商標拒絶査定不服審判
2022-012751
レンブラント
- 審判番号
- 2022-012751
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-042512
- 請求日
- 2022年08月15日
- 審決日
- 2023年06月20日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ザイオソフト株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .22 -WY (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 42512拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 1月20日付け:拒絶理由通知書
令和4年 3月 4日 :意見書の提出
令和4年 5月10日付け:拒絶査定
令和4年 8月15日 :審判請求書の提出
令和4年 8月15日 :手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「REMBRANDT」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第9類「医療分野で用いられる画像の処理・解析・保存用のコンピュータソフトウェア,医療分野で用いられるデータの処理・解析・保存用のコンピュータソフトウェア,医療分野で用いられる、コンピュータ断層撮影画像・核磁気共鳴画像・核磁気共鳴アンギオグラフィ・アンギオグラフィ・X線画像・内視鏡画像・超音波画像及び心電図を二次元・三次元・四次元化する画像処理システムに関するコンピュータソフトウェア」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、オランダの17世紀の代表的画家として著名な「レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(Rembrandt Harmensz.van Rijn)」の略称と容易に認識される「REMBRANDT」の文字を標準文字で表してなるものである。
レンブラントは17世紀のオランダを代表する世界的に著名な画家の一人であり、出身国であるオランダのアムステルダム中心部にはレンブラントが実際に20年間生活を送った住宅を改装した「レンブラントの家」が美術館として活用され、アムステルダム国立美術館にもレンブラントコレクションが多数収蔵されており、同氏の作品は、同国における文化的・観光的資源とされていることがうかがえる。
そして、我が国においても、レンブラントを扱う美術館が複数存在するとともに、外国の美術館が所有する作品を展示する展覧会が開催されている実情がある等、レンブラントは国内外において現在も広く親しまれている著名な画家といえる。
これらを踏まえれば、本願商標を、画家レンブラントと何ら関係のない一出願人が自己の商標として独占的に使用することは公正な商取引の秩序を乱すおそれがあるばかりか、ゆかりの地であるオランダ国の尊厳や、国民の感情を害するおそれがあり、ひいては国際信義に反するものであるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標登録を受けることができないと規定する。ここでいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、<1>その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、<2>当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、<3>他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、<4>特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、<5>当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号)。
(2)本願商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本願商標は、「REMBRANDT」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、本願商標の登録出願時はもとより現在においても、オランダの代表的な画家である「レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(Rembrandt Harmensz.van Rijn)」(以下「レンブラント」という。)の略称として、一般の辞書に載録等されている著名な歴史上の人物名であり、オランダ国民のみならず、世界中の美術愛好家等に敬愛されているものである。
ところで、一般に歴史上の人物の生誕地やゆかりの地においては、地域振興や観光振興等のために、その地の特産品や土産物、公益的な施策等に、当該歴史上の人物の名称を使用することが多くみられるものである。
そこで、当審における職権調査によれば、原審説示のとおり、我が国及び外国において、レンブラントの作品を所蔵する美術館が数多く存在し、レンブラントに関するイベントが開催等されていることが認められるものの、本願の補正後の指定商品である、医療分野に係るコンピュータソフトウェア等の商品について、本願商標又は本願商標の表音を表した「レンブラント」の文字が、地域振興や観光振興における特産品や土産物、公益的な施策等に使用されている実情は発見できないことから、レンブラントは本願の指定商品とは密接な関連性を有するものとはいえない。
また、当審において職権をもって調査するも、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、いずれかの国又は地域等の人々の感情を害すると認め得る具体的な事情は、発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないことは明らかであり、また、本願商標をその指定商品について使用することが、公正な競業秩序を害し、社会公共の利益、又は、社会の一般的道徳観念に反する場合に該当するとまではいえず、さらに、請求人による当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するなどの事実を見いだすことはできない。
そうすると、レンブラントの名声を僭用して不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもってなされたものと認められない本願商標を、その指定商品に使用しても、オランダ国の尊厳や、国民の感情を害し、ひいては国際信義に反するものということはできない。
その他、本願商標が商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に当たる具体的な事情を見いだすこともできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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