商標拒絶査定不服審判
2022-013733
ナスシステム、エヌエイエスシステム、ナス、エヌエイエス
- 審判番号
- 2022-013733
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-072858
- 請求日
- 2022年09月01日
- 審決日
- 2024年02月14日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Regalo
- 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 【請求人代理人】宮崎 超史
- 【請求人代理人】土野 史隆
- 【請求人代理人】小林 健一郎
- 【請求人代理人】眞田 忠昌
- 【請求人代理人】辻本 依子
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W42) / T18 .272-Z (W42)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-72858拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「NASシステム」の文字を標準文字で表してなり、第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、令和3年6月11日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年1月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月24日に意見書が提出されたが、同年6月22日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年9月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定役務については、当審における同日受付及び同6年1月9日受付の手続補正書の提出により、最終的に、第42類「オンラインショッピングサイトへの出品管理用電子計算機用プログラムの提供(ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置に関するものを除く。),オンラインによるオンラインショッピングサイトへの出品管理用アプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)(ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置に関するものを除く。),オンラインショッピングサイトへの出品管理用電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置に関するものを除く。)」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「NASシステム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「NAS」の文字は、「コンピュータネットワークに接続して利用する外部記憶装置」を意味する「ネットワークアタッチトストレージ(Network Attached Storage)」の略称であり、「システム」の文字は、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。」の意味を有する語として、広く一般に用いられている。そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、「NASシステム」の文字は、「NAS(ネットワークアタッチトストレージ)を用いたシステム」の意味を有する語として使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、例えば「ネットワークアタッチトストレージを用いたシステム用の電子計算機用プログラムの提供」等の、「ネットワークアタッチトストレージを用いたシステムに関する役務」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表したものと認識するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年11月29日付け審尋により、別掲(1)ないし(3)に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、相当の期間を指定した上で、請求人に対し意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記第3の審尋に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格又は提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定役務の取引者、需要者によって役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(平成26年(行ケ)第10056号判決)。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本願商標を構成する文字の語義や使用状況等について
ア 本願商標は、「NASシステム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「NAS」の文字部分は、別掲(1)で示すとおり、「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」を意味する語(「Network Attached Storage」の略)である。
イ また、「NAS」の文字に、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。仕組み。」を意味する「システム」の語を結合した「NASシステム」の文字は、別掲(2)で示す事例によれば、「NAS」を言い換えたものにすぎず、「NAS」や「NASデバイス」等と同義の語として使用されている実情がうかがえる。
そうすると、「NASシステム」の文字は、「NAS」と同様に、「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」の意味を理解させるものである。
ウ さらに、別掲(3)で示す事例に見られるとおり、NAS上での動画の閲覧や再生、写真の管理や編集、音楽の保存や再生、NASの初期化や制御、NAS上のファイルの閲覧や管理、共有といったものから、ブログの作成や電子帳簿といった特殊な用途のもの等、NASの操作や、NASの利便性向上に資すること等を目的とした多様なアプリケーションソフトウェアが作成され、「NAS」の取引者、需要者によって取引、利用されている実情をうかがうことができる。
(2)判断
本願商標は、前記第1のとおり、「NASシステム」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章からなる商標である。
そして、その構成中の「NAS」の文字は、上記(1)アのとおり、「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」を意味する語である。
また、上記(1)イのとおり、「NASシステム」の文字は、「NAS」と同義の語として使用されていることから、「NAS」と同様に、「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」の意味を理解させるものである。
さらに、上記(1)ウのとおり、NASの操作や、NASの利便性向上に資すること等を目的とした多様なアプリケーションソフトウェアが、市場において流通している実情がある。
そうすると、「NASシステム」の文字よりなる本願商標を、本願の補正後の指定役務に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、本願商標が「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」を意味するものであって、前記役務が、当該装置を内容とした又は当該装置に使用されるアプリケーションソフトウェア等の提供や設計等であること、すなわち、役務の質や用途を表したものと理解するにとどまるというべきであるから、本願商標は、役務の質や用途を表示、記述する標章であって、取引に際し必要な表示として誰もがその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとして、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標が「NAS」(ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置)と関連のない役務に使用される場合には、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 補正後の指定役務との関係について
請求人は、前記第1のとおり、本願商標の指定役務を、全て「(ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置に関するものを除く。)」と、限定する補正をしたものである。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、その指定役務との関係で役務の質、用途を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定役務の取引者、需要者によって役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、本願商標を、補正後の指定役務に使用した場合であっても、指定役務の取引者、需要者は、本願商標を構成する文字から、上記2(2)のとおり、「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」の意味合いを理解するものであるから、本願商標は、役務の質や用途を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるとともに、何人もその使用を欲するものであることに変わりはないというべきである。
また、本願商標を、補正後の指定役務に使用をした場合、その指定役務が、恰も「ネットワークに直接接続して使用する外部記憶装置」を内容とした又は当該装置に使用されるアプリケーションソフトウェア等であるかのごとく、その役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
したがって、上記補正によって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しなくなったということはできない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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