商標拒絶査定不服審判
2022-013686
ナメラカシリカ、ナメラカ
- 審判番号
- 2022-013686
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-079087
- 請求日
- 2022年08月15日
- 審決日
- 2024年01月12日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】谷口 泰之
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W32)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-79087拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年6月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年2月7日付け :拒絶理由通知書
令和4年3月9日 :意見書の提出
令和4年5月20日付け:拒絶査定
令和4年8月15日 :審判請求書の提出
令和5年9月29日付け:審尋
令和5年11月2日 :回答書
2 本願商標
本願商標は、「なめらかシリカ」の文字を標準文字で表してなり、第32類「シリカを含有する飲料水」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「なめらかシリカ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「なめらか」の文字は、「表面に凹凸がなく、すべるようであるさま。ざらつきがないさま。」の意味を有し、「シリカ」の文字は、本願商標の指定商品の原材料を表したものである。そして、本願商標の指定商品に係る業界において、「なめらか」の語が、飲みやすい口当たりの飲料水であることを表す際に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「シリカを含有するなめらかで飲みやすい口当たりの飲料水」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和5年9月29日付けで通知した審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)本願商標は、あくまでも「なめらかシリカ」の文字で構成されているものであり、「な(活用語尾)」や「(を含有する飲料)水」を構成要素としていないことから、「なめらかシリカ」の文字が示す概念と「なめらかな口当たりのシリカ」や「なめらかシリカを含有する飲料水」という概念との間には、合理的・直接的な関連性は認められない。
(2)「なめらか」は固体の「表面に凹凸がなく、すべるようなありさま。ざらつきがないさま。」について用いられることがほとんどであり、飲料水をはじめとする液体に対して用いられるのは、むしろ特殊な例である。
(3)「なめらかシリカ」の語を使用している例は請求人関連の記事以外はなく、「なめらかシリカ」はむしろ全体として、単になめらかな何か、またはシリカと関係する何かを意味する造語を表したとして認識されるものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「なめらかシリカ」の文字を標準文字で表してなるところ、「なめらか」の文字は、「表面に凹凸がなく、すべるようであるさま。ざらつきがないさま。」(広辞苑第七版、岩波書店)の意味を有する語であり、広く一般的に知られているものである。また、「シリカ」の文字は、「二酸化ケイ素の通称。」(前掲書)の意味を表す語である。
また、別掲1のとおり、本願商標の指定商品が含まれる飲料分野において、シリカを含有する飲料水が一般的に販売されており、かつ、それらの商品が口当たりの良さを商品の特徴として販売されている事実がある。加えて、別掲2のとおり、本願商標の指定商品が含まれる飲料分野において、「なめらか」の文字が飲料の口当たりの良さを表す際に使用されている事実もある。
以上の事実からすれば、本願商標の指定商品の需要者、取引者は、本願商標より「(口当たりが)なめらかなシリカを含有する飲料水」の意味合いを認識するとみるのが相当である。
加えて、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかです。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に、その商品が「(口当たりが)なめらかなシリカを含有する飲料水」であることを理解、認識するにすぎないものであり、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものというべきである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、あくまでも「なめらかシリカ」の文字で構成されているものであり、「な(活用語尾)」や「(を含有する飲料)水」を構成要素としていないことから、「なめらかシリカ」の文字が示す概念と「なめらかな口当たりのシリカ」や「なめらかシリカを含有する飲料水」という概念との間には、合理的・直接的な関連性は認められない旨主張する。
確かに、「なめらか」の語は形容動詞であり、名詞を修飾する際には「なめらかな」のように、語尾に「な」の語を伴うのが一般的であり、また、本願商標の構成中には「水」の文字を含まないものである。しかしながら、本願商標の指定商品の需要者等において、「なめらか」の文字は広く一般的に知られている語であり、「なめらか」の修飾関係が文法的に正確なものでなければ、当該語句の意味を一義的に把握することができないということはできない。また、本願商標の指定商品が「シリカを含有する飲料水」であり、実際にシリカを含有する飲料水が一般的に販売されている事実からすれば、「シリカ」の文字は、本願商標の指定商品の需要者に、その原材料の一つを表すものと認識させるというべきであり、「水」の文字が含まれていなくても、指定商品である「シリカを含有する飲料水」に関する表現であると認識させるとみるのが相当である。
したがって、上記(1)のとおり、本願商標の指定商品の需要者、取引者は、本願商標より「(口当たりが)なめらかなシリカを含有する飲料水」の意味合いを認識するとみるのが相当である。
イ 請求人は、「なめらか」は固体の「表面に凹凸がなく、すべるようなありさま。ざらつきがないさま。」について用いられることがほとんどであり、飲料水をはじめとする液体に対して用いられるのは、むしろ特殊な例である旨主張する。
しかしながら、別掲2のとおり、飲料分野の宣伝広告においても、「なめらか」の文字が口当たりの良さを表す際に使用されている事実があることから、「なめらか」の文字を液体に対して用いることが特殊とはいえない。
ウ 請求人は、「なめらかシリカ」の語を使用している例は請求人関連の記事以外はなく、「なめらかシリカ」はむしろ全体として、単になめらかな何か、またはシリカと関係する何かを意味する造語を表したとして認識されるものである旨主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品が「シリカを含有する飲料水」であることに鑑みれば、「なめらかシリカ」の文字は、その商品の需要者に「シリカを含有する飲料水」に関する記述であると認識させるとみるのが相当であり、上記(1)のとおり、本願商標の指定商品の需要者、取引者は、本願商標より「(口当たりが)なめらかなシリカを含有する飲料水」の意味合いを認識するとみるのが相当である。また、商標法第3条第1項第3号の商標に該当するというためには、当該商標が、取引者、需要者において同号が規定する商標に当たると認識されることで足り、当該商標が、その指定商品又は指定役務において実際に使用されている必要はないと解されるものである(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号同年10月21日判決参照)。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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