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特許拒絶査定不服審判

2022-011906

ガスタービン燃焼器及びそれを備えるガスタービン、並びに、ガスタービン燃焼器の燃焼振動抑制方法

審判番号
2022-011906
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-055126外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月02日
審決日
2023年04月27日
公報発行日
2023年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (F23R)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-55126「ガスタービン燃焼器及びそれを備えるガスタービン、並びに、ガスタービン燃焼器の燃焼振動抑制方法」拒絶査定不服審判事件〔令和元年10月3日出願公開、特開2019-168144、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願(特願2018-55126号)は、平成30年3月22日の出願であって、令和3年12月17日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年2月16日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年4月14日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年5月20日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年7月5日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年8月2日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(令和4年7月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1及び11に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、本願請求項2に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明並びに引用文献3にて例示される周知の技術に基いて、本願請求項3ないし10に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明、引用文献3にて例示される周知の技術並びに引用文献4及び5にて例示される周知の技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2016-61506号公報 2.特開2012-149543号公報 3.特開2011-111964号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2015-068538号公報(周知技術を示す文献) 5.国際公開第2013/128739号(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願請求項1ないし11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明11」という。)は、令和4年5月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 1本の円筒状の第1ノズルと、前記第1ノズルを取り囲むように周方向に配置された複数の第2ノズルと、を備えるガスタービン燃焼器であって、 前記円筒状の前記第1ノズルは、該第1ノズルの軸中心を取り囲むように前記周方向に配列されたn個(nは2以上の整数)の燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成され、 前記n個の燃料噴射孔は、前記周方向に隣接する任意の一対の前記燃料噴射孔間の角度差θ[°]が0<n×θ/360<2となるように配置され、 前記第1ノズルは、1以上の前記燃料噴射孔からの燃料噴射量が他の1以上の前記燃料噴射孔からの燃料噴射量とは異なるように、全ての前記燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成された ことを特徴とする、ガスタービン燃焼器。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。 「【0026】 図1に示すように、一実施形態に係るガスタービン1は、酸化剤としての圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結され、タービン6の回転エネルギーによって発電が行われるようになっている。 【0027】 ガスタービン1における各部位の具体的な構成例について説明する。 圧縮機2は、圧縮機車室10と、圧縮機車室10の入口側に設けられ、空気を取り込むための空気取入口12と、圧縮機車室10及び後述するタービン車室22を共に貫通するように設けられたロータ8と、圧縮機車室10内に配置された各種の翼と、を備える。各種の翼は、空気取入口12側に設けられた入口案内翼14と、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。