2022-013696
エレベータ制御システム
- 審判番号
- 2022-013696
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-569617外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月01日
- 審決日
- 2023年06月19日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (B66B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)1月7日を国際出願日とする出願であって、令和4年4月21日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年5月18日に意見書が提出され、令和4年7月28日付けで拒絶査定(原査定)がされた。これに対し、令和4年9月1日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年7月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1、9及び10に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
第3 本願発明
本願の請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」~「本願発明10」という。)は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
[本願発明1]
「駆動部を制御することでかごを移動させる制御装置を備えるエレベータ制御システムであって、各階に設置され、各階の乗り場を撮像可能な第1カメラ及び第2カメラと、利用希望者の目及び目線を認識する映像解析部と、前記目線が向けられた前記第1カメラ又は前記第2カメラが設置されている階を停止階とし、前記第1カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を上方向とし、前記第2カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を下方向として、指示信号を生成する指示部とを備え、前記制御装置は、前記指示信号に基づき前記駆動部を制御することを特徴とするエレベータ制御システム。」
なお、本願発明2~10に係る発明は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には次の事項が記載されている(下線は、当審で付したものである。)。
「【0001】本発明は、乗場或いは行き先階の呼び登録を行うエレベータの呼び登録装置に関する。」
「【0004】本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、乗客が乗場或いは乗かご内に設けられた乗場呼び釦或いは行き先階階床釦を操作することなく呼びの登録を行うことのできるエレベータの呼び登録装置を提供することにある。」
「【0018】図1において、1はエレベータの乗場で、この乗場1には 階床扉2を備えた出入口枠3が設けられている。この出入口枠3には上昇,下降のいずれかの乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4A,4Bと、この乗場呼び釦4A,4Bの前に立つ乗客5の目の部分を撮像するカメラ6が設けられている。7は乗場床8に設けられた乗客5の立つ位置を明示するスペースである。」
「【0020】図3において、20はカメラ6,14で撮像した画像を処理する画像処理装置で、この画像処理装置20には、予め登録者の顔画像に関する情報がデータ化され登録されている。この情報とは、乗客5の顔の位置検出と個人認証用の顔の特徴点及び顔画像の濃度値(色情報)、目の位置検出用の目のテンプレート画像、視線方向判別用の目の特徴点及び虹彩データのことである。【0021】また、この画像処理装置20は、カメラ6,14で撮像した画像を、スペース7,15上に乗客がいるか、乗客の顔画像からの個人認証、呼び登録するための視線方向の検出、選択した呼びを決定するための瞼の状態判別を順次行い、呼び決定後の選択された呼びをエレベータの制御を司るエレベータ制御装置21に出力するようになっている。更に、 乗場呼び釦4A,4B或いは行き先階階床釦13が点灯するように構成されている場合は、呼びの出力と同時に点灯する乗場呼び釦或いは行き先階階床釦点灯装置22が設けられている。」
「【0024】ステップ3において、乗客5が登録者であると判別された場合、画像処理装置20は、カメラ6、14が撮像した顔画像から情報を抽出し登録データと比較して、乗客5が乗場呼び釦4a、4bの上下どちらに視線を向けているのか或いは乗りかご10内の行き先階階床釦13のどの釦(この例では1~6)に視線を向けているかを判別する(ステップ4)。一方、乗客5が登録者でないと判別された場合は、図4の処理ルーチンを終了する。」
「【0026】ステップ6において、画像処理装置20が乗客3の瞼が一定時間以上閉じていると判別した場合、瞼を閉じる直前に乗客5が視線を向けていた乗場呼び釦4a、4b或いは行き先階階床釦13の呼びが登録される(ステップ7)。一方、画像処理装置20が乗客3の瞼が一定時間以上閉じていないと判別した場合(、ステップ4の行先階判別処理に戻る。また、必要に応じ、画像処理装置20は乗場釦或いは階床釦点灯装置を作動させ、瞼を閉じる直前に乗客5が視線を向けていた乗場呼び釦4a、4b或いは行き先階階床釦13を点灯する。」
