意匠拒絶査定不服審判
2022-010669
ブラインド
- 審判番号
- 2022-010669
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-003324
- 登録番号
- 1730858
- 請求日
- 2022年07月08日
- 審決日
- 2022年11月01日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ニチベイ
- 【請求人代理人】特許業務法人南青山国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 内藤 弘樹
- 審判官 正田 毅
- 審判官 橘 崇生
- 分類
- D18 .113-WY (C1-5)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2021- 3324「ブラインド」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の主な経緯
本願は、令和3年(2021年)2月17日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
令和3年 2月17日 手続補正書の提出
10月29日付け 拒絶理由の通知
12月15日 意見書の提出
12月15日 手続補足書の提出
令和4年 4月 4日付け 拒絶査定
7月 8日 審判請求書の提出
7月 8日 手続補足書の提出
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の記載及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「ブラインド」としたものであって、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし、「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」(以下、この部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し、意匠登録を受けることができないとしたものであって、当該拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」という。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1593799号(意匠に係る物品、ブラインド)のヘッド
ボックス正面の本願意匠に相当する部分の意匠
第4 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠に係る物品は「ブラインド」であり、引用意匠に係る物品も「ブラインド」であり、どちらも日よけや目隠しのために窓を覆うものである。
(2)両部分の用途及び機能
本願部分と引用意匠における本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分と併せて「両部分」という。)は、共にヘッドボックスの正面右端寄りの下方に表れている操作カバー部とその周辺(下側を除く。)に係るものであり、ブラインドのこれらの部分に係る用途及び機能を有するものである。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲
両部分の位置について、共にブラインドの上端にあるヘッドボックスの正面右端寄りの下方に位置するものである。
両部分の大きさについて、共に操作カバー部の大きさがヘッドボックスに取り付けられる操作棒の接続部分を覆う程度の大きさのもので、この操作カバー部とその周辺を含む一点鎖線で示した部分の大きさである。
両部分の範囲について、本願部分は、ヘッドボックスの縦幅の約5分の1の縦幅の、やや横長の四角形の操作カバー部と、その周辺を範囲としたものであるのに対して、引用部分は、ヘッドボックスの縦幅の約2分の1の縦幅の、極僅かに横長の四角形の操作カバー部と、その周辺を含む範囲としたものである。
(4)両部分の形状
(4-1)共通点
共通点1:操作カバー部の正面視形状は、四角形である。
共通点2:操作カバー部は、ヘッドボックスの正面の垂直面から前方へ突出したものである。
(4-2)相違点
相違点1:操作カバー部の上端面について、本願部分は、後方へ広がる斜面としたものであるのに対して、引用部分は、物品全体に対して極めて小さい部分である上に、図面上破線で記載されているために、斜面であるのか否か判別できないものである。
相違点2:操作カバー部の突出度(側面視横幅)について、本願部分は、ヘッドボックスの側面視横幅の約50分の1であるのに対して、引用部分は、約16分の1である(操作カバー部の突出度は、平面図及び右側面図を測定して導き出したものである。なお、引用部分の右側面図においては、操作カバー部より内側の、破線で記載された2本の縦線のうち、内側の破線部分がヘッドボックスの形状線であると判断した。)。
2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品については、共にブラインドであり、どちらも日よけや目隠しのために窓を覆うものであるから、同一である。
(2)両部分の用途及び機能について
両部分の用途及び機能については、共にブラインドのヘッドボックスに設けられた操作カバー部の正面部分とその周辺のヘッドボックス部分の用途及び機能を有するものであるから、共通する。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲について
両部分の位置及び大きさについては共通する。
しかし、両部分の範囲については、大きく相違し、ありふれた範囲内の相違といえるものではない。
(4)両部分の形状について
(4-1)共通点の評価
共通点1は、操作カバー部の正面視形状に係るものであるが、この物品分野においてはありふれた形状であるから、この共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は、小さい。
共通点2は、操作カバー部が突出している点であるが、これは概括した共通点であり、具体的に対比すれば、相違点2が認められるものであるから、この共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は、小さい。
(4-2)相違点の評価
相違点1は、操作カバー部の上端の形状に係るもので、全体意匠においては、目に触れにくい部分の相違であるが、両部分の対比においては、この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
相違点2は、操作カバー部の突出度に係るもので、操作カバー部が本願部分のように僅かしか突出していないものは従来見られるものではないし、引用部分も大きく突出しているものではないものの、本願部分の約3倍も突出したものであることから、この相違点が類否判断に及ぼす影響は、大きい。
(4-3)形状の類否
両部分の形状の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであり、相違点が両部分の形状の類否判断に与える影響は、共通点のそれを凌駕するものといえるから、両部分の形状は類似しない。
(5)小括
そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一であり、両部分の用途及び機能、並びに位置及び大きさは共通するものであるが、両部分の範囲における相違はありふれたものではなく、両部分の形状は類似しないから、本願意匠は、引用意匠に類似するものではない。
3 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠をもって、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものといえないから、原査定における拒絶の理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-010669