なお、圧縮機2は、不図示の抽気室等の他の構成要素を備えていてもよい。このような圧縮機2において、空気取入口12から取り込まれた空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。そして、高温高圧の圧縮空気は圧縮機2から後段の燃焼器4に送られる。 【0028】 燃焼器4は、ケーシング20内に配置される。図1に示すように、燃焼器4は、ケーシング20内にロータ8を中心として環状に複数配置されていてもよい。燃焼器4には燃料と圧縮機2で生成された圧縮空気とが供給され、燃料を燃焼させることによって、タービン6の作動流体である燃焼ガスを発生させる。そして、燃焼ガスは燃焼器4から後段のタービン6に送られる。なお、燃焼器4の詳細な構成例については後述する。」 「【0030】 次に、図2及び図3を参照して、一実施形態に係る燃焼器4の詳細な構成について説明する。なお、図2は、一実施形態に係る燃焼器4を示す断面図である。図3は、一実施形態に係る燃焼器4の要部を示す断面図である。 【0031】 図2及び図3に示すように、一実施形態に係る燃焼器4は、ロータ8を中心として環状に複数配置されている(図1参照)。各燃焼器4は、ケーシング20により画定される燃焼器車室40に設けられた燃焼器ライナ46と、燃焼器ライナ46内にそれぞれ配置されたパイロット燃焼バーナ50及び複数のメイン燃焼バーナ(予混合燃焼バーナ)60と、を含む。なお、燃焼器4は、燃焼ガスをバイパスさせるためのバイパス管(不図示)等の他の構成要素を備えていてもよい。 【0032】 例えば、燃焼器ライナ46は、パイロット燃焼バーナ50及び複数のメイン燃焼バーナ60の周囲に配置される内筒46aと、内筒46aの先端部に連結された尾筒46bと、を有している。 パイロット燃焼バーナ50は、燃焼器ライナ46の中心軸に沿って配置されている。そして、パイロット燃焼バーナ50を囲むように、複数のメイン燃焼バーナ60が互いに離間して配列されている。 パイロット燃焼バーナ50は、燃料ポート52に連結されたパイロットノズル(ノズル)54と、パイロットノズル54を囲むように配置されたパイロットバーナ筒56と、パイロットノズル54の外周に設けられたスワラ58と、を有している。なお、パイロット燃焼バーナ50の具体的な構成については後述する。 メイン燃焼バーナ60は、燃料ポート62に連結されたメインノズル(ノズル)64と、メインノズル64を囲むように配置されたメインバーナ筒66と、メインノズル64の外周に設けられたスワラ68と、を有している。 【0033】 上記構成を有する燃焼器4において、圧縮機2で生成された高温高圧の圧縮空気は車室入口42から燃焼器車室40内に供給され、さらに燃焼器車室40からメインバーナ筒66内に流入する。そして、この圧縮空気と、燃料ポート62から供給された燃料とがメインバーナ筒66内で予混合される。この際、予混合気はスワラ68により主として旋回流を形成し、燃焼器ライナ46に流れ込む。また、圧縮空気と、燃料ポート52を介してパイロット燃焼バーナ50から噴射された燃料とが燃焼器ライナ46で混合され、図示しない種火により着火されて燃焼し、燃焼ガスが発生する。このとき、燃焼ガスの一部が火炎を伴って周囲に拡散することで、各メイン燃焼バーナ60から燃焼器ライナ46内に流れ込んだ予混合気に着火されて燃焼する。すなわち、パイロット燃焼バーナ50から噴射されたパイロット燃料によるパイロット火炎によって、メイン燃焼バーナ60からの予混合気(予混合燃料)の安定燃焼を行うための保炎を行うことができる。」 「【0034】 以下、本実施形態に係る燃焼バーナの構成について、一例として上述したパイロット燃焼バーナ50を用いて詳細に説明する。 なお、本実施形態に係る燃焼バーナは、パイロット燃焼バーナ50に限定されるものではなく、ノズルの周囲の軸方向流路にスワラ(スワラベーン)が設けられた燃焼バーナであればどのタイプの燃焼バーナに対しても適用可能である。例えば、燃焼バーナは、ガスタービン1の燃焼器4に設けられるメイン燃焼バーナ60であってもよいし、ガスタービン1以外の機器に設けられる燃焼バーナであってもよい。 【0035】 一実施形態に係る燃焼バーナ(パイロット燃焼バーナ)50の概略的な基本構成を図4及び図5に示す。ここで、図4は幾つかの実施形態に係る燃焼バーナ50の概略的な基本構成を示す断面図である。なお、同図はノズル54の軸方向に沿った断面図である。図4では、理解を容易にするために、ノズル54の下方に位置するスワラ58はノズル軸方向に沿った断面を示すが、ノズル54の上方に位置するスワラベーン70はその側面図を示している。図5は図4に示される燃焼バーナのX-X線断面図である。 一実施形態に係る燃焼バーナ50は、ノズル(燃料ノズル)54と、パイロットバーナ筒56と、スワラ58と、仕切り板100と、を備えている。 【0036】 ノズル54は、例えば上述したように燃料ポート52(図2及び図3参照)に連結され、燃料ポート52から燃料が供給される。なお、燃料は、気体であっても液体であってもよく、その種類も特に限定されない。また、パイロットノズル54には、例えば燃料ガス及び燃料油のように、2種類以上の燃料が供給されてもよい。 【0037】 パイロットバーナ筒56は、ノズル54に対して同心状に、且つノズル54の少なくとも先端側を囲むように配置されている。すなわち、パイロットバーナ筒56の軸はノズル54の軸と略一致し、且つパイロットバーナ筒56の径はノズル54の径よりも大きい。パイロットバーナ筒56は、ノズル54の周囲の上流側領域においては壁面がノズル54の軸方向に沿った円筒状に形成され、火炎面側に位置する下流側領域においては壁面が端部に向けて拡径する円錐台形状に形成されてもよい。