「【図1】[図:0001399134000001.jpg]」
【図1】より、乗場呼び釦4Aは、上昇の乗かごを呼ぶ釦であり、乗場呼び釦4Bは、下降の乗かごを呼ぶ釦であると認められる。
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「カメラ6と、画像処理装置20と、エレベータ制御装置21を備えたエレベータの呼び登録装置であって、上昇の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4Aと下降の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4Bと、この乗場呼び釦4A,4Bの前に立つ乗客5の目の部分を撮像する前記カメラ6がエレベータ乗場1の出入口枠3に設けられ、前記画像処理装置20は、前記カメラ6で撮像した画像を処理するもので、この画像処理装置20には、予め登録者の目の位置検出用のテンプレート画像、視線方向判別用の目の特徴点及び虹彩データが登録されており、前記画像処理装置20は、前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別し、呼びを決定し、呼び決定後の選択された呼びをエレベータ制御装置21に出力し、前記エレベータ制御装置21は、エレベータの制御を司るものである、エレベータの呼び登録装置。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0006】前記課題を解決するために、本発明は、複数のエレベータの昇降動作を制御するエレベータ制御システムにおいて、各階の複数のエレベータ乗降部毎に設けられ、エレベータ扉の周辺部に設けられた2台のカメラで捉えた顔画像を解析して両目の視線を非接触で検出する非接触視線検出装置と、各階の複数のエレベータ乗降部毎に設けられ、前記2台のカメラの左右外側に互いに離間して設けられた上向きマークおよび下向きマークと、前記非接触視線検出装置で検出されたエレベータ利用者の視線が前記上向きマークまたは前記下向きマークのいずれを視認しているかの情報に基づいてエレベータかごの昇降制御を行う昇降制御装置と、を備えており、・・・(以下、省略)」
「【0015】本実施形態に係るエレベータ制御システム1は、図1に示すように、複数のエレベータ2の昇降動作を制御するシステムである。複数のエレベータ2にはエレベータかご7を昇降させる昇降装置8がそれぞれ設けられている。エレベータ制御システム1は、非接触視線検出装置10と、上向きマーク31および下向きマーク32と、昇降制御装置30とを備えて構成されている。【0016】非接触視線検出装置10は、各階の複数のエレベータ乗降部3毎に設けられ、エレベータ扉4の周辺部に設けられた2台のカメラ11a,11bで捉えた顔画像を解析して両目の視線を非接触で検出する周知の装置(例えば、特開2005-198743号公報参照)である。非接触視線検出装置10は、2台のカメラ11a,11bと2個の光源(図示せず)を用いて両目の視線を同時測定する三次元視点計測装置である。非接触視線検出装置10は、2台のカメラ11a,11bに接続された画像処理演算部(図示せず)で、2台のカメラ11a,11bで捉えた両目を含む顔画像から三角測量により、視点の三次元位置を計測する。【0017】上向きマーク31および下向きマーク32は、各階の複数のエレベータ乗降部3毎に設けられている。2台のカメラ11a,11bは、エレベータ扉4を囲む三方枠4aの上枠4bの上方で、エレベータの間口方向中間部に設けられている。上向きマーク31および下向きマーク32は、2台のカメラ11a,11bと略同じ高さあるいは少し下で、2台のカメラ11a,11bの左右外側に互いに離間して設けられている。上向きマーク31は、エレベータ扉4を囲む三方枠4aの上枠4bの上方で向かって左端部近傍に設けられている。下向きマーク32は上枠4bの上方で向かって右端部近傍に設けられている。なお、上向きマーク31および下向きマーク32の左右位置は、これに限定されるものではなく、逆であってもよい。【0018】なお、2台のカメラ11a,11bの位置は、エレベータの間口方向中間部に限定されるものではなく、一方のカメラ11aを上向きマーク31の近傍に配置し、他方のカメラ11bを下向きマーク32の近傍に配置してもよい。このとき、カメラ11a,11bの位置は、上向きマーク31と下向きマーク32との間であってもよいし、上向きマーク31と下向きマーク32の外側であってもよい。また、例えば、カメラの撮影範囲(画角)が足りない場合や、エレベータの三方枠がエレベータホール壁面より奥にオフセットされている場合など、撮影範囲の死角ができてしまうときは、カメラの台数(カメラ11a,11bの組数)を増やす。エレベータの間口方向中間部に設けられたカメラは、顔の向きを読み取って視認する方向を判定する。」
「【0028】次に、本実施形態に係るエレベータ制御方法を、具体的な一例を挙げて説明する。エレベータ制御システム1は、複数のエレベータ利用者が、エレベータ乗降部3の側部に設けられているエレベータ呼びボタン9を、複数階または複数の方向で押した時点で作動する。つまり、ある一つの階の一方向への呼びボタン9のみが押された場合は、単純に、近くに止まっているエレベータかご7が呼ばれた階へと移動するだけであるが、エレベータかご7が到着する前に、他の方向あるいは他の階の呼びボタン9が押されると、エレベータ制御方法がスタートする。【0029】エレベータ制御方法は、まず、呼びボタン9が押された階のエレベータ乗降部3の前に立っているエレベータ利用者を、2台のカメラ11a,11bでエレベータ利用者を撮影する。そして、非接触視線検出装置10の画像処理演算部で、エレベータ利用者の人数と、各エレベータ利用者が上向きマーク31または下向きマーク32のいずれの方向を見ているかを判定して検出する。」
