商標拒絶査定不服審判
2022-013874
マッテハード、マットハード、ハード、マッテ、マット
- 審判番号
- 2022-013874
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-121341
- 請求日
- 2022年09月05日
- 審決日
- 2023年12月04日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社リップス
- 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .272-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-121341拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月14日 :刊行物等提出書
令和4年 4月 5日付け:拒絶理由通知書
令和4年 5月19日 :意見書の提出
令和4年 6月20日付け:拒絶査定
令和4年 9月 5日 :審判請求書の提出
令和5年 8月29日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「matte hard」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,ヘアワックス,ヘアシャンプー,ヘアコンディショナー,ヘアトリートメント,香水,香料,薫料,ネイルエナメル,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,化粧用綿棒,せっけん類,歯磨き,口臭用消臭剤,つや出し剤」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「matte hard」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「matte」の文字は「光沢のないさま。つや消しにしたさま。」等の意味を有する語であり、「hard」の文字は「堅いさま。堅牢であるさま。また、そのようなもの。」等の意味を有する語である。そして、本願の指定商品に係る分野においては、髪などに光沢・つやがない質感を与えるような商品について、「matte」の表音である「マット」の文字が使用されている実情があり、また、強いセット力などにより硬い質感を与えるような商品について、「hard」の表音である「ハード」の文字が使用されている実情が認められる。さらに、当該分野においては、光沢・つやがない質感及び硬い質感を与えるような商品について、「matte hard」の表音である「マットハード」の文字が使用されている実情も見受けられる。そうとすれば、本願商標をその指定商品のうち、第3類「化粧品,ヘアワックス,ヘアシャンプー,ヘアコンディショナー,ヘアトリートメント,香水,ネイルエナメル,せっけん類」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が、「光沢・つやがない質感及び硬い質感を与える商品」であること、すなわち、単に商品の品質(効能・用途等)を理解、認識するにすぎないというべきであるから、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについての暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「matte hard」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「matte」の文字は「<表面が>光沢がなくくすんだ」(「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)、「光沢のないさま。つや消しにしたさま。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を、「hard」の文字は「<物が>かたい」(「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)、「堅いさま。堅牢であるさま。また、そのようなもの。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を有する語として一般に知られ親しまれているものである。
そして、本願の指定商品との関係において、ヘアスタイリング剤を取り扱う業界では、「matte」の文字及び該文字の読みを表した「マット」の文字は、光沢・ツヤのない質感になることを意味する語として、また、「hard」の文字及び該文字の読みを表した「ハード」の文字は、ヘアスタイルが崩れない堅い仕上がりになる商品を意味する語として、それぞれ使用されている事実が見受けられる(原審証拠及び別掲)。加えて、これらの文字を一連に書した「matte hard」、「マットハード」の文字、「&」や接続詞の「で」等で結合した「マット&ハード」、「マットでハード」等の文字が、光沢・ツヤのない質感であって、かつ堅い仕上がりになることを示す語として少なからず使用されている。
このような状況を踏まえると、「matte」及び「hard」の文字をスペースを介して一連に書したにすぎない本願商標を、その指定商品中「化粧品,ヘアワックス,ヘアシャンプー,ヘアコンディショナー,ヘアトリートメント」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「光沢・ツヤのない質感、ヘアスタイルが崩れない堅い仕上がりになる商品」という商品の品質、効能を表示したものと認識、理解させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を「光沢・ツヤのない質感、ヘアスタイルが崩れない堅い仕上がりになる商品」以外の前記商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、構成中に「matte」や「hard」の文字を含む商標に係る過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものである。そして、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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