なお、本実施形態において、上流側とは、空気又は燃料の流れる向きにおける上流側をいい、下流側とは、空気又は燃料の流れる向きにおける下流側をいう。 ノズル54の外周面とパイロットバーナ筒56の内周面との間には、ノズル54の周囲において該ノズル54の軸方向に沿って延在する環状の空気流路90が形成されている。この空気流路90には、その上流側(図4において左側)から下流側(図4において右側)に向かって、空気が流通する。空気は圧縮空気であってもよい。また、空気流路90に供給される空気は、燃料を含まない空気であってもよい。 【0038】 スワラ58は、空気流路90を流通する気体を旋回させるように構成され、少なくとも一枚のスワラベーン70を備える。なお、図4及び図5に例示したスワラ58は、ノズル54を中心として放射状に配列された8枚のスワラベーン70を有している。 【0039】 スワラベーン70は、ノズル54の周囲においてノズル54の軸方向に沿って延在する空気流路90に設けられ、空気流路90を流通する気体に旋回力を付与するように構成されている。スワラベーン70は、平面視において翼型形状を有する流線形であってもよい。 また、スワラベーン70は、ノズル54側に位置する翼根部71と、翼根部71よりも外周側に位置する翼本体部72と、を有している。具体的に、翼根部71はスワラベーン70の外周面に立設しており、翼根部71によって翼本体部72がノズル54に連結される。また、翼根部71は、ノズル54の軸方向における長さが翼本体部72より短い。 さらに、図9に示すように、スワラベーン70は、圧力面である腹面73と、負圧面である背面74と、気体の流通方向(ノズル54の軸方向)における上流側の端部である前縁75と、下流側の端部である後縁76と、を有している。なお、図9については後に詳述するが、同図は一実施形態におけるスワラベーン70A及び仕切り板100Aの分解斜視図である。」 「【0040】 図4及び図5に戻り、スワラベーン70には、少なくとも一つの燃料噴射孔78が形成されている。本実施形態では一例として、スワラベーン70の腹面73に1個の燃料噴射孔78が形成された構成を示している。他の構成として、スワラベーン70の腹面73又は背面74(図9参照)に複数の燃料噴射孔78が形成されていてもよい。燃料と空気の予混合を促進する目的から、少なくとも一つの燃料噴射孔78はスワラベーン70の上流側領域に設けられていてもよい。 【0041】 ノズル54及びスワラベーン70の内部には、それぞれ、燃料ポート52(図2及び図3参照)から供給された燃料を流通させるための燃料流路が設けられている。 一構成例において、燃料流路は、予混合燃焼用燃料流路80と、拡散燃焼用燃料流路85(図5及び図6参照)と、スワラ内燃料流路79と、を含む。 【0042】 予混合燃焼用燃料流路80は、ノズル54の内部に設けられており、ノズル54の軸方向に沿った上流側流路81及び下流側流路82と、上流側流路81及び下流側流路82の間に設けられたキャビティ83と、を有している。下流側流路82は、スワラ内燃料流路79に連通している。 スワラ内燃料流路79は、スワラベーン70の内部(例えば翼根部71の内部)に設けられており、スワラベーン70の燃料噴射孔78に連通している。 予混合燃焼用燃料流路80に供給された燃料は、上流側流路81、キャビティ83、下流側流路82を順に通って、スワラベーン70の燃料噴射孔78から空気流路90に噴射される。そして、燃料噴射孔78から噴射された燃料は、空気流路90を流れる空気と混合されて予混合気(燃料ガス)となり、燃焼空間に送られて燃焼する。なお、燃焼空間とは、ノズル54の後流側の領域であって、パイロットバーナ筒56で囲まれた空間を含む。」 「【0044】 図4及び図5に戻り、仕切り板100は、ノズル54を囲むように環状に形成されている。例えば、仕切り板100は、複数の部材を溶接等によって接合することにより環状に形成されてもよいし、一つの部材によって環状に形成されてもよい。 また、仕切り板100は、ノズル54の半径方向において空気流路90のうち少なくともスワラベーン70の下流側の領域を仕切り、空気流路90のうち少なくとも前記領域を、ノズル54の外周面に面する内側流路92と該内側流路92に対して半径方向の外側に位置する外側流路91とに分割するように構成されている。 【0045】 外側流路91には、スワラベーン70に形成された燃料噴射孔78が位置している。さらに、仕切り板100の上流側端部101は、ノズル54の軸方向において、燃料噴射孔78よりも上流側に位置している。 一実施形態においては、図4に示すように、内側流路92内には燃料噴射孔が存在しない。すなわち、内側流路92内には、ノズル54内の外周面にもスワラベーン70にも燃料噴射孔は設けられていない。また、一実施形態においては、空気流路90に供給される空気は、燃料を含まない空気である。 【0046】 図4に示す例では、仕切り板100は、スワラベーン70の上流側から下流側までの全ての領域を仕切るように構成されている。 あるいは、仕切り板100の上流側端部101が、スワラベーン70の前縁75(図9参照)よりも下流側に位置してもよい。この場合も、仕切り板100の上流側端部101は、ノズル54の軸方向において、燃料噴射孔78よりも上流側に位置するものとする。 【0047】 上記実施形態によれば、仕切り板100によって空気流路90のうち少なくとも下流側の領域を内側流路92と外側流路91とに仕切り、内側流路92を流れる空気によってノズル54の外周面を覆うフィルム空気層を形成している。