審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2022-013241

ピカソ、ピカッソ

審判番号
2022-013241
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-021216
請求日
2022年08月24日
審決日
2023年08月29日
公報発行日
2023年09月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ピカソ インターナショナル インコーポレイション
  • 【請求人代理人】IBC一番町弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .22 -WY (W33)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項7号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021- 21216拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年2月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年11月30日付け:拒絶理由通知書 令和4年 4月 6日 :意見書の提出 令和4年 5月18日付け:拒絶査定 令和4年 8月24日 :審判請求書の提出 令和5年 2月 8日 :上申書の提出 令和5年 3月23日付け:審尋 令和5年 6月28日 :回答書の提出 2 本願商標 本願商標は、「PICASSO」の文字を標準文字で表してなり、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),ワイン,ウイスキー,日本酒,清酒」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「PICASSO」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「スペインの画家」として世界的に広く知られた「Pablo Picasso」氏(以下「ピカソ氏」という。)の略称であって、ピカソ氏に関する美術館があること、スペイン国にあるピカソ氏の生家には同氏の像があること、ピカソ氏の生誕や没後の区切りにおいて大々的なイベントが企画、実施されている実情があることなどからすると、ピカソ氏の郷土やゆかりの地の住民は同氏に敬愛の情をもって親しんでいると判断するのが相当であるから、ピカソ氏と何ら関係を有しない出願人の商標として登録し独占権を認めるということは、国際信義に反するというべきであり、社会公共の利益に反するとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 当審における審尋 当審において、令和5年3月23日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。 5 審尋に対する請求人の意見(要旨) 請求人は、上記4の審尋に対し、令和5年6月28日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べ、証拠方法として、既に原審及び当審において提出されていた甲第1号証ないし甲第35号証に加え、甲第36号証ないし甲第41号証(以下、表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。 (1)請求人の代表者はアジア太平洋地域でピカソ氏の芸術作品を複製した商品の開発、製造及び販売することの責任者であり、このことは、ピカソ氏の芸術著作権の独占権の管理を委ねられた団体であって、ピカソ氏の相続人も加入し、そのうちの一人である「クロード・ルイス=ピカソ」氏(以下「クロード氏」という。)が責任者でもある「スパデム(SPADEM)」(以下「スパデム」という。)によって承諾(以下「本件承諾」という。)されている。 (2)「スパデム」は現存する組織であって、本件承諾が効果を失ったというべき事情は見当たらない。また、仮に、現在ピカソ氏の著作権等を管理しているのが、フランス所在の「INDIVISION PICASSO」のみであるとしても、同団体の責任者もまたクロード氏であり、本件承諾が効力を失ったと評価することはできない。 (3)請求人の代表者は、ピカソ氏の相続人から本件承諾を受け、これに基づき長年本願商標を使用してきたため、本願商標を出願することは合理的な行為であるということができる。また、請求人は、直近10年以内に、「PICASSO」その他の同一綴りの文字からなる商標が日本を含む東アジアの国々にて商標登録しているが、これらについて「INDIVISION PICASSO」などから異議申立や無効審判の請求を受けていない。 6 当審の判断 本願商標は、「PICASSO」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、これは「スペインの画家。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)として世界的に知られているピカソ氏の著名な略称といえるものである。 そして、原審提示の情報にあるとおり、ピカソ氏にゆかりのあるスペインやフランスにおいては、同氏に関する美術館があり、また、同氏の生誕や没後の区切りにおいて大々的なイベントが企画、実施されている実情があるほか、我が国においても、別掲の情報にあるとおり、同氏の作品等に関する展示会などが度々企画、実施されている実情があり、ピカソ氏は我が国においても広く知られ、親しまれた人物といえるものである。 しかし、請求人提出の資料によれば、請求人の代表者は、ピカソ氏の相続人も加入する、同氏の著作権に係る管理運営を行う権限を有する団体「スパデム」から本件承諾を得ており(甲26、甲37、甲38)、請求人は本件承諾に基づいて、遅くとも1996年(平成8年)頃から、同氏の芸術作品の複製といえる図形や「PICASSO」の文字からなる商標を、請求人の業務に係る「ワイン」などについて使用していることがうかがえるのであって(甲9ないし甲25)、また、本件承諾が審決時において有効なものではないことを示す事実は見当たらないものである。 そうすると、本願商標を構成する「PICASSO」の文字が世界的に極めて著名な画家であるピカソ氏の略称であるとはいえ、本件承諾を得た上で現に自己の業務に係る商品に本願商標を長年使用している請求人に対して、本願商標の登録を認め、その指定商品について独占的な使用を許すことが、商取引の秩序を乱すおそれのあるものということはできない。 そのほか、本願商標の登録出願が、公益的な事業の遂行を阻害する目的や、他人に登録商標を高額で買い取らせる目的など、何らかの不正の目的で行われたと認めるに足りる証拠はなく、さらに、本願商標の登録を認め、請求人に対して独占的な使用を許すことで、故人であるピカソ氏の名声、名誉を傷つけるおそれがあるものと認めるに足りる証拠もない。 そうすると、請求人による本願商標の使用や登録が、社会公共の利益に反するとまではいえないから、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-013241

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存