商標拒絶査定不服審判
2022-012352
ハッコーミツエッセンス、ハッコーミツ
- 審判番号
- 2022-012352
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-024777
- 請求日
- 2022年08月08日
- 審決日
- 2023年10月17日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社山田養蜂場本社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .17 -Z (W03) / T18 .272-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条2項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第3条、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 24777拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年3月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月24日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月 7日 :意見書の提出
令和4年 4月27日付け:拒絶査定
令和4年 8月 8日 :審判請求書の提出
令和5年 7月 4日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「発酵蜜エッセンス」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,基礎化粧品,下地用化粧品,美容液,化粧水,乳液,化粧落とし,洗顔フォーム,洗顔料,せっけん類,シャンプー,歯磨き,香料,薫料,香水類」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「発酵蜜エッセンス」の文字を標準文字で表示してなるところ、本願商標を構成する「発酵」、「蜜」及び「エッセンス」の各文字は、それぞれ、「一般に、酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・二酸化炭素などを生じる過程。」、「みつばちが花から集めてつくる甘い粘液」及び「美容液」の意味を有するから、その構成全体からは「発酵した蜜の美容液」程の意味合いを容易に認識させる。そして、化粧品の分野においては、発酵した蜜を配合した化粧品が販売されていること、発酵した有効成分を配合した化粧品が販売されていること、蜂蜜を配合したシャンプーや歯磨き粉も販売されていることが認められる。そうすると、前記意味合いを容易に認識させる本願商標を、その指定商品中、第3類「発酵した蜜を配合した美容液,発酵した蜜を配合した美容液を含浸してなる化粧品・同基礎化粧品・同下地用化粧品・同化粧水・同乳液・同化粧落とし・同洗顔フォーム・同洗顔料・同せっけん類・同シャンプー・同歯磨き」に使用しても、これに接する当該需要者は、その商品の品質を表示したものであると理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないというべきである。そして、本願商標は、標準文字で表示してなるから、普通に用いられる方法で表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の指定商品(「化粧品,基礎化粧品,下地用化粧品,美容液,化粧水,乳液,化粧落とし,洗顔フォーム,洗顔料,せっけん類,シャンプー,歯磨き」)に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否か、及び同法第3条第2項の要件を具備するか否かについての暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「発酵蜜エッセンス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「発酵」の文字は「一般に、酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・二酸化炭素などを生じる過程。」の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を、「蜜」の文字は「1 植物が分泌する甘みのある液。「花の蜜」。2 蜂蜜(はちみつ)。3 糖蜜(とうみつ:1 サトウキビなどを使って砂糖を製造するときに、糖液を蒸発・濃縮させて結晶を分離したあとに残る茶褐色の液体。2 砂糖から作った蜜)」の意味(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を有する、いずれも一般に親しまれている語である。
そして、「エッセンス」の文字は、「1 物事の本質、精髄。2 植物体から抽出した芳香性の精油。また、そのアルコール溶媒。」の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有するところ、本願の指定商品との関係では「美容液。化粧水と同様に液体で、化粧水よりも粘度が高く、保湿機能とエモリエント効果をあわせてもったものである。」(「化粧品辞典」丸善出版株式会社)を示す語として広く一般に親しまれ、使用されているから、本願商標は、その構成全体より「発酵したはちみつの美容液」程の意味合いを容易に認識し得るものである。
また、本願の指定商品である「化粧品」との関係において、「はちみつ」は原材料として使用されているところ(別掲1)、「はちみつ」には発酵したものが存在し(別掲2)、これを「発酵蜜」のように指称するものも見受けられる(別掲3)。
以上の内容を踏まえると、前記意味合いを認識させる本願商標をその指定商品中「化粧品,基礎化粧品,下地用化粧品,美容液」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に「発酵したはちみつを配合した美容液」程の商品の品質を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は自他商品を識別する標識としては機能し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「発酵したはちみつを配合した美容液」以外の本願の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
請求人は、「本願商標は、商標法第3条1項3号に該当するものではないが、仮に同号に該当するものであったとしても、本願の指定商品を取り扱う分野において、日本全国の取引需要者に請求人の商品を表すものとして認知されており、商標法第3条第2項の要件を具備する。」旨主張し、第9号証ないし第12号証を提出しているので、以下検討する(なお、請求人提出の第9号証ないし第12号証は、甲第9号証ないし甲第12号証と読み替える。)。
請求人の主張及び提出された資料によれば、本願商標を付した商品(請求人の製法特許(特許第6750903号)の技術を応用したものであって、証拠より美容液と認められる。)(以下「本件商品」という。)は、2021年4月末に発売開始、2022年7月末までの1年3カ月で「4,702本」販売され、売上高は「1,865万円」であることが認められる(甲10)。しかしながら、本件商品は、発売開始から、わずか1年3ヶ月と期間は短く、提出された販売数量や売上高についても、どのような資料を基に算出されている数値であるのか明確とはいえないうえ、それらの数値の多寡について、比較すべき客観的な証拠の提出もなく、指定商品を取り扱う業界における市場シェアなども不明であり、さらに、宣伝広告については、広告費(甲10)や本件商品を掲載した雑誌等一覧(甲12)が提出されているが、後者について、具体的にどのような内容の記事を掲載したのか不明である。
加えて、本願商標の使用について、その使用例と見受けられる甲第9号証及び甲第11号証によると、いずれも「ハニーラボ 発酵蜜エッセンス」と表記されていることから、本願商標のみが独立して自他商品の識別力を有しているともいい難い。
また、本願の指定商品中「美容液」以外の商品については、使用の事実を証する証拠が提出されていない。
したがって、これら提出資料によっては、未だ、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができるものに至っているとは認められない。
(3)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-012352