さらに、外側流路91内に形成された燃料噴射孔78が仕切り板100よりも上流側に位置するように構成したので、燃料噴射孔78から噴射された燃料が内側流路92におけるフィルム空気層へ混入することを防止でき、フラッシュバックの発生を効果的に抑制できる。」 「 [図:0001397048000001.jpg] 」(【図2】) 「 [図:0001397048000002.jpg] 」(【図3】) 「 [図:0001397048000003.jpg] 」(【図4】) 「 [図:0001397048000004.jpg] 」(【図5】) したがって、上記引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 1本の円筒状のパイロットノズル54と、前記パイロットノズル54を囲むように互いに離間して配列されている複数のメインノズル64と、を備える燃焼器4であって、 前記円筒状の前記パイロットノズル54は、該パイロットノズル54を中心として放射状に配列された8枚のスワラベーン70にそれぞれ1個形成されている8個の燃料噴射孔78から燃料を噴射するように構成され、 前記パイロットノズル54は、全ての前記燃料噴射孔78から燃料を噴射するように構成された、燃焼器4。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。 「【0028】 ガスタービン燃焼器1は、図1に示すように、外筒2と、外筒2の内部に設けられている内筒3と、内筒3の下流側に接続されている尾筒5と、内筒3の軸中心位置に配置されているパイロットノズル4と、内筒3内に等中心角度間隔でパイロットノズル4の周囲に設けられている複数(例えば、8個)のメインノズルMと、外筒2の内壁面の周方向に沿って設けられている複数(例えば、16個)のトップハットノズルTとを備えている。」 「【0030】 パイロットノズル4は、予混合気中に燃料を供給してパイロット火炎(拡散火炎)を生成するものである。パイロットノズル4は、内筒3の軸中心位置に1本配置されている。パイロットノズル4は、その下流側の先端部にパイロットノズル用噴射孔(図示せず)が形成されており、先端部近傍の外周であってパイロットノズル用噴射孔の上流側にパイロットスワールベーン(図示せず)を有している。 【0031】 メインノズルMは、内筒3内の燃焼用空気流中に燃料を供給して予混合気を形成する。メインノズルMは、パイロットノズル4の周囲に例えば8本が等中心角度間隔に配置されている。メインノズルMは、その下流側の先端部にメインノズル用噴射孔(図示せず)が形成されており、先端部近傍の外周であってメインノズル用噴射孔の上流側にメインスワールベーン(図示せず)を有している。メインノズル用噴射孔は、パイロットノズル用噴射孔よりも空気流入部12から内筒3内に導かれた予混合気の上流側に設けられている。 【0032】 8本の各メインノズルMには、図2の左上方から時計回りにM1~M8と符号を付す。これらの8本の各メインノズルMは、部分負荷割合に応じて、メインノズルMのうち白抜きの円印で示したM4~M8の5本のメインノズルMと、塗潰した円印で示したM1~M3の3本のメインノズルMとの2つ(複数)のメインノズル用グループM-A、M-Bに分割されている。このように2つのメインノズル用グループM-A、M-Bに各メインノズルMを分割することによって、ガスタービンの低負荷運転の際には、メインノズルM4~M8の5本のみで燃焼を行い、それよりも高負荷運転の際には、メインノズルM1~M8の8本全部で燃焼を行うフューエルステージングを行う。 【0033】 2つのメインノズル用グループM-A、M-Bに分割された各メインノズルMから噴射される燃料噴射量は、ガスタービンの定格負荷運転の際にメインノズル用グループM-Aとメインノズル用グループM-Bとでは異なっている。」 「 [図:0001397048000005.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001397048000006.jpg] 」(【図2】) したがって、上記引用文献2には、以下の技術的事項(以下、「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「 1本のパイロットノズル4と、前記パイロットノズル4をの周囲に等中心角度間隔に配置されている複数のメインノズルMと、を備えるガスタービン燃焼器1であって、 前記パイロットノズル4は、該パイロットノズル4の下流側の先端部に形成されているパイロットノズル用噴射孔から燃料を噴射するように構成された、 ガスタービン燃焼器1。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明における「円筒状のパイロットノズル54」は、本願発明1における「円筒状の第1ノズル」に相当する。 また、引用発明における「囲むように互いに離間して配列されている」ことは、本願発明1における「取り囲むように周方向に配置された」ことに相当する。そして、引用発明における「パイロットノズル54を囲むように互いに離間して配列されている複数のメインノズル64」は、本願発明1における「第1ノズルを取り囲むように周方向に配置された複数の第2ノズル」に相当する。 さらに、引用発明における「燃焼器4」は、本願発明1における「ガスタービン燃焼器」に相当する。 イ 引用発明における「パイロットノズル54を中心として放射状に配列された8枚のスワラベーン70にそれぞれ1個形成されている」ことは、本願発明1における「第1ノズルの軸中心を取り囲むように周方向に配列された」ことに相当する。また、引用発明における「8個」は、本願発明1における「n個(nは2以上の整数)」に相当する。 