商標拒絶査定不服審判
2022-012760
マルチホイール、ホイール
- 審判番号
- 2022-012760
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-044139
- 請求日
- 2022年08月15日
- 審決日
- 2023年06月20日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】DMG森精機株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W0709) / T18 .272-Z (W0709)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 44139拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 1月 6日付け:拒絶理由通知書
令和4年 2月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 5月 9日付け:拒絶査定
令和4年 8月15日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「MULTIwheel」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械器具並びにその部品及び付属品」、第9類「コンピュータ,コンピュータソフトウェア,コンピュータ周辺機器,電子応用機械器具及びその部品,工作機械用制御装置」を指定商品として登録出願され、その後、上記1の手続補正書により、第7類「金属加工機械器具並びにその部品及び付属品」、第9類「コンピュータ,コンピュータソフトウェア,コンピュータ周辺機器,電子応用機械器具及びその部品,工作機械用電子制御装置」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「MULTIwheel」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「MULTI」の文字部分は、「他の語の上に付いて複合語をつくる」ものであって、「数量や種類の多いさま」を意味する語、同「wheel」の文字は「車の輪」等を意味する語として知られているものである。
そして、本願商標「MULTIwheel」の表音を表した「マルチホイール」の語は、本願指定商品との関係では、「複数枚の砥石」程の意味合いとして知られていることが認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、自他商品の識別標識として認識するのではなく、単に「マルチホイール(複数枚の砥石)に対応する商品」を認識するにとどまるから、本願商標は商品の品質、特徴を普通に用いられる方法で表示したものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「多数の。複数の。」を意味する「MULTI」の文字と、「車輪。車輪状のもの[機械、装置、器具]。」等を意味する「wheel」の文字とを組み合わせた「MULTIwheel」の文字を標準文字で表してなるものである(いずれも、「ランダムハウス英和大辞典 第2版」(株式会社小学館))。
そして、当該文字の表音である「マルチホイール」の文字は、原審提示の情報のほか、別掲のインターネット情報によれば、本願の指定商品のうち金属加工機械器具やその部品及び付属品を取り扱う業界において、「複数の砥石を組み合わせた」あるいは「2枚以上の砥石を取り付けた」商品を表すものとして一般的に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中の第7類の商品に使用する場合、これに接する需要者は、それが「複数の砥石を組み合わせた」あるいは「2枚以上の砥石を取り付けた」商品であると認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
また、本願商標を、第7類の指定商品中、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標について、全てが大文字の「MULTI」と全てが小文字の「wheel」とがスペースなどを介さずに結合して「MULTIwheel」と表したものであり、一般的ではない特徴的な結合方法であるといえ、普通の手法の域を超えて創作された特殊な態様の造語とみるべき旨主張する。また、本願商標は多義的に理解され得る語であるため、その観念は一義的には定まらず、本願の指定商品との関係において、その具体的な品質等を直接的に表すとはいえない上、原審で引用した「マルチホイール」の使用例が必ずしも本願商標に係る「multiwheel」の英語表記と対応関係にあるか定かではない旨も主張する。
しかしながら、本願商標は、「MULTIwheel」の文字を標準文字で表してなるところ、大文字と小文字の差異から、「MULTI」の欧文字と「wheel」の欧文字とを組み合わせてなるものと容易に認識されることはあっても、2つの既成語を組み合わせた以上にことさら特殊な態様とはいえず、普通に用いられる範ちゅうの域を出ないというべきである。また、本願商標を片仮名で表記した「マルチホイール」の語の使用例のうち、別掲の2では「Multi-wheel」の欧文字が併記されていること、「multi」及び「wheel」の両語はともに平易な英単語であり、それぞれ「マルチ」、「ホイール」と発音されることよりすれば、本願の第7類の指定商品の分野における「マルチホイール」の語が「multiwheel」の英語表記を片仮名で表記したものであることは明らかであり、かつ、それらの語が「複数の砥石を組み合わせた」あるいは「2枚以上の砥石を取り付けた」等、商品の特徴を表すものとして普通に使用されていることは上記(1)のとおりであるから、本願商標は、第7類の指定商品との関係において、商品の品質を表したものと理解・認識させるものといわざるを得ない。
イ 請求人は、本願商標と類似する構成の商標が登録されていることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定商品・役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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