商標拒絶査定不服審判
2022-011683
カミシツカイゼンカット
- 審判番号
- 2022-011683
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-128443
- 請求日
- 2022年07月28日
- 審決日
- 2023年08月18日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社カペリート
- 【請求人代理人】大森 勇
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-128443拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「髪質改善カット」の文字と「KamisitsuKaizenCut」の欧文字を2段に横書きしてなり、第44類「美容,理容」を指定役務として、令和3年10月15日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月14日付けで拒絶理由が通知され、同月28日付けで意見書が提出されたが、同年6月22日付けで拒絶査定され、これに対して同年7月28日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標は「髪質改善カット」の文字と「KamisitsuKaizenCut」の文字とを2段に横書きしてなるところ、その構成中の「髪質改善カット」の文字は「髪の質をよくするカット」ほどの意味合いを認識させ、「KamisitsuKaizenCut」の文字は「髪質改善カット」の文字の読みをローマ字で表したものと認識され、本願の指定役務を取り扱う業界において、髪質を改善するカット方法や技術について「髪質改善カット」の文字が使用されている実情が見受けられることから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、髪の質をよくするカット方法や技術を提供することを理解するにとどまり、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年3月30日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和5年5月8日に回答書(以下「回答書」という。)を提出し、要旨、以下1及び2のとおりの意見を述べた。
1 「髪質改善カット」の語は、請求人が創り出した造語であり、役務の質を普通に表示したものではない。
2 「髪質改善カット」の語は、請求人が広めた造語であり、現在でも識別力のある標章である。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知的財産高等裁判所 平成27年(行ケ)第10107号、同年10月21日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「髪質改善カット」の文字と、「KamisitsuKaizenCut」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、構成中の「髪質」の漢字は、別掲1のとおり「毛髪の性質・特徴。」の意味を、「改善」の漢字は「悪いところを改めてよくすること。」の意味を、「カット」の片仮名は「髪を切り整えること。」(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)の意味を、それぞれ有する語であることから、「髪質改善カット」の文字は、構成各語の意味より全体として、「毛髪の性質・特徴を改めてよくするために髪を切り整えること。」ほどの意味合いを認識させるものであり、また、本願商標の構成中の「KamisitsuKaizenCut」の欧文字は、「髪質改善カット」の文字の読みを欧文字で表したものと容易に理解されるものである。
そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、別掲2のとおり、「髪の質をよくする」の意味合いで、「髪質改善」の語が使用されている実情があり、別掲3のとおり、「髪の質をよくするカット技術」の意味合いで、「髪質改善カット」の語が使用されていることが確認できる。
そうすると、「髪質改善カット」の文字と、「KamisitsuKaizenCut」の欧文字を2段に横書きしてなる本願商標は、構成全体として、「髪の質を改善するカット(毛髪の性質 特徴を改めてよくするために髪を切り整えること。)」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「髪の質を改善するカット技術により提供される美容、理容」であることを理解するにとどまり、自他役務の識別標識とは認識しないというべきである。
したがって、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、回答書により、「髪質改善カット」の語は、請求人が創り出した造語であり、役務の質を普通に表示したものではない旨を主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「髪の質をよくする」の意味合いで、「髪質改善」の語が使用されている実情があり、「髪の質をよくするカット技術」の意味合いで、「髪質改善カット」の語が使用されていることからすると、本願商標を構成する「髪質改善カット」の文字からは「髪の質を改善するカット(毛髪の性質 特徴を改めてよくするために髪を切り整えること。)」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「髪の質を改善するカット技術により提供される美容、理容」であることを理解するにとどまり、自他役務の識別標識とは認識しないと判断するのが相当である。
(2)請求人は、回答書により、「髪質改善カット」の語は、請求人が広めた造語であり、現在でも識別力のある標章である旨述べているが、請求人のかかる主張を裏付ける証拠は何も提出されていない。
しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識とは認識しないことは、上記1(2)の記載のとおりである。
(3)以上より、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張についても採用することはできない。
なお、請求人は、回答書により、本願商標が造語でないと認定される場合は、本願の指定役務を「理美容はさみを使って行う美容,理美容はさみを使って行う理容」のように補正する準備がある旨主張するが、本願商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識とは認識しないことは、上記1(2)の記載のとおりであり、仮に本願の指定役務を請求人が主張する「理美容はさみを使って行う美容,理美容はさみを使って行う理容」に補正したとしても、本願商標が、補正後の指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するという認定、判断を覆すものではないことから、本件の審理において、改めて本願の指定役務の補正の機会を与える必要はないと合議体は判断した。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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