商標拒絶査定不服審判
2022-013406
ホワイトデンチャー、デンチャー
- 審判番号
- 2022-013406
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-148442
- 請求日
- 2022年08月25日
- 審決日
- 2023年02月22日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社ワイ・デンタル・ラボ
- 【請求人代理人】大池 聞平
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W10) / T18 .272-Z (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-148442拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ホワイトデンチャー」の文字を標準文字で表してなり、第10類「義歯,義歯セット,医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」を指定商品として、令和3年11月29日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年5月9日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月13日に意見書が提出されたが、同年7月12日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年8月25日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「ホワイトデンチャー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ホワイト」の文字は「白い」の意味を有する英語「white」の表音を片仮名で表したものであり、「デンチャー」の文字は「義歯」の意味を有する英語「denture」の表音を片仮名で表したものであって、一般に使用されているものであるから、本願商標全体からは「白い義歯」程の意味合いを容易に理解・認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品中「白い義歯,白い義歯セット」に使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。また、本願商標を前記照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを実施した結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、請求人に対し令和4年11月18日付けで証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
第4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見(要旨)
1 証拠調べ通知書に示された証拠における使用例のうち、インプラントに関する「白い義歯」の使用例について、「インプラント」は義歯の一種であるため、本願の指定商品に係る業界の取引の実情において、「義歯」の語は、商品や役務に関する説明文など文章中では使用されることがあるが、「インプラント」を指す語として取引上一般的に使用されておらず、また、「デンチャー」の語が「インプラント」を指す語としても使用されていないことから、本願商標の「ホワイトデンチャー」が「インプラント」を表示するものと一般に認識することはなく、当該使用例は証拠として適切ではない。
2 本願の指定商品に係る業界において、「白い」又は「白色」の語は、入れ歯について、汚れに関する説明文で使用されることはあるものの、商品の特徴等を表示するものとして使用されることは一般的ではない。また、「ホワイト」の語は、「白い」と同義で用いることは取引上一般的ではなく、「ホワイトニング」のように、「美しい白さ」を意味する場合に「ホワイト」の語が使用されていることから、本願商標は、指定商品の特徴等を具体的かつ直接的に表示するものではない。
3 本願商標である「ホワイトデンチャー」は、「ホワイトニング」の「ホワイト」とは異なる意味にて「ホワイト」の語を敢えて使用しており、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る造語というべきである。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「ホワイトデンチャー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ホワイト」の文字は、別掲の証拠調べ通知書において示した事実1のとおり、「白。白色」等の意味を有する、極めて平易で、広く一般に親しまれた語であり、また、「デンチャー」の文字は、「義歯、入れ歯」の意味を有する英語「denture」を片仮名で表記したものであるから、本願商標全体として、「白色の義歯」、「白色の入れ歯」程の意味合いを想起させ得るものである。
そして、別掲の証拠調べ通知書において示した事実2のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界や義歯、入れ歯に関連する商品を取り扱う業界において、「白い義歯」、「白い入れ歯」等と称して、人工の歯の色が本来の歯の色と同じような白色であることを表すものとして使用されている実情が見受けられる。
そうすると、「白。白色」の意味を有する「ホワイト」の文字と、「義歯、入れ歯」の意味を有する「デンチャー」の文字を結合してなる本願商標を、その指定商品中「義歯,義歯セット」に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、当該商品の人工の歯の色が本来の歯の色と同じような白色であることを認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質を表すものとして認識されるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表すものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、本願の指定商品中、「義歯,義歯セット」以外の商品に使用した場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、証拠調べ通知書に示された証拠における使用例のうち、インプラントに関する「白い義歯」の使用例について、本願の指定商品に係る業界の取引の実情において、「義歯」の語は、「インプラント」が「義歯」の一種であるため、インプラント関連の商品や役務に関する説明文など文章中では使用されることがあるが、「インプラント」を指す語として取引上一般的に使用されておらず、また、「デンチャー」の語が「インプラント」を指す語としても使用されていないから、本願商標の「ホワイトデンチャー」が「インプラント」を表示するものと一般に認識することはない旨主張する。
しかしながら、請求人も主張するように、「インプラント」は「義歯」の一種であって、本願の指定商品中の「義歯」には「インプラント」が含まれるものと解するのが相当であり、また現に、「義歯」の語が、インプラント関連の商品や役務に関する説明文など文章中に使用されていることなどからすれば、当該「白い義歯」等の使用例は、本願の指定商品である「義歯」等に係る取引の実情を示したものといえるものである。
(2)請求人は、本願の指定商品に係る業界において、「ホワイトデンチャー」の使用事例は、請求人を除き存在しておらず、本願商標は、その構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識される旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「ホワイトデンチャー」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者によって使用されていないとしても、上記1のとおり、本願商標は、全体として「白色の義歯」、「白色の入れ歯」程の意味合いを想起させ得るものであって、かつ、本願の指定商品を取り扱う業界や義歯、入れ歯に関連する商品を取り扱う業界において、「白い義歯」、「白い入れ歯」等と称して、人工の歯の色が本来の歯の色と同じような白色であることを表すものとして使用されている実情が見受けられることからすれば、本願商標は、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。
(3)本願の指定商品に係る業界において、「白い」又は「白色」の語は、入れ歯について、汚れに関する説明文で使用されることはあるものの、商品の特徴等を表示するものとして使用されることは一般的ではない。また、「ホワイト」の語は、「白い」と同義で用いることは取引上一般的ではなく、「ホワイトニング」のように、「美しい白さ」を意味する場合に「ホワイト」の語が使用されていることから、本願商標は、指定商品の特徴等を具体的かつ直接的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、別掲の証拠調べ通知書において示した事実2のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界や義歯、入れ歯に関連する商品を取り扱う業界においては、たとえ、汚れに関する説明文におけるものであるとしても、当該「白い」又は「白色」の語が、「義歯」や「入れ歯」を直接的に修飾する語として、その義歯や入れ歯が「白い」又は「白色」であること、すなわち、人工の歯の色が本来の歯の色と同じような白色であることを表すものとして使用されているものであって、また、「ホワイト」の語は、上記1のとおり、「白。白色」等の意味を有する、極めて平易で、広く一般に親しまれた語であることからすれば、「ホワイト」の文字は、人工の歯の色が本来の歯の色と同じような白色であることを表すものとして把握され、理解されるとみるのが相当である。
また、同業界において、「美しい白さ」を意味する場合に「ホワイト」の語が使用されているとする請求人の主張について、たとえ「ホワイトニング」の語が「美しい白さ」を表すものであるとしても、「ホワイト」の文字のみで、直ちに「美しい白さ」を表すものとする事情は見いだせないものであり、かつ、それを証する具体的な証拠の提出もない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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