商標拒絶査定不服審判
2022-012700
プロテインヌードル
- 審判番号
- 2022-012700
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-080359
- 請求日
- 2022年08月12日
- 審決日
- 2023年10月27日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大谷 憲弘
- 【請求人代理人】辻田 朋子
- 【請求人代理人】下田 一徳
- 【請求人代理人】樋口 頼子
- 【請求人代理人】中川 慶太
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-80359拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年1月21日付け:拒絶理由通知書
令和3年2月8日 :意見書の提出
令和4年3月8日付け :通知書
令和4年4月12日 :意見書の提出
令和4年5月9日 :意見書の提出
令和4年5月10日付け:拒絶査定
令和4年8月12日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「プロテインヌードル」の文字を標準文字で表してなり、第30類「穀物の加工品,調理済み麺類,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,調味料,香辛料」を指定商品として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「プロテインヌードル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「プロテイン」の文字は「タンパク質」の意味を、「ヌードル」の文字は「西洋料理で、細長い帯状の麺類の総称」の意味をそれぞれ有する語である。
また、食品を取り扱う業界において、タンパク質が多く含まれている麺類が多数製造・販売されており、それらに「プロテインヌードル」の文字や、その欧文字表記である「PROTEIN NOODLE」が使用されている事実がある。さらに、同業界において、タンパク質が含まれた麺類及びその他の食品が取り扱われており、「プロテインらーめん(ラーメン)」「プロテインうどん」「プロテイン蕎麦」と称して取引されている事実もある。
してみれば、本願商標は、全体として、「タンパク質が多く含まれた麺類」程の意味合いを生ずるものといえる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中の「穀物の加工品,調理済み麺類」に使用したときは、これに接する需要者は、本願商標から「タンパク質が含まれた麺類」及び「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」であることを容易に認識、理解させるにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
また、上記認定によれば、本願商標をその指定商品中「タンパク質が含まれた麺類」及び「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号同年9月16日判決参照)。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「プロテインヌードル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「プロテイン」の文字は「タンパク質」の、「ヌードル」の文字は「西洋料理で、細長い帯状の麺類の総称」意味を有する語である(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。
そして、原審でも説示のとおり、食品を取り扱う業界において、「プロテイン」の文字は、例えば「プロテイン麺」「プロテインうどん」のように、「プロテイン〇〇」(「〇〇」には食品の種類を表す一般名称が入る。)の形で、「プロテインが原材料として(豊富に)使用された〇〇」であることを表す語として一般に使用されているものである(別掲1)。また、「ヌードル」の文字及びその欧文字表記である「NOODLE(S)」は、例えば「ライスヌードル」「豆ヌードル」のように、「〇〇ヌードル」(〇〇には原材料となるものの一般名称が入る。)の形で、「〇〇が原材料として使用されたヌードル」であることを表す語として一般に使用されているものである(別掲2)。さらに、それらの中には「タンパク質が原材料として使用された麺類」を表す語として「プロテインヌードル」の文字が使用されている事実もある(別掲3)。
してみれば、本願商標全体としては、「タンパク質を原材料とする麺類」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品中「穀物の加工品,調理済み麺類」に使用しても、これに接する需要者は、「タンパク質が原材料として使用された麺類」であるという商品の品質、原材料を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。そして、本願商標は、標準文字で表したものであるから、その態様上顕著な特徴を有するものではない。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、その指定役務中、「タンパク質が原材料として使用された麺類」以外の「穀物の加工品,調理済み麺類」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、原審において示した「プロテインヌードル」及び「PROTEIN NOODLE」の文字は、食品業界においては極めて限定的な使用にとどまるものであるから、それらの使用は特殊的、限定的な取引の実情である旨述べるとともに、「出願された商標が指定商品に使用された場合に、商品の品質を表示したものと取引者、需要者によって一般に認識されるものであれば足りるとの見解に異論ない。しかしながら、その商標が現実に商品の品質等の表示として使用されている等の事実は、同号の適用において「必ずしも」要求されるものではないと認定のとおり、その商標が現実に商品の品質などの表示として使用されているか否かの事実は、必ずしも要求されるものではないとしても、同号の適用において「十分に参照すべき」情報である」と述べている。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商標の需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるから、「プロテインヌードル」又は「PROTEIN NOODLE」の文字が商品の品質等を表示するものとして、使用されている例が特殊的、限定的な取引の実情といえるものであったり、全く使用されていないものであるとしても、そのことが直接同号に該当するか否かの判断を左右するものではない。
そして、本願商標については、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を踏まえれば、本願商標をその指定商品中「穀物の加工品,調理済み麺類」に使用しても、これに接する需要者は、「タンパク質が原材料として使用された麺類」であるという商品の品質、原材料を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であることは、上記2で述べたとおりである。
(2)請求人は、提供する商品の特徴を意識して商標の採択がなされるという商慣行があるからすれば、商標から、商品の品質を暗示させることがあることは、自然な事象である旨や、原審における「本願商標をその指定商品中の「穀物の加工品,調理済み麺類」に使用したときは、これに接する需要者は、本願商標から「タンパク質が含まれた麺類」及び「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」であることを容易に認識、理解させるにとどまる」という認定は、上記の商慣行からすれば、むしろ極めて自然なことであって、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する需要者等は、本願商標から、「蛋白質が含まれた麺類」「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」の他、「タンパク質が(多く含まれたとはいえないとしても少なくとも)含まれた麺類」、「良質なタンパク質を含有する麺類」などと幅のある意味合いを漠然と看取するにすぎない旨を述べるとともに、「本願商標が「タンパク質が含まれた麺類」及び「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」であることを「暗示」させる場合があるとしても、「その商品の品質などを普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当すると認められるものではない」と主張している。
しかしながら、請求人のいうような商慣行があるとしても、そのことと「プロテインヌードル」の文字からなる本願商標がその指定商品との関係において、需要者が商品の品質等を表示したものと認識するかどうかは別問題である。また、仮に、本願商標に接する需要者が、「タンパク質が含まれた麺類」、「タンパク質が含まれた調理済みの麺類」、「タンパク質が(多く含まれたとはいえないとしても少なくとも)含まれた麺類」、「良質なタンパク質を含有する麺類」などの幅のある意味合いを認識するとしても、いずれの場合も、結局、本願商標が商品の品質、原材料を表示するものであることに変わりはないから、上記2の判断を左右するものではない。
(3)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは、前記2のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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