商標拒絶査定不服審判
2022-013101
バイオエクソソーム、エクソソーム
- 審判番号
- 2022-013101
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-045283
- 請求日
- 2022年08月22日
- 審決日
- 2023年06月26日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一丸ファルコス株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W01)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 45283拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月18日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 5月30日付け:拒絶査定
令和4年 8月22日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和5年 3月23日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「バイオエクソソーム」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第3類及び第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に別掲1のとおり補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「バイオエクソソーム」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品を取り扱う分野において、近年、バイオテクノロジーの技術が細胞分野においても発展し、エクソソームを含む細胞成分を利用したバイオ医薬品などが製造、販売されている実情が認められる。また、現在エクソソームに関する研究が進められ、今後機能性食品への応用も見込まれている実情がある。
これらの事実があることに鑑みれば、「バイオ」の語が、「バイオテクノロジーの略」以外の意味を有するとしても、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者・需要者は、「バイオ」の文字を「バイオテクノロジー」の略と認識し、本願商標が「バイオテクノロジーを利用したエクソソームを含む商品」や「バイオテクノロジーを利用したエクソソームを使用した商品」であることを容易に認識するとみるのが自然である。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答
当審において、令和5年3月23日付け審尋により、別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「バイオエクソソーム」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「バイオ」の文字は「「バイオテクノロジー」の略。」又は「他の語の上に付いて、生命の、生物に関する、の意を表す。」(出典:「大辞泉 第二版」株式会社小学館)ものであり、また、別掲2の情報にあるように、「バイオテクノロジーを利用した○○」や「生物、生体由来の○○」を「バイオ○○」と称している事例が複数認められる。
また、本願商標の構成中の「エクソソーム」の文字は、原審で提示された情報にあるように、「生体内で細胞外に放出される直径約30~100ナノメートル程度の超小型の膜小胞。」を指称する語であって、また、医療や美容、食品の分野において、近時、「エクソソーム」に関する研究が活発に行われている実情が認められる。
そして、「エクソソーム」は、上述のとおり生体物質であることから、それを抽出等して薬品や化粧品等の原材料として生成、添加等するに当たって、バイオテクノロジーが用いられることが容易に推測されるものであって、また、「エクソソーム」が生体物質であることと、「バイオ」の語が「他の語の上に付いて、生命の、生物に関する、の意を表す。」ものであることからすれば、「エクソソーム」と「バイオエクソソーム」とで、その指し示す内容に実質的な差異がないともいえる。
加えて、本願の指定商品は、別掲1のとおり、いずれも「エクソソームを含む」商品である。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、その商品に含まれる「エクソソーム」が「バイオテクノロジーを用いて生成等されたエクソソーム」であること、又は、「生物、生体由来のエクソソーム」であることを表現した語であると容易に理解、認識するというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「バイオエクソソーム」の文字は、全体として一つの新しい造語であり、取引上使用されている事実がなく、また、「バイオ」自体が多義的である以上、「バイオエクソソーム」の文字から、需要者又は取引者が、例えば「バイオテクノロジーを利用したエクソソームを含む化学品」などと一般に認識することは困難である旨主張する。
しかしながら、「バイオエクソソーム」の文字が一般的に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、「バイオテクノロジーを利用した○○」や「生物、生体由来の○○」を「バイオ○○」と称している事例が複数認められることや、医療や美容、食品の分野において、近時、「エクソソーム」に関する研究が活発に行われていること、及び、本願の指定商品は、いずれも「エクソソームを含む」商品であることなどからすれば、本願商標をその指定商品に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、その商品に含まれる「エクソソーム」が「バイオテクノロジーを用いて生成等されたエクソソーム」であること、又は、「生物、生体由来のエクソソーム」であることを表現したものであると容易に理解し、自他商品の識別標識としては認識しないというべきである。
イ 請求人は、商標の構成中に「バイオ」又は「エクソソーム」の文字を有する過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらの登録商標と同様、構成全体をもって一体不可分の造語として、識別力を有するというべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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