商標拒絶査定不服審判
2022-013704
バリレスメントリ
- 審判番号
- 2022-013704
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-018470
- 請求日
- 2022年09月01日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ジーベックテクノロジー
- 【請求人代理人】河内 幸雄
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W0708) / T18 .272-Z (W0708)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 18470拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年2月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月19日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月 7日 :意見書の提出
令和4年 5月25日付け:拒絶査定
令和4年 9月 1日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「バリレス面取り」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械器具,切削工具」及び第8類「皮砥,鋼砥,砥石,手動利器,切削工具類(手持ち工具に当たるものに限る。)」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「バリレス面取り」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バリ」の文字は「鋳造、射出成形、金属加工等の際に生ずる不要な突起」、「レス」の文字は「…のない」、「面取り」の文字は「工作物の角または隅を斜めに削ること」の意味を有する語として、それぞれ一般的に知られているものであり、本願商標は全体として「バリのないように面取りすること」ほどの意味合いを認識させるというのが相当であって、実際に、本願の指定商品を取り扱う業界において、バリのないように面取りをすることができる商品の取引が行われている実情が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「バリのないように面取りをすることができる商品」であることを認識させるにとどまるものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示した標章といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「バリレス面取り」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「バリレス」の文字と「面取り」の文字とを結合してなるものと、容易に理解できるものである。
そして、その構成中「バリレス」の文字は、「鋳造の際に、鋳型の継目から金属がはみ出して生じた不要な部分。金属などの加工面の縁に生ずる不要な突起」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する「バリ」の語と、「(名詞について)・・・のない」(出典:「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)などを意味する英語「less」の読みを片仮名で表した「レス」の文字とを組み合わせてなるものと、容易に理解できるものであって、これよりは「バリのない」ほどの意味合いが看取し得るものであり、実際、原審提示の情報や、別掲1の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野において、「バリがないこと(バリの発生が抑制されること)」を「バリレス」と表現している実情が認められる。
また「面取り」の文字は「角部を削り落とす加工。」(出典:「マグローヒル科学技術用語大辞典 改訂第3版」株式会社日刊工業新聞社)を意味する語として広く使用、理解されているものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、バリを発生させないで面取り加工を行うことは技術的な課題とされており、別掲1(1)及び(2)並びに別掲2の情報にあるように、当該課題に対応し、「バリを発生させない(バリの発生を抑制する)」ことをうたう「面取り」関連の商品が製造、販売等されている事実が認められる。
以上のことを総合的に勘案すれば、本願商標よりは、「バリの発生しない面取り」ほどの意味合いが容易に認識し得るものといえ、これをその指定商品に使用した場合、それに接する取引者、需要者は、その商品が「バリの発生しない(バリの発生が抑制される)面取り加工を行うことのできる商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものであると理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標を、その指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「バリレス面取り」の文字は、請求人が創り出した造語であり、現在、「バリレス面取り」の文字を使用しているのは、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人だけであって、商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実を確認することはできず、将来的に商品又は役務の特徴等を表示するものとして用いられる蓋然性も小さい旨主張する。
しかしながら、「バリレス面取り」の語が一般的に使用されているものではないとしても、上記(1)のとおり、「バリがないこと(バリの発生が抑制されること)」を「バリレス」と表現している実情が認められること、及び、「バリを発生させない(バリの発生を抑制する)」ことをうたう「面取り」関連の商品が製造、販売等されている事実が認められることからすれば、本願商標をその指定商品に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が「バリの発生しない(バリの発生が抑制される)面取り加工を行うことのできる商品」であることを表現した語であると容易に理解し、自他商品の識別標識としては認識しないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
イ 請求人は、米国において「バリレス面取り」の英語表記である「BurrlessChamfering」について商標登録出願を行ったところ、それについて米国特許商標庁は自他商品の識別力があると判断しており、同庁における当該判断を勘案すれば、原査定の判断が著しく客観的妥当性を欠くものであることは明らかである旨主張する。
しかしながら、請求人の提示する商標登録出願は、その商標が本願商標と態様が異なるうえ、そもそも、出願に係る商標が登録要件等を具備しているか否かについては、当該出願に係る国の法令及びその国の商取引の実情等に照らして判断がなされるべきものであるから、諸外国の商標審査事情をもって、本願商標が自他商品の識別機能を有するということはできない。
ウ 請求人は、過去の審決例を挙げ、それらに照らしても、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであると解されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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