商標拒絶査定不服審判
2022-014074
カンズメグランプリ、グランプリ
- 審判番号
- 2022-014074
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-090037
- 請求日
- 2022年09月07日
- 審決日
- 2023年05月23日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】松江 慎太郎
- 【請求人代理人】松尾 憲一郎
- 【請求人代理人】市川 泰央
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .13 -WY (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-90037拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年12月20日付け:拒絶理由通知
令和4年 2月16日 :意見書の提出
令和4年 6月 3日付け:拒絶査定
令和4年 9月 7日 :審判請求書、手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、「缶詰グランプリ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「肉の缶詰,魚の缶詰,果実の缶詰及び瓶詰」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「缶詰グランプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「缶詰」の文字は、本願の指定商品を表す語であり、「グランプリ」の文字は、「コンテストなどで最優秀者に与えられる賞」又は「コンテストそのもの」を意味する語として慣れ親しまれているものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野においては、缶詰のグランプリが開催されていることに加え、優秀な賞を受けた商品について、「缶詰グランプリ」の語が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が缶詰のグランプリに係る商品であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に当たり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
本願商標は、前記2のとおり、「缶詰グランプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「缶詰」の文字は「加工した魚・肉類または果物・野菜類などの食品をアルミやブリキなどの缶に詰めて脱気・密封し、加熱殺菌して長く貯蔵できるようにしたもの。」の意味を、「グランプリ」の文字は「最高位の賞。大賞。」の意味をそれぞれ有する語(いずれも「広辞苑 第七版」(岩波書店)から引用。)として、一般に知られているものである。
ところで、当審において職権をもって調査したところ、(1)「グランプリ」の文字は、例えば「F1グランプリ」(競技用自動車の世界選手権レース)や、「グランプリファイナル」(フィギュアスケートの国際競技大会)のほか、「技能グランプリ」(国内の一級技能士等が競う大会)、「M-1グランプリ」(若手漫才師の漫才コンテスト)、「モンストグランプリ」(ゲーム「モンスターストライク」の国内No.1チームを決める大会)のように、興行の企画・運営又は開催等の役務を提供する分野において、競技会や大会、コンテスト等の名称を表すものとして使用されている事実、また、(2)昭和26年(1951年)に、映画「羅生門」(黒沢明監督)がベネチア国際映画祭において最高賞を受賞した際に、「グランプリ受賞」と報道されて以降、我が国の様々な大会、コンテスト等(例えば、日本のミス・コンテスト「ミス日本」、ショートショート及び短篇小説の公募文学賞「星新一賞」など。)において、最高賞を表すものとして「グランプリ」の文字が使用され、グランプリを受賞した人物、作品、商品等は「グランプリ受賞」、「グランプリ獲得」などと報道されている事実が認められた。
そして、原審において提示された情報(別掲参照)によれば、食に関する展示会で開催される「ご当地フードグランプリ」にて、2015年は「ご当地缶詰グランプリ」の名称でイベントが開催され、当該イベントにおいて金賞等を受賞した商品の紹介に当たり、それぞれ、「「全国ご当地缶詰グランプリ」では金賞を受賞」、「「ご当地缶詰グランプリ」において「金賞・ご当地性審査賞・味の評価審査賞」という3つの賞を受賞」、「ご当地缶詰グランプリ金賞受賞」のように、イベントの名称と、そのイベントにおいて何らかの賞を受賞した、という記載がされていることは認められたものの、本願の指定商品を取り扱う業界において、「缶詰グランプリ」の文字のみが、商品の具体的な品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、何らかの缶詰に関する大会名を認識させる場合があるとしても、本願の指定商品「肉の缶詰,魚の缶詰,果実の缶詰及び瓶詰」との関係においては、原審説示の意味合いを直ちに認識させるとはいい難く、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものということはできないから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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