商標拒絶査定不服審判
2022-013019
ビコームクミズマリ、ビクームクミズマリ、ムクミズマリ
- 審判番号
- 2022-013019
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-115110
- 請求日
- 2022年08月19日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-115110拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月 3日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月18日 :意見書の提出
令和4年 5月26日付け:拒絶査定
令和4年 8月19日 :審判請求書の提出
令和5年 3月 7日付け:審尋
令和5年 4月19日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「鼻腔むくみづまり」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「鼻腔むくみづまり」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「鼻腔」の文字は「鼻のあなの中」の意味を有するものであり、「むくみ」の文字は「皮膚の下などに体液がたまってしまった状態」の意味を有するものであり、「づまり」の文字は「物が詰まること、[下接語](づまり)鼻詰まり」の意味を有するものであることからすると、本願商標は、全体として「鼻のあなの中がむくんで詰まること」ほどの意味合いを有するものである。
よって、本願商標を、その指定商品中、例えば「薬剤」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として「鼻腔がむくんで鼻づまりの状態を改善する薬剤」を表したものと容易に認識し得るものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標するものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、令和5年3月7日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品中「薬剤,医療用接着テープ,サプリメント」との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和5年4月19日に回答書を提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。
(1)審尋において提示されたウェブページ中の「鼻腔のむくみ」や「鼻腔がむく(む)」などといった文言は、一般の需要者向けの、医学的な正確性を犠牲にしてイメージを容易にするための簡略化された表現であって、ある種の誤用であるか、身体症状を暗示して表すものである(身体症状を記述して表すものではない)といえるから、本願商標がその指定商品との関係で商品の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるとはいえない。
(2)本願の指定商品の分野で当該文言が使用されているのはわずかであるから、それらのみをもって、本願商標が指定商品に使用された場合に、指定商品の取引者、需要者によって商品の特性を表示したものと一般に認識されるともいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「鼻腔むくみづまり」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成中、「鼻腔」の文字は「鼻の内腔。」を、「むくみ」の文字は「むくむこと。また、むくんだもの。ふしゅ。」を、それぞれ意味する語(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であって、また、同構成中の「づまり」の文字は「つまること。」(出典:同上)などを意味する「つまり」の語が連濁したものと容易に理解できるものであるから、本願商標全体としては「鼻の内腔がむくんでつまること」ほどの意味合いが容易に理解、認識できるものである。
そして、別掲のとおり、薬剤や医療関連の分野を中心に、「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくむこと」を「鼻腔(副鼻腔)のむくみ」「鼻腔がむくんで」という語句で表現している事例があることが認められる。また、その中には「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくむこと」を「鼻づまり」の原因として説明している事例(別掲1及び3)があることも認められる。
そうすると、本願商標は、その指定商品中、鼻づまりの改善等に関連する商品を含む商品、すなわち、「薬剤,医療用接着テープ,サプリメント」との関係において、その商品が「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくんで(鼻が)つまっている状態を改善等する商品」であるという、商品の品質を表現した語であると容易に理解、認識されるというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標をその指定商品中、前記商品以外の「薬剤,医療用接着テープ,サプリメント」に使用するときは、それがあたかも上述のごとき商品であるかのように、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、空間である「鼻腔」の「むくみ」なるものは現実にあり得ないことから、「鼻腔むくみづまり」なる表現は、本願指定商品中、例えば「薬剤」の効能等としての具体的な身体症状を指し示すものではなく、また、同表現は、請求人によって作出され、請求人にのみ使用されている新規な造語であって、商品の特性を表示記述するものとして取引に際して必要適切なものともいえない旨主張する。
また、請求人は、上記5(1)及び(2)のとおり、審尋において提示されたウェブページ中の「鼻腔のむくみ」や「鼻腔がむく(む)」などといった文言は、正確性を欠いたある種の誤用であるか、身体症状を暗示して表すものである(身体症状を記述して表すものではない)といえ、また、当該文言が使用されているのもわずかである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、それ自体としては使用例が見受けられないとしても、上記6(1)のとおり、本願商標は全体として「鼻の内腔がむくんでつまること」ほどの意味合いが容易に理解、認識できるものであって、薬剤や医療関連の分野を中心に、「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくむこと」を「鼻腔(副鼻腔)のむくみ」「鼻腔がむくんで」という語句で表現している事例や、「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくむこと」を「鼻づまり」の原因として説明している事例があることが認められることからすると、一般に鼻づまりの改善等に関連する商品が取り扱われている分野において、本願商標を使用したときには、これに接する取引者、需要者によって、その商品が「鼻の内腔(鼻の内腔の粘膜)がむくんで(鼻が)つまっている状態を改善等する商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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