商標拒絶査定不服審判
2022-013396
オクマデスッキリ、オクマデ、スッキリ
- 審判番号
- 2022-013396
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-135260
- 請求日
- 2022年08月25日
- 審決日
- 2023年07月06日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W030510)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-135260拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月25日 :意見書の提出
令和4年 6月 3日付け:拒絶査定
令和4年 8月25日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類、第5類及び第10類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1のとおり、液状のものを詰めた容器の先端を鼻の中に入れ、当該容器を押しつぶして、当該液状のものを鼻の奥にまで噴出している様子を描いた図形と、「奥までスッキリ!」の文字を表してなるものである。
そして、鼻の洗浄用の商品を取り扱う業界では、鼻の奥まで洗浄する商品であることを表示する際に、「奥までスッキリ」や「奥まですっきり」等の文字が使用されている実情、及び、商品の使用の方法を表示するものとして、商品を用いて鼻の奥を洗浄している様子を表した図が使用されている実情が見受けられる。
加えて、本願商標は多少図案化されているものの、図案化が頻繁に行われている現在の状況下では、特段の印象を与える特徴を有するものとはいえず、普通に用いられる域を脱しない方法で表示したものというべきである。
これらの事情を勘案すると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は「鼻の奥まで洗浄する商品」であることを理解するにとどまり、本願商標を、商品の品質、使用の方法を普通に用いられる方法で表示した標章として認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「奥までスッキリ!」の文字を縁取りして白抜きで表してなるものと、液体状のものを詰めた容器の先端を人の横顔らしきものの鼻の部分に入れ、当該容器を押しつぶして、液体状のものを鼻の奥に噴出しているとおぼしき様子を描いた図形(以下「鼻洗浄図形」という。)よりなるものであって、白抜き文字部分の背景には水しぶきのような図形が配され、また、鼻洗浄図形部分以外の背景には若干右上がりの複数の横線(集中線)が配されているものである。
そして、原審提示の情報にあるように、鼻の洗浄用の商品を取り扱う分野では、鼻の奥まで洗浄する商品であることを表示する際に「奥までスッキリ」の文字や、これに通じる「奥まですっきり」等の文字が使用されている実情が認められる上、商品の使用の方法等を表示するものとして、液体状のものを鼻腔に入れて鼻腔内を洗浄している様子を表したとおぼしき図が使用されている実情も認められる。
加えて、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、その構成態様が特殊なものであるとはいい得ないものであって、このことは、別掲3の情報からも裏付けられるものであるから、本願商標は、それに接する取引者、需要者において、「奥までスッキリ!」の文字と商品の具体的な使用方法の図を普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当である。
そうすれば、本願商標をその指定商品中、鼻の洗浄用の商品を取り扱う分野の商品、すなわち、第3類「せっけん類,鼻用洗浄液(医療用のものを除く。)」、第5類「薬剤,鼻用洗浄液(医療用)」及び第10類「医療用機械器具,鼻洗浄器(電気式のものを除く。),電気式鼻洗浄器」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「鼻の洗浄用の商品」であって「鼻の奥まで洗浄する商品である」という、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の鼻洗浄図形は、洗浄液の排出先が表されていないなど、鼻洗浄の方法を表すものとしては具体的とはいえず、異物として描かれている図形も一般にウイルス等を模式的に表したものとは異なることから、ウイルス等を洗い流すこととは目的を異にするのではないかという印象を与えるものであり、また、洗浄液を詰めた容器の形状は意匠登録されているものであって、ほかにも鼻洗浄用の商品について描写するにあたって必然性のない線やグラデーションであったり、水しぶき状の図形が描かれているなど、全体として、商品の内容を説明するものとして普通に用いられる域を脱した方法で表示されたものであるから、本願の指定商品の特性を単に表示記述したものと認識されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、鼻の洗浄用の商品を取り扱う分野において、商品の使用の方法等を表示するものとして、液体状のものを鼻腔に入れて鼻腔内を洗浄している様子を表したとおぼしき図が使用されている実情があることは、上記(1)のとおりであって、そのような図はおおむね「人の横顔の断面」「液体状のもの」及び「洗い流される異物」とおぼしき図形から構成されているものであるところ、本願商標の構成中の鼻洗浄図形もその基本的な構成の範囲内といえるものである。
そして、上記(1)のとおり、そのほかの構成態様も特殊なものとはいえず、また、意匠制度と商標制度は制度の目的が異なることからすれば、本願商標構成中の液状のものを詰めた容器の形状が意匠登録をされていることも、上述の判断を左右するものとはいえない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、それらの登録商標はいずれも、普通に用いられる域を脱した方法で表示されたものとして登録されたと理解される旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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