そうすると、引用発明における「パイロットノズル54を中心として放射状に配列された8枚のスワラベーン70にそれぞれ1個形成されている8個の燃料噴射孔78」は、本願発明1における「第1ノズルの軸中心を取り囲むように前記周方向に配列されたn個(nは2以上の整数)の燃料噴射孔」に相当する。 ウ 引用発明における「パイロットノズル54は、全ての燃料噴射孔78から燃料を噴射するように構成された」ことは、本願発明1における「第1ノズルは、1以上の前記燃料噴射孔からの燃料噴射量が他の1以上の前記燃料噴射孔からの燃料噴射量とは異なるように、全ての燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成された」ことと、「第1ノズルは、全ての燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成された」ことという限りにおいて一致する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「 1本の円筒状の第1ノズルと、前記第1ノズルを取り囲むように周方向に配置された複数の第2ノズルと、を備えるガスタービン燃焼器であって、 前記円筒状の前記第1ノズルは、該第1ノズルの軸中心を取り囲むように前記周方向に配列されたn個(nは2以上の整数)の燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成され、 前記第1ノズルは、全ての前記燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成された、ガスタービン燃焼器。」 (相違点) 「第1ノズル」の軸中心を取り囲むように周方向に配列された「燃料噴射孔」について、本願発明1は、「n個の燃料噴射孔は、周方向に隣接する任意の一対の燃料噴射孔間の角度差θ[°]が0<n×θ/360<2となるように配置され」、「1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量が他の1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量とは異なるように」、全ての燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成されたものであるのに対し、引用発明は、全ての燃料噴射孔78(燃料噴射孔)から燃料を噴射するように構成されたものではあるものの、燃料噴射孔78(燃料噴射孔)の配置について本願発明1のような特定がなく、また、本願発明1のように「1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量が他の1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量とは異なるように」噴射するとの特定はない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点について検討する。 引用文献2に記載された技術的事項は、「第4 引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」に記載のとおりである。 しかしながら、引用文献2に記載された技術的事項は、相違点に係る本願発明1の発明特定事項のように、「第1ノズル」について、「第1ノズル」の軸中心を取り囲むように周方向に配列された「燃料噴射孔」が「n個の燃料噴射孔は、周方向に隣接する任意の一対の燃料噴射孔間の角度差θ[°]が0<n×θ/360<2となるように配置され」、「第1ノズル」が「1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量が他の1以上の燃料噴射孔からの燃料噴射量とは異なるように」、全ての燃料噴射孔から燃料を噴射するように構成されたものではないことから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から、相違点に係る本願発明1の発明特定事項に容易に想到することはできない。 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3は、本願発明2において新たに特定された発明特定事項に対して周知技術を示す文献として引用され、同引用文献4及び5は、本願発明3において新たに特定された発明特定事項に対して周知技術を示す文献として引用されたものであるが、いずれも相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。 (3)まとめ したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2ないし5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2ないし10について 本願発明2ないし10も、本願発明1と同一の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明11について 本願発明11は、本願発明1のガスタービン燃焼器の燃焼振動抑制方法の発明であり、本願発明1の「第1ノズル」及び「第2ノズル」に対応する発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1ないし11は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-011906

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