商標拒絶査定不服審判
2022-012997
ハーバルシトラス、ハーバル、シトラス
- 審判番号
- 2022-012997
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-045383
- 請求日
- 2022年08月19日
- 審決日
- 2023年04月24日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-45383拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ハーバルシトラス」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年4月14日に登録出願されたものである。
原審では、令和3年12月10日付けで拒絶理由の通知、同4年1月7日付けで意見書の提出、同年5月16日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年8月19日に本件拒絶査定不服審判が請求され、同5年3月20日付けで意見書及び手続補正書を提出している。
本願商標の指定商品は、当審における上記の手続補正書により、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,医療用接着テープ,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「ハーバルシトラス」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「ハーバル」の文字は、「香草の、薬草の」の意味を、また、「シトラス」の文字は、「柑橘類」の意味をそれぞれ有するものであり、全体として「香草の柑橘類」等の意味合いを表し、せっけん類を取り扱う業界等においては、商品に用いる香りの一種として使用されている実情がある。
してみれば、これをその指定商品中、例えば「ハーバルシトラスの香りを用いた石けん」等のように、ハーバルシトラスの香りを用いた商品に使用した場合、これに接する需要者は、単に商品の品質(内容)を表示するものと認識する。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、ハーバルシトラスの香りを用いた商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
4 上記通知に対する請求人の意見
(1)本願商標の指定商品から「せっけん類」、「その他の化粧品」を削除する補正をしたため、別掲2の事例の大半が、その指定商品以外の商品の使用事例にすぎない。
(2)別掲2(1)、(3)及び(7)の事例は、「ハーバルシトラス」の語が、商品のサブブランドを示す商標として使用されており、品質表示としての使用例ではない。
また、別掲2(12)の事例は、請求人が製造、販売している消臭剤の販売サイトであり、この記載中の「ハーバルシトラス」の語も、同商品のサブブランドを示す商標として使用されている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性
ア 本願商標は、「ハーバルシトラス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ハーバル」の文字は「草の。薬草[香草]の。」の意味を有する英語「herbal」に、「シトラス」の文字は「かんきつ類の木」の意味を有する英語「citrus」に通じる(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)。
イ そして、香りの分類に際しては、別掲1のとおり、例えば「ハーバルノート」(ハーブ系の香り)、「ハーバル系」(ハーブ特有の草っぽい香り)、「シトラスノート」(柑橘系のさわやかな香り)、「シトラス系」(柑橘系のフレッシュでさわやかな香り)などのように、「ハーバル」(ハーブ系)及び「シトラス」(柑橘系)の語が、一定の特徴を備えた香りを表現するものとして使用されている。
ウ また、「ハーバルシトラス」の語は、別掲2のとおり、芳香成分を有する商品と関連して、主にハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りを指称するものとして、取引上普通に使用されている実情がある。
エ そうすると、本願商標は、その指定商品中、例えば、第3類「身体用消臭剤,身体用防臭剤,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」、第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤」などに使用するときは、その需要者及び取引者をして、ハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りの商品であることを理解させるもので、単に商品の品質(香り)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「ハーバルシトラス」の文字から「香草の柑橘類」との意味合いが生じるとしても、かかる意味合いが本願商標の指定商品の具体的な香りや品質を示すものではなく、「香草」や「柑橘類」をイメージした香りであることを漠然と暗示するにすぎない旨を主張する。
しかしながら、「ハーバルシトラス」の語は、上記(1)ウのとおり、芳香成分を有する商品と関連して、主にハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りを指称するものとして、取引上普通に使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、上記(1)エのとおり、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、ハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りの商品であることを、暗示にとどまらず、具体的に理解させるというべきである。
イ 請求人は、本願商標の指定商品から「せっけん類」、「その他の化粧品」を削除する補正をしたため、別掲2の事例の大半が、その指定商品以外の商品の使用事例にすぎない旨を主張する。
しかしながら、「ハーバルシトラス」の語が、上記(1)ウのとおり、芳香成分を有する商品と関連して、主にハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りを指称するものとして、取引上普通に使用されている実情がある。そうすると「ハーバルシトラス」の語は、その指定商品中、特に芳香成分を有する商品との関係においては、その需要者及び取引者をして、一定の特徴を備えた香りを表示したものと直ちに認識、理解されるというべきである。
ウ 請求人は、別掲2(1)、(3)及び(7)の事例は、「ハーバルシトラス」の語が、商品のサブブランドを示す商標として使用されており、品質表示としての使用例ではなく、また、別掲2(12)の事例は、請求人が製造、販売している消臭剤の販売サイトであり、この記載中の「ハーバルシトラス」の語も、同商品のサブブランドを示す商標として使用されている旨を主張する。
しかしながら、別掲2の事例は、請求人による使用例も含めて、いずれも「ハーバルシトラス」の語を、ハーブ系(ハーバル)と柑橘系(シトラス)の特徴を兼ね備えた香りを指称するものとして使用されていることは明らかであるから、これらの事例を総合すれば、当該語は、一定の特徴を備えた香りを指称する語として、取引上一般的に使用され、広く認知されているといえる。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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