはいえない。そして、「婚活スタート」及び「面談」の各語が、本願の指定役務に関する分野において、それぞれ一般に広く使用されている実情があることに加え、本願商標が、これらの語を単に結合させたにすぎないものであることをあわせて検討すれば、本願商標は、その指定役務中、「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,結婚または交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,交際または交友希望者に関する情報の提供,インターネット上でのウェブサイトを通じた一般利用者向けの友達探し及び紹介のための情報の提供」との関係において、これに接する取引者、需要者に「婚活(結婚相手を探すための活動)をスタート(始める)する際に行う面談」を意味するものとして容易に認識され得ると判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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