商標拒絶査定不服審判
2022-014127
コーノードウドンハイスイショリシセツ
- 審判番号
- 2022-014127
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-109578
- 請求日
- 2022年09月08日
- 審決日
- 2023年09月22日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社CNT
- 【請求人代理人】洲崎 竜弥
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-109578拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「高濃度うどん排水処理施設」の文字を標準文字にて表してなり、第11類「うどんのゆで汁を微生物を活用して浄化処理する装置,業務用排水処理装置,汚水浄化槽,排水の処理用バイオリアクター」を指定商品として、令和3年8月20日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月30日付けで拒絶理由の通知がされ、同年5月17日受付で意見書が提出されたが、同年6月13日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年9月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「高濃度うどん排水処理施設」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中の「高濃度」の文字は「一定量の液体や気体などに含まれている成分の割合が高いこと。」を意味する語であり、「うどん」の文字は「小麦粉に少量の塩を加え、水でこね、薄く延ばして細く切ったものをゆでた食品。」を意味する語として広く使用されているものである。また、構成中の「排水処理施設」の文字は、「排水を処理する施設」を意味するものであるから、本願商標の構成全体からは「高濃度のうどん排水を処理する施設」の意味合いが容易に生じる。そして、本願の指定商品に関する業界においては、うどん店からの排水の濃度が比較的高く、その処理が環境面で課題となっていることや、排水処理のための施設が求められている実情がうかがえる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、うどんの製造過程で排出される汚れの度合いが高い水を処理する設備、又は、当該設備で使用される商品であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「高濃度うどん排水処理施設」の文字を標準文字にて表してなるところ、その構成文字及び意味合いから、「高濃度のうどんの排水を処理する施設(設備)」ほどの意味合いを容易に認識することができるものである(別掲1(1)参照)。
ところで、別掲1(2)によれば、本願の指定商品に関する業界において、うどん店からの排水の濃度が比較的高く、その処理が環境面で課題となっていることや、排水処理のための施設が求められている実情が認められ、また、当審における職権調査からも、同様の実情をうかがい知ることができる(別掲2)。
そして、本願の指定商品は、上記1のとおり、「うどんのゆで汁を微生物を活用して浄化処理する装置」等、いずれも排水処理等に関連した商品である。
そうすると、「高濃度うどん排水処理施設」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「高濃度のうどんの排水を処理する施設(設備)」であることを認識するにとどまり、当該商品が当該設備であること、又は当該施設で使用される商品であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)本願商標の使用による自他商品の識別性について
請求人は、審判請求書において、本願商標を付した商品(以下「本商品」という。)を継続的に製造・販売していると主張し、その主張を証明するための証拠を提出しているので、以下に判断する。
ア 請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)請求人は、処理槽内に設置されたバイオリアクターで土壌菌群を誘導・培養することにより、有機物の分解・浄化を行う「自然浄化法リアクターシステム」を利用し、平成16年11月に、香川県うどん店排水処理開発支援事業に選定された(甲3)。
(イ)請求人は、前記(ア)の支援を受けて、前記(ア)のシステムを利用した「高濃度うどん排水処理装置」と称する商品(以下「請求人商品」という。)を開発した(甲5、請求人の主張)。
(ウ)請求人商品は、タンク状の形状をしており、その側面には、本願商標が表示されている(甲9)。
(エ)請求人商品の販売実績数は、平成19年から令和4年4月までの間に97件である(請求人の主張)。
(オ)KSB瀬戸内海放送が2021年(令和3年)8月22日に放送した「高校生と見つける、私たちのSDGs」において、請求人商品が取り上げられた(甲10、甲11、請求人の主張)。
(カ)「FNNプライムオンライン」と称するウェブサイト及び「ねとらば」と称するウェブサイトにおいて、請求人商品に関する記事が紹介されている(甲12、甲13)。
イ 前記アで認定した事実によれば、請求人は、香川県からの支援を受けて、「自然浄化法リアクターシステム」を利用した請求人商品を開発し、請求人商品の側面には本願商標が表示されており、請求人商品の販売実績数は一定程度あり、請求人商品がテレビ番組で取り上げられたり、ウェブサイトに請求人商品に関する記事が掲載されたりしていることが認められる。
しかしながら、請求人商品の販売実績数は殊更に多い数とはいえず、テレビ番組やウェブサイトの記事で取り上げられた件数も僅かであり、テレビ番組では、具体的にどのように取り上げられたのかも不明である。
そうすると、本願商標は、使用により自他商品の識別力を獲得したものとは到底いえない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中「うどん排水」の語が漠然とした意味合いであること、「高濃度のうどん排水」の語が何を意味するのか不明確であることの2つの理由より、本願商標が造語、または意味合いが曖昧なものとして認識される旨主張する。
しかしながら、別掲1(2)及び別掲2のとおり、うどん店からの排水の濃度が高く、その処理が環境面で問題になっている等の実情があること、また、上記(1)のとおり、本願商標を構成する文字の意味及び取引の実情を考慮すれば、「高濃度うどん排水処理施設」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「高濃度のうどんの排水を処理する施設(設備)」であることを認識するにとどまり、当該商品が当該設備であること、又は当該施設で使用される商品であること、すなわち、商品の品質を表したものとして認識するにすぎないものであるから、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、排水処理技術を手掛ける会社は、「うどん店排水処理対策マニュアル」(甲8)上、請求人含め4社しかおらず、競合する他社が販売する可能性及び新規参入する企業が現れる可能性は極めて低い旨、また、取引上、本願商標を使用しているのは請求人のみである旨主張する。
しかしながら、そのような実情があるとしても、本件の判断が左右されるものではない。
ウ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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