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商標拒絶査定不服審判

2022-012538

キヌイトモンブラン、ケンシモンブラン、キヌイト、ケンシ

審判番号
2022-012538
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-126525
請求日
2022年08月10日
審決日
2023年05月30日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】松原 めぐみ
  • 【請求人代理人】植村 貴昭
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 飯田 亜紀
分類
T18 .13 -WZ (W3043) / T18 .16 -WZ (W3043) / T18 .272-WZ (W3043)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-126525拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年10月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 5月16日付け:拒絶理由通知書 令和4年 6月21日 :意見書の提出 令和4年 7月 8日付け:拒絶査定 令和4年 8月10日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「絹糸モンブラン」の文字を標準文字で表してなり、第30類「モンブランケーキ風のソフトクリーム,モンブランケーキ風のアイスクリーム,モンブランケーキ風のだんご,モンブランケーキ風の菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),モンブランケーキ,モンブランケーキ風のパン,モンブランケーキ風のサンドイッチ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原審において、「本願商標は、「絹糸モンブラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「モンブラン」の文字は「ケーキの一種。細いひも状に絞り出した栗のピューレと泡立てた生クリームで作る。」の意味合いを有する語として広く知られている。また、その構成中、「絹糸」の語は「蚕の繭からとった糸。」を意味する語であるところ、これより転じて、食品業界では、食品に用いられるクリーム等の素材が極めて細いことを表す語として使用されている実情が認められ、また、その中には、クリームが極めて細いモンブランケーキを「絹糸モンブラン」と称している例も認められる。そうすると、本願商標は、全体として、「クリームが極めて細いモンブランケーキ」ほどの意味合いを生ずる。そのため、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「クリームが極めて細いモンブランケーキ」又は「当該モンブランケーキ風の商品」であること、すなわち、商品の品質(形状)を表示したものとして、また、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「クリームが極めて細いモンブランケーキを主とする飲食物の提供」であること、すなわち、役務の質(態様)を表示したものとして、認識するものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 4 当審における拒絶理由通知 当審において令和5年3月13日付で、別掲1ないし別掲5のとおりの事実を示した上で、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第30類「モンブランケーキ風のソフトクリーム,モンブランケーキ風のアイスクリーム,モンブランケーキ風のだんご,モンブランケーキ風の菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),モンブランケーキ,モンブランケーキ風のパン,モンブランケーキ風のサンドイッチ」について使用するときは、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第43類「モンブランケーキ、ソフトクリーム、どら焼き、団子及びパン等の提供」に使用するときは、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用したモンブランケーキ,蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用した商品」という役務の提供の用に供する物(商品)の品質を表示したものと認識、理解するにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の「飲食物の提供」に使用をするときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶理由を通知し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。 5 拒絶理由通知に対する請求人の意見 請求人は、前記4の拒絶理由通知に対し、令和5年4月3日に意見書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。 (1)そうめん、うどんなどに絹糸のようなとの表現が以前から使われていたこと、海苔や昆布にもそのような表現が一部使われていることについて同意するが、海苔や昆布に一般的に使われているとは言えず、製品を説明する商標的な言葉として使用しているだけであると思われる。いずれも、「細切りの微細カット」、「太さの数値(なんmm)」など別途記載している。絹糸については、一部の食品について使われることが多くても、カットキャベツ、春雨、糸こんにゃく等のように長くて細い食品に一般的に使われている表現ではない。 (2)モンブランについて、「絹糸」との表現が使われているが、「まるで」、「のような」、や、具体的な「〇mm」などの表現が必ず使われていて、「絹糸」単独で使われていない。これは、絹糸単独では意味が通らず、「まるで」、や、「ような」に類する表現(意味内容を説明する表現)がなければ消費者が意味を理解できないということの証拠である。意味内容を説明する表現がついていない「絹糸モンブラン」については、表現がついている物に比して圧倒的に少なく商標的に使用されている。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、前記2のとおり「絹糸モンブラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「絹糸」の文字は「蚕の繭からとった糸」の意味を有し、「モンブラン」の文字は「ケーキの一種。細いひも状に絞り出した栗のピューレと泡立てた生クリームで作る。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)として、いずれも一般に親しまれた語である。 そして、本願の指定商品及び指定役務中 、第30類の指定商品を含む食品を取り扱う業界では、商品の形状が、蚕の繭からとった糸のように細いものを形容する際に「絹糸」の文字が使用されており(別掲1)、本願の指定商品及び指定役務中、第30類の指定商品との関係においても、蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを「絹糸」のように指称している事実がある(別掲2)。 また、蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームや当該クリームを使用したモンブランケーキが「絹糸モンブラン」のように指称されている事実(別掲3、別掲4)、加えて、当該モンブランケーキ及びモンブランクリームを使用したソフトクリーム、どら焼き、団子及びパン等の商品が販売されている事実も存在する(別掲3、別掲4、別掲5)。 以上の内容を踏まえると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第30類の全指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用したモンブランケーキ」、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用した商品」という商品の品質を表示したものと認識、理解するにすぎないというのが相当である。 したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第30類の全指定商品については、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、前記2のとおりの構成からなるところ、前記(1)のとおり、蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームや当該クリームを使用したモンブランケーキが「絹糸モンブラン」のように指称されている事実(別掲3、別掲4)、加えて、当該モンブランケーキ及びモンブランクリームを使用したソフトクリーム、どら焼き、団子及びパン等の商品が提供されている事実も存在する(別掲3、別掲4、別掲5)。 そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、前記の商品(モンブランケーキ、ソフトクリーム、どら焼き、団子及びパン等)の提供に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、役務の提供に供する物(商品)が「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用したモンブランケーキ」、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用した商品」であるという役務の提供の用に供する物(商品)の品質を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第43類の「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用したモンブランケーキの提供」、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用した飲食物の提供」に使用するときには、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の「飲食物の提供」に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、「絹糸」については、一部の食品について使われることが多くても、カットキャベツ、春雨、糸こんにゃく等のように長くて細い食品に一般的に使われている表現ではない旨主張する。 しかしながら、「絹糸」の文字が、長くて細い食品に一般的に使用されているものではないとしても、食品の分野において商品の形状を形容するものとして使用されている事実があることは請求人も認めるものである。 イ 請求人は、モンブランについて、「絹糸」の文字が商品の形状を形容する語として単独で使用されている事実は少ないうえ、意味内容を説明する表現がついていない「絹糸モンブラン」については、表現がついている物に比して圧倒的に少なく商標的に使用されている旨主張する。 しかしながら、「絹糸」の文字が、「蚕の繭からとった糸」の意味を有し、モンブランを含む食品の分野において、蚕の繭からとった糸のように細い商品の形状を形容する語として使用されている事実は少なくないうえ(別掲1、別掲2)、商品の形状を認識させる意味合いで「絹糸○○」(○○は、そうめん、塩昆布、モンブラン等の商品名。)の文字が使用されている例も少なからず存在する(別掲1(1)、(6)~(8)、別掲3(1)~(11)、別掲4(1)、(2))。そして、「絹糸モンブラン」の文字が商品名として(商標的に)使用されているとしても、使用されている商品との関係において、当該文字から「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用したモンブランケーキ」、「蚕の繭からとった糸のように細い(モンブラン)クリームを使用した商品」以外の別異の意味合いを認識し得るという事情は見いだせない。 ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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