商標拒絶査定不服審判
2022-011525
プレミアムドクターピロー、プレミアムドクター、ドクターピロー、プレミアム
- 審判番号
- 2022-011525
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-038705
- 請求日
- 2022年07月25日
- 審決日
- 2023年08月18日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社イングリウッド
- 【請求人代理人】江部 武史
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W20) / T18 .272-Z (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 38705拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「プレミアムドクターピロー」の片仮名と、「PREMIUM DOCTOR PILLOW」の欧文字を2段に横書きしてなり、第20類「枕」を指定商品として、令和3年3月31日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年12月7日付けで拒絶理由が通知(以下「拒絶理由通知」という。)され、同4年1月21日に意見書が提出されたが、同年4月22日付けで拒絶査定され、これに対して同年7月25日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなる登録第5464710号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、本願の指定商品と引用商標に係る指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨、認定、判断し本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年3月7日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2ないし別掲4のとおりの事実を提示した上で、拒絶理由通知の理由1で提示したとおり、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和5年4月7日提出に係る回答書(以下「回答書」という。)を提出し、要旨、以下の1及び2のとおりの意見を述べた。
1 審尋で提示されたほとんどのウェブサイトは、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行っていることを示しているものではなく、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作された商品が、「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称されて取引されていることを全く記載していないため、取引者、需要者が、構成全体として、「プレミアムなドクターピロー」すなわち、「他の商品より価値があるドクターピロー」の意味合いを容易に認識することはあり得ない。
2 取引者・需要者は、「ドクターピロー」なる商品を想到することはなく、本願商標が商品「ドクターピロー」の品質を表示するものと認識することもなく、本願の指定商品「枕」との関係で識別力を有し、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知的財産高等裁判所 平成27年(行ケ)第10107号、平成27年10月21日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「プレミアムドクターピロー」の片仮名と、「PREMIUM DOCTOR PILLOW」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、その構成中の「PREMIUM」の欧文字は「他の物より価値があること。高級。上等。」の意味を、「DOCTOR」の欧文字は「医者。博士。」の意味を、「PILLOW」の欧文字は「枕」(いずれも「大辞林 第4版」株式会社三省堂)の意味を有する語であり、「プレミアムドクターピロー」の片仮名は、「PREMIUM」、「DOCTOR」及び「PILLOW」の各欧文字の読みを一連で表したものと容易に理解されるものである。
そして、本願の指定商品に関係する業界において、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行っている事実があり(別掲2)、また、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作された商品(医師が「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作されたと推認できる商品を含む。)が、「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称されて取引されている事実があり(別掲3)、さらに、本願の指定商品「枕」の紹介記事に、「他の物より価値がある商品」を示すものとして「プレミアム(PREMIUM)」の文字が使用されている事実がある(別掲4)。
そうすると、「プレミアムドクターピロー」の片仮名と「PREMIUM DOCTOR PILLOW」の欧文字を2段に横書きしてなる本願商標は、これに接する取引者、需要者が、構成全体として、「プレミアムなドクターピロー」すなわち、「他の商品より価値があるドクターピロー」の意味合いを容易に認識するものといわざるを得ず、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称される枕以外の枕に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、回答書において、審尋で提示されたほとんどのウェブサイトは、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行っていることを示しているものではなく、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作された商品が、「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称されて取引されていることを全く記載していないため、取引者、需要者が、構成全体として、「プレミアムなドクターピロー」すなわち、「他の商品より価値があるドクターピロー」の意味合いを容易に認識することはあり得ない旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、本願の指定商品に関係する業界において、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行っている事実、また、医師が助言や監修を行い製作された商品(医師が「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作されたと推認できる商品を含む。)が、「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称されて取引されている事実、さらに、「PREMIUM(プレミアム)」の文字が、「他の物より価値がある商品」を示す語として使用されている事実があることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成全体として、「プレミアムなドクターピロー」すなわち、「他の商品より価値があるドクターピロー」の意味合いを容易に認識するものであると判断するのが相当である。
(2)請求人は、回答書において、取引者・需要者は、「ドクターピロー」なる商品を想到することはなく、本願商標が商品「ドクターピロー」の品質を表示するものと認識することもなく、本願の指定商品「枕」との関係で識別力を有し、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、請求人以外の複数の者が、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作された商品のことを、「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称している事実があることからすれば、本願商標の構成中の「DOCTOR PILLOW(ドクターピロー)」の文字は、医師が専門知識に基づいて「枕」の機能や構造等について助言や監修を行い製作された枕であることを容易に理解するものである。
そうすると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるため、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を「DOCTOR PILLOW」及び「ドクターピロー」と称される枕以外の枕に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当すると判断するのが相当である。
(3)請求人の上記各主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張についても採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-011525