したがって、上記引用文献2には、「エレベータ扉の周辺部に設けられた2台のカメラで捉えた顔画像から三角測量により、視点の三次元位置を計測することにより両目の視線がエレベータ乗降部毎に設けられた上向きマーク及び下向きマークのどちらに向けられているかを非接触で検出する技術的事項」が記載されていると認められる。
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「エレベータ制御装置21」は、「エレベータの制御を司るもの」であるから、エレベータの駆動部を制御し、かごを移動するものであるといえるので、本願発明1の「駆動部を制御することでかごを移動させる制御装置」に相当する。
引用発明の「エレベータの呼び登録装置」は、エレベータの呼びを登録することによってエレベータの制御を行うものであるから、本願発明1の「エレベータ制御システム」に相当する。
引用発明の「カメラ6」は、本願発明1の「第1カメラ及び第2カメラ」との対比において、「撮像装置」の限度で一致する。
そして、引用発明の「カメラ6」は、「エレベータ乗場1の出入口枠3に設けられ」、「乗場呼び釦4A,4Bの前に立つ乗客5の目の部分を撮像する」ものであるから、各階に設けられた乗場に設置されているといえる。
したがって、引用発明の「この乗場呼び釦4A,4Bの前に立つ乗客5の目の部分を撮像する前記カメラ6がエレベータ乗場1の出入口枠3に設けられ」ていることは、本願発明1の「各階に設置され、各階の乗り場を撮像可能な第1カメラ及び第2カメラと」を「備え」ることとの対比において、「各階に設置され、各階の乗り場を撮像可能な撮像装置と」を「備え」ることの限度で一致する。
引用発明の「乗客5」、「目」及び「視線」は、それぞれ本願発明1の「利用希望者」、「目」及び「目線」に相当し、また、引用発明の「画像処理装置20」は、本願発明1の「映像解析部」に相当する。
そして、引用発明の「画像処理装置20」は、「予め登録者の目の位置検出用のテンプレート画像、視線方向判別用の目の特徴点及び虹彩データが登録されており」、「前記カメラ6で撮像した画像を処理」し、「前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別」するものであるから、乗客5の目及び視線を認識するものであるといえる。
したがって、引用発明の「前記画像処理装置20は、前記カメラ6で撮像した画像を処理するもので、この画像処理装置20には、予め登録者の目の位置検出用のテンプレート画像、視線方向判別用の目の特徴点及び虹彩データが登録されており、前記画像処理装置20は、前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別」することは、本願発明1の「映像解析部」が「利用希望者の目及び目線を認識する」ことに相当する。
引用発明の「呼び」は、かごの移動方向をエレベータ制御装置21に指示する信号であるといえ、本願発明1の「指示信号」に相当する。
そして、引用発明の「上昇の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4A」及び「下降の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4B」は、それぞれ「かごの上昇、下降の呼びを指示する装置」であることの限度で、本願発明1の「第1カメラ」及び「第2カメラ」と一致し、これを踏まえれば、引用発明の「前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別」することは、乗客5が視線を向けている乗場呼び釦4A,4Bの設置階を停止階と判別することであるから、本願発明1の「前記目線が向けられた前記第1カメラ又は第2カメラが設置されている階を停止階」とすることとの対比において、「前記目線が向けられたかごの上昇、下降の呼びを指示する装置が設置されている階を停止階」とすることの限度で一致する。
また、引用発明の「前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別し、呼びを決定」することは、上昇の呼びを指示する装置である、乗場呼び釦4Aに視線が向けられている場合は、かごの移動方向を上昇方向として、下降の呼びを指示する装置である、乗場呼び釦4Bに視線が向けられている場合には、かごの移動方向を下降方向とする呼びを決定することである。
したがって、引用発明の「前記画像処理装置20は、前記カメラ6が撮像した顔画像から乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別し、呼びを決定し、呼び決定後の選択された呼びをエレベータ制御装置21に出力」することは、本願発明1の「前記目線が向けられた前記第1カメラ又は前記第2カメラが設置されている階を停止階とし、前記第1カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を上方向とし、前記第2カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を下方向として、指示信号を生成する」こととの対比において、「前記目線が向けられたかごの上昇、下降の呼びを指示する装置が設置されている階を停止階とし、かごの上昇の呼びを指示する装置に前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を上方向とし、かごの下降の呼びを指示する装置に前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を下方向として、指示信号を生成する」ことの限度で一致する。
