商標拒絶査定不服審判
2022-011605
ジャパンエッグバンク、エッグバンク
- 審判番号
- 2022-011605
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-025670
- 請求日
- 2022年07月26日
- 審決日
- 2024年03月05日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社メディブリッジ
- 【請求人代理人】五味 和泰
- 【請求人代理人】淡路 里美
- 【請求人代理人】渡辺 貴康
- 【請求人代理人】浜崎 晃
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-25670拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ジャパンエッグバンク」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、令和3年3月4日に登録出願されたものであり、指定役務については、原審における同4年3月28日提出の手続補正書により、第44類「人の卵子の収集及び保存,卵子提供に関する相談及び助言,代替医療による治療,体外受精の分野における医療,医療,医療に関する相談及び助言,医療施設の紹介又は取次ぎ,医療情報の提供,健康診断,健康管理に関する指導及び助言,試験管内受精,不妊治療,人工授精,医療用機械器具の貸与」と補正されたものである。
本願は、令和3年12月16日付けで拒絶理由の通知がされ、同4年3月28日に意見書が提出されたが、同年5月19日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年7月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ジャパンエッグバンク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ジャパン」の文字は「英語で、日本の称」を、「エッグ」の文字は「卵」を、「バンク」の文字は「銀行。貴重なものを蓄えておく所。」をそれぞれ意味し、インターネット情報によれば、卵子を保存・管理する施設である「卵子バンク」を表す文字として、「エッグバンク」の文字が使用されている事実が確認できることから、本願商標全体として「日本の卵子バンク」ほどの意味合いが容易に認識される。そうすると、本願商標を、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、単に「日本の卵子バンクにおける役務」であること、すなわち、単に役務の質、提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年12月1日付け審尋により、別掲に掲げる事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記第3の審尋に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 本願商標及びその構成文字について
(1)本願商標の構成について
本願商標は、「ジャパンエッグバンク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ジャパン」の文字部分は「英語で、日本を呼ぶ称。」(広辞苑第7版)であって、我が国において一般に広く知られた語であるばかりか、日本において商取引を行う者にとっては、産地、提供場所、活動拠点等を示すものとして、多くの者が使用し、又はその使用を欲するものというべきである。また、「卵。鶏卵。」を意味する「エッグ」の語(同掲書)及び「銀行。特定のものや情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関。」を意味する「バンク」の語(同掲書)についても、我が国において一般に広く知られた語であるから、「ジャパン」の文字に続く「エッグバンク」の文字部分は、上記「エッグ」及び「バンク」の両語よりなるものであることは明らかといえる。
してみれば、本願商標は、全体として、「ジャパン」、「エッグ」及び「バンク」の各語から構成されるものと容易に理解することができる。
(2)「エッグ」の文字について
ア 本願商標構成中の「エッグ」の文字に関し、その英語表記である「egg」の文字は、別掲(1)アのとおり、「卵子、卵細胞」等の意味が含まれており、当該意味は、指定役務とも密接に関連するものである。
イ また、ウェブサイトの構築においては、「そのページに書いている内容をキーワード」としてURLの末尾(ファイル名)の文字に用いることが好ましいとされているところ(https://kumaweb-d.com/blog/seo-url/)、例えば別掲(1)イの事例のように、医療関係の事業者が運営するウェブサイトの「卵子」に関する記事のページにおいては、そのURLの末尾に「egg」の文字が、共通して使用されている実情を確認することができる。そうすると、医療関係の事業者が、「egg」の文字に「卵子」の意味が含まれていることを認識して、ウェブサイトのページを作成している様子がうかがえる。
ウ さらに、卵子を提供する者(卵子のドナー)について、「エッグドナー」と称する事例が、別掲(1)ウで示すインターネット情報において多数確認することができる。
エ 上記アないしウからすると、「エッグ(egg)」の語には、指定役務と密接に関連する「卵子、卵細胞」等の意味が含まれるものであり、実際に、医療関係の事業者が、「卵子」に関するウェブサイトのページの作成の際に「egg」の文字をURL末尾に共通して使用することや、卵子を提供する者(卵子のドナー)を「エッグドナー」と称する事例が多数みられることからすれば、指定役務を提供する業界において、「エッグ」の語は、「卵子」を表すものとして定着しているとみるのが相当である。
(3)「エッグバンク」の文字について
上記(2)エのとおり、本願商標構成中の「エッグ」の文字部分は、指定役務との関係において、「卵子」を表すものとして使用されるものである。
また、本願商標構成中の「バンク」の文字が、「特定のものや情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関。」の意味を有する語であって、「アイ‐バンク」「データ‐バンク」のような用例がある(広辞苑第7版)ことや、医療関係の業界において、前記「アイ‐バンク」の他にも「骨髄バンク」や「腎バンク」、「臓器バンク」といったものが存在することを考慮すれば、「エッグ」の文字と「バンク」の文字を結合した「エッグバンク」の文字部分は、「卵子やその情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関」、すなわち「卵子バンク」であることを理解させるものである。
そして、別掲(2)で示すインターネット情報によれば、「卵子やその情報を集め、使用に備えて蓄えておく機関」について、「エッグバンク」又は「卵子バンク」と称している実情を確認することができる。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標の構成中、「ジャパン」の文字は、上記1(1)のとおり、「日本」を指すものとして、我が国において一般に広く知られた語であり、また、日本において商取引を行う多くの者が使用又は使用を欲するものである。
また、「エッグ」の文字部分は、上記1(2)エのとおり、指定役務との関係において、「卵子」を表すものとして使用されるものである。
さらに、「エッグ」の文字と「バンク」の文字とを結合した「エッグバンク」の文字は、上記1(3)のとおり、「卵子やその情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関」、すなわち「卵子バンク」であることを理解させるものであり、実際にそのような機関について「エッグバンク」と称す実情がある。
以上からすれば、「ジャパンエッグバンク」の文字は、「卵子バンク」を理解させる「エッグバンク」の文字に、多数の者に使用される「ジャパン」の文字を結合してなるものであり、これよりは、「日本において提供される卵子バンク」ほどの意味合いを認識させるものである。
そうすると、「ジャパンエッグバンク」の文字よりなる本願商標を、その指定役務に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、「日本において提供される卵子バンク」ほどの意味合いをもって、役務の提供の場所、質(内容)を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。
加えて、本願商標は、前記第1で述べたとおり、標準文字で表されたものであるから、普通に用いられる方法で表されたものである。
したがって、本願商標は、役務の提供の場所、質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとして、商標法第3条第1項第3号に該当し、「日本において提供される卵子バンク」と関連のない役務に使用をするときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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