また、引用発明が「呼び決定後の選択された呼びをエレベータ制御装置21に出力」することは、本願発明1の「指示部」によって「指示信号を生成する」ことに相当し、引用発明の「前記エレベータ制御装置21は、エレベータの制御を司るものである」ことは、エレベータ制御装置21が、選択された呼びに基づいてエレベータの駆動を制御するものといえるから、本願発明1の「前記制御装置は、前記指示信号に基づき前記駆動部を制御する」ことに相当する。
以上のとおりであるから、本願発明1と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点]
「駆動部を制御することでかごを移動させる制御装置を備えるエレベータ制御システムであって、各階に設置され、各階の乗り場を撮像可能な撮像装置と、利用希望者の目及び目線を認識する映像解析部と、前記目線が向けられたかごの上昇、下降の呼びを指示する装置が設置されている階を停止階とし、上昇の呼びを指示する装置に前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を上方向とし、下降の呼びを指示する装置に前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を下方向として、指示信号を生成する指示部とを備え、前記制御装置は、前記指示信号に基づき前記駆動部を制御するエレベータ制御システム。」
[相違点]
本願発明1は、撮像装置が、「第1カメラ及び第2カメラ」とされ、かごの上昇の呼びを指示する装置が、「第1カメラ」であり、かごの下降の呼びを指示する装置が「第2カメラ」とされているのに対し、引用発明は、撮像装置が、「カメラ6」であり、かごの上昇の呼びを指示する装置は、「上昇の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4A」であり、かごの下降の呼びを指示する装置は、「下降の乗かごを呼ぶための乗場呼び釦4B」である点。
(2)判断
上記「第4」2で示した、引用文献2の技術的事項は、かごの上昇の呼びを指示する装置を2台のカメラの何れか一方とし、かごの下降の呼びを指示する装置を2台のカメラのいずれか他方とするものではないから(引用文献2の技術的事項においてエレベータのかごを呼ぶ装置は、エレベータ乗降部3に設けられたエレベータ呼びボタン9である(引用文献2の段落【0028】及び【0029】を参照。)。)、撮像装置を「第1カメラ及び第2カメラ」とした上で、かごの上昇の呼びを指示する装を「第1カメラ」とし、かごの下降の呼びを指示する装置を「第2カメラ」とするという、相違点に係る本願発明1の構成を開示、ないし示唆するものではない。
しかも、引用文献2の技術的事項は、2台のカメラで捉えた両目を含む顔画像から三角測量により、視点の三次元位置を測定する、すなわち、カメラから目の距離を測定するために2台のカメラを使用して三角測量するものであり(引用文献2の段落【0016】を参照。)、2台のカメラのそれぞれの位置とかごの移動方向を指示する装置、すわわち、かごの移動方向が関連付けられているものではない。
そして、引用発明も1台のカメラ6で乗客5が乗場呼び釦4A,4Bのどちらに視線を向けているのかを判別するものであるから、カメラの6の位置とかごの移動方向が関連付けられているものではない。
してみると、引用発明に引用文献2の技術的事項を適用しても、各カメラに目線が向けられている場合に、かごの移動方向を上方向又は下方向として指示信号を生成するという、本願発明1の「記第1カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を上方向とし、前記第2カメラに前記目線が向けられている場合は、前記かごの移動方向を下方向として、指示信号を生成する」という構成に至らない。
また、目線によって操作を指示することができる装置において、目線を認識するカメラを、操作を指示する装置と兼用することが、当業者にとって周知・慣用の技術的事項であるとの証拠もない。
してみると、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から、相違点1に係る本願発明1の、撮像装置が、「第1カメラ及び第2カメラ」とされ、かごの上昇の呼びを指示する装置が、「第1カメラ」であり、かごの下降の呼びを指示する装置が「第2カメラ」とされているという構成を容易に想到することはできない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2~10に係る発明について
本願発明2~10に係る発明は、本願発明1を減縮したものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1~10に係る